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短編

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情景を思いつくがままに文章にしてみました。 そしてそれを集めてみました。 インスタントフィクションです。
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#夏

幻[インスタントフィクションその21]

何かを見つけたのだろう、ゆうたは突然大声で叫んだ。
「みろよあれ!水たまりだぜ」
ここ数日は一滴の雨も降っていないというのに水溜まりがあると主張するゆうたを横目で一瞥すると、たつきはゆうたが指さす方に目を向けた。
「遠くてよく見えねぇよ。ほんとに水たまりなんか?」
当然であろう、立っているだけで汗が滴るたつきの顔には訝しむ表情がありありと浮かんでいた。
「どっちが先に入れるか競争しようぜ!」
汗が

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