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エンジニア未経験で開発のPMやるのってどうなん?


はじめに

初めまして!ファンタラクティブ株式会社でプロジェクトマネージャーを務めている平木と申します。ビジネスネームとして「しゅんぴー」と呼ばれているので覚えてくださると嬉しいです。
個人のX(旧Twitter)はこちら
※この記事はファンタアドベントカレンダー2023の14日目です。

この記事を書こうと思った背景

私は現在新卒3年目の代で、1年ほど前にファンタラクティブ株式会社に転職をして現在PMとして働いています。
ファンタラクティブは主に、Web領域での要件定義→デザイン→実装までを請け負う会社です。
今まで開発の現場で働いた経験はインターン時代に半年ほど、エンジニアとして働いた経験は全くない中でWeb開発のPMとして転職をしました。

そんな中、ネットやSNSでよく耳にする
「エンジニア経験なしで開発のPMやるのってどうなの?」
という疑問に対して、実際に1年間の経験談に基づいて私なりのアンサーを書いてみようと思いました。
※エンジニア未経験でPMをやっている私のポジショントークになってしまう点についてはご了承ください。

結論

「エンジニアの延長線上にPMがいるわけではなく、エンジニアリング以外の領域でやるべきことがPMにはあるので問題ない」というのが私の結論です。
以下に私がこの結論に至った背景を書いていきます。

BTC型人材と越境力

前提として、田川欣哉氏の著書である『イノベーション・スキルセット~世界が求めるBTC型人材とその手引き』にて触れられている「BTC型人材」という概念をお伝えします。
BTC型人材とは、Business・Technology・Creativeの三次元のスキルを柱としている人材のことを指します。著書の中で「従来の日本企業ではBT人材が多かったが、イノベーションを起こすにはCreativeの要素も必要だ。」という文脈でこの言葉が使われていますが、私はWeb開発の現場こそ、BTCが入り乱れている業界なのではないかと捉えています。

BTC型人材のベン図

弊社はデザイナー、エンジニア、PMの3つの職種がチームを組んでプロジェクトとしてクライアントの支援をしていますが、この3つの職種がすっぽりとBTCという概念に当てはまると思います。
Creativeを担うデザイナー、Technologyを担うエンジニア、Businessを担うPMという形にそれぞれが得意とする領域で力を合わせて仕事をしています。

とはいえ、領域としては綺麗に分けられるものの、プロジェクトを進める上で全ての業務が綺麗にBTCに分けられるかと言われるとそうではないと私は考えています。
例えば、ワイヤーフレームを作って画面仕様を詰めるのはデザイナーかPMか、詳細設計書を書くのはエンジニアかPMか等です。

これらの疑問に答えはないと私は思います。プロジェクト内で得意な人がやれば、プロジェクトとしては最大船速が出ると考えているからです。
弊社ではこれを「越境力」と呼んでいます。
自分の職種や肩書きに捉われず、文字通り越境していく力がWeb開発では求められると思いますし、先に述べたBTC型人材もBTCに分類するのではなく、3つの領域をバランスよく使いこなせる人材がイノベーションに不可欠であると述べられています。

PMの業務領域は広い

Project Managerという職種は肩書きは同じでも、隣の同僚ですらやっていることが異なるほどに業務領域が曖昧な職種だと思います。キャリアとしても多様性があり、デザイナーからのPMやエンジニアからのPM、ビジネスサイドからのPMなど、それぞれ得意とする領域も異なります。
前述のBTC型人材の内容を踏まえると、PMにはB型やT型、C型など特定の領域に振り切っている人もいれば、TCのバランスが取れている開発畑の人も存在するということになります。
(ごく稀にBTC全てに強いスーパーPMが存在しますが…)

それに加えて、会社やチームによってPMの定義や業務内容は大きく異なります。私も前職では”プロジェクトを推進する”という点では現在と同じことをしていましたが、Webサービスの開発ではなく、ワークフローを整備するという内容でクライアント企業のビジネスに携わっていました。

開発プロジェクトでもフェーズによってPMに求められる能力は変わってくると思います。

  • プロダクトもない状態でユーザーリサーチをして仮説検証を行うフェーズ

  • 0→1で新規プロダクトを作るフェーズ

  • 1→10でビジネスとしてグロースさせるフェーズ

使う脳みその場所やプロジェクトの進め方が全然違う感覚です。

初めてスプリントを組んでアジャイル開発をしている時のドキュメント

以上を踏まえて、私が伝えたいことは「PMにはエンジニアリング以外にも戦える場所がある!」ということです!

開発のプロジェクトには、BTCそれぞれの専門領域に特化したタスクがある一方で、BとT、BとC、TとCの間のタスクもあれば、BTCの要素全てを含むような複雑性の高いタスクがいくつも出てきます。

それぞれの専門領域に特化したタスクはセールスやデザイナー、エンジニアを頼らざるを得ないですが、領域の間に転がっていて、誰のボールになっているかわからないものに対しては適切に采配をしたり、自分で巻き取るなどして拾っていかなければプロジェクトは前に進みません。

と、ここまで偉そうに語ってきていますが、私もこれが完璧にできているかと言われれば難しいと感じています…。BTCのベン図の中心にあるタスクはある程度の知識や経験があれば捌けますが、私はデザイナーやエンジニアなどの専門職で働いた経験がないので、ベン図の外側のタスクに対しての理解が追いつかない部分もあります。

とはいえ、職種や役割を超えてプロジェクトを見れるというのが個人的にはPMの面白いところだと思います。ステークホルダーを巻き込んでプロジェクトを推進するのは自分自身にエネルギーがないとなかなかできないことだと思いますが、私は一つの目標に向かってチームで働くことがこの世で何よりも楽しいから頑張れています!←

おわりに

ここまでBTC型人材の話をベースに私なりのPM論(?)を展開してきましたが、この記事で私が伝えたいことは「エンジニア未経験で開発PMはできる!」ということです。
「できる!」と胸を張って言えるほど、PMの経験も実績もないですが、エンジニアリング以外の領域で戦えるフィールドがあるのが開発の現場だと私は思います。

そうは言ってもエンジニアリングの知識は必要ですけどね…

プロジェクトを進めていく上で、

  • 新機能の仕様を考える

  • 既存機能の改修を行うために現在の仕様を確認する

    • 既存機能に影響が出ないように調整する

というタスクが発生すると思いますが、その際にはエンジニアと仕様を決めていく上でどういう設計にするか、実装にどれくらいの期間がかかるかというのを話し合えないといけません。

また、新規顧客に対して提案をする際に、適切な技術選定をした上で質の高い提案をするためにはインフラ設計に関する知識や、デザインを設計する上での目的やターゲットの定義なども知識として必要になります。

今まで書いたことを覆すようなことをしますが、デザイナー・エンジニアとして働いた経験があるに越したことはないと思います。

PMとして働き始めてからせいぜい1年弱なので、また数年後に心境の変化や学んだことをアウトプットできるように、これからもPMとしてレベルアップを続けて、実績を積んでいきたいと思います。

以上です。ここまで読んでくださり、ありがとうございました!
ファンタアドベントカレンダー2023、次回は10月にデザイナーからPMにジョブチェンジし、12月にヨーロッパに移住して働いている山下先輩の記事になります!


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