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盛り上がる「太陽節」 また衛星もか

4月15日は北朝鮮において特別な日です。
初代の最高指導者・金日成(キム・イルソン)の誕生日。かの国では「太陽節」と呼ばれ、一年間で最も重要な記念日と位置づけられているのです。
コロナ禍が沈静化したことで北朝鮮も外国との人の往来が回復している上に、ロシアとの蜜月、さらに中国との伝統的な友誼も再確認できたということで、今年の「太陽節」は北朝鮮指導部にとって満足のいく盛り上がりだろうと推察します。


中国共産党ナンバー3が訪朝

今年の太陽節を前に、中国共産党序列3位の趙楽際(ちょう・らくさい)・全国人民代表大会常務委員長が率いる一行が訪朝していて、13日、平壌で金正恩(キム・ジョンウン)総書記と会談したことが伝えられました。

中国の趙楽際・全人代常務委員長と金正恩総書記

趙楽際氏と金正恩氏、どちらが軽妙な冗談を発したのか分かりませんが、ずいぶん楽し気な様子です。

習近平(しゅう・きんぺい)国家主席の「一強」体制化が進んでいる今の中国とはいえ、ナンバー3を派遣したのは、中国が北朝鮮との関係を重視している表れといえるでしょう。これは、今年が中朝国交樹立75周年にあたり、両国で「友好の年」と定められているためです。

中朝関係 本当のところは把握が困難

そうした節目の年に合わせて、共に朝鮮戦争を戦った中国との「血盟関係」あるいは「血で結ばれた友誼」と呼ばれる伝統的な友好関係を内外に示せたのは北朝鮮側にとってメリットが大きいといえそうです。
というのも、去年からロシアが北朝鮮から砲弾類を大量に買い上げたことをきっかけに露朝関係が一気に深まり、これを中国指導部が快く思っていないという観測があるためです。

こちらは、中朝関係を詳しくウォッチされている中野鷹さんの記事です。

ここでも紹介されているように、去年から「もう間近」とみられていた中国人観光客の北朝鮮旅行再開がズルズルと延びていて、その背景には金正恩総書記がロシアのプーチン大統領と会談して蜜月ぶりを天下にアピールしたことに習主席が腹を立てたという見方があるのです。

実際、北京に3年間駐在した経験を振り返っても、中国と北朝鮮の関係というのは、いってみれば「閉鎖性×閉鎖性」の関係なだけに、実像を掴むのは困難です。
中国にしてみると北朝鮮が核・ミサイル開発でいたずらにアメリカを刺激するのは危なっかしくて仕方なく、ミサイルの発射実験はともかく、核実験には一貫して反対してきました(中国東北部でも揺れて人民が驚きますし)。

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