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リクルートで求人広告の営業を3年間やってみて、一番印象に残っている仕事。

どうも、SHUNです。

今から3年前の2019年4月に新卒でリクルートに入社し、約3年が経過しようとしています。

最初の配属先は、宮城県。愛媛出身の自分にとっては全く縁もゆかりもなかった東北の地で気づけば3年が経過しようとしています。

僕の仕事は、いわゆる求人広告の営業です。扱う領域は、「中途の正社員採用」を専門とする商材で、商品の単価は数万円~数十万円と幅広。クライアント(顧客)は従業員数名の小さな工場から、一部上場企業まで多岐にわたります。


新卒で入社して3年間、本当に多くの経験を、東北の地ですることができました。

とにかく初めて訪れる場所に興奮し、現地の飲食店や観光名所を巡ったりすることが楽しかったです。

現地の生の情報に触れ、自社の扱うデータベースだけでは見えない魅力を広告として訴求し、実際にUターンで採用が決まった時などは、クライアントからとても喜んでもらえて、すごく嬉しかったのを覚えています。


そうした業務の中、とても印象に残っているお客様がいます。


ある青森の製菓メーカーでのご採用。従業員は40名ほどの地元でも長く愛されるお菓子メーカーでした。


依頼をいただいたとき、これまでの採用は基本的に職安(ハローワーク)しか使ったことがなく、それでも近年採用が厳しくなってきたので、他の採用手法を模索されている最中でした。

ハローワーク(無料)をずっと使われてきた企業様からすると、求人広告は有料商材となるため、初めての利用ハードルは高い商品でもあります。成功報酬型の人材紹介とも異なり、仮に採用がうまくいかなくても最初に投資いただいたお金は返金ができません(いわゆる「みずもの」です)。


そのため、最初は「一番安いものを試してみようかな」という担当者の意向もあり、自分自身もそのつもりで提案を考えていました。

しかし現地に行ってみると、たまたま社長も同席していただけることになり、具体的な採用の目標や今後の事業展開について伺う機会がありました。


お話しをいただいたタイミングでは、製造ラインの強化に向けて、製造職のスタッフを強化したという内容した。この目先の採用に向けて話を進めてももちろんよかったのですが、社長も同席いただく折角の機会だったので、今回のライン増員の背景や今後事業をどのように拡大していく予定なのか聞いてみました。


増員の背景としては関東を中心に取引先(問屋)からのニーズが拡大しており、今後さらに多くの取引が見込まれるというもの。


ここでふと疑問だったのが、従業員数に対して実際に営業を行う営業マンや、関東での顧客との商談方法についてです。

関東に事業所を持たれている状況でもなかったため、商談のたびに営業の方が青森から現地まで出向いているのか、とつい質問してしまいました。


すると社長から、「実はそのこともすごく困っていて、実質営業は2名しかいないんだけど、ほぼ課長が毎回現地まで足を運んでくれてて結構負担かけてるんだよね。なんとかいい方法はないかな」と打ち明けてくれました。


この時、僕の中での採用の優先度が

「営業チームの課題解決(増員)」>「ライン増員」と順位付けされ、

社長にたいして、


『ラインの増員はもちろん大切なご採用であると認識しておりますが、これからの取引を見据えると更なる営業チームの皆様の負担が増加する可能性があります。提案なのですが、これからの関東での取引拡大も見据えて、先に営業チームの問題を一緒に解決しませんか』 と提案してみました。



ここで具体的に提案したことは、【関東での現地採用】です。

とはいえ関東に事業所を持っていなかったため、「採用してもどうやって働いてもらうのか」という社長の問いに対して、僕は「フルリモート」での働き方を提案しました。


今でこそ、コロナの影響もあり在宅勤務やフルリモートは当たり前になってきていますが、当時はまだコロナ前。地方ではあまり浸透もしていなかったタイミング。当然、現地のフルリモート採用では、育成も難しいため最初は難色を示されていました。

そこで、フルリモートにも適応しうる〈即戦力〉「同業×同職種」で働く求職者にターゲットを絞り、一緒に採用要件の設計から選考の進め方、面接会場の提案までトータルで行いました。


そうして迎えた広告オープンの日。気づけば当初の製造職でお話をいただいていた時の予算の5倍近い期待(投資)をいただき、求人活動がスタートしました。

蓋を開けてみると、なんと1ヶ月で250名近くの応募が殺到。若手からベテランまで多くの方からエントリーをいただく中、最終的に候補者を4名まで絞っていただき、最終選考の結果、見事ターゲティングした人材の採用に成功しました。


最初は「うちみたいな会社、応募してくれる人いるのかな」と懐疑的だった社長も、採用決定後は本当に喜んでいただき、ご入社いただいた方も今でも元気に活躍いただいてくれています。

昨年、社内戦略の関係で担当を後任に引き継ぐ形となりましたが、引継ぎ後も継続的に商品を使い続けていただいています。


結果的に良い採用につながりましたが、改めてこの仕事を棚卸してみると、学んだ点は以下の3点かなと思います。


①採用背景と事業について正しく理解すること

②潜在的な課題を把握するために、踏み込んで話を聞きに行くこと

③顧客の期待を超える、「最適な」プランを提示すること


①②については前述したとおりですが、③については、最終的に当初の予算の5倍近い金額(プラン)で提案を行いました。これは決してぼったくりではなく、「採用できる」可能性が最も高いプランで採用活動をご一緒したいと思ったからです。


実際に採用成功してリピートいただいた時、初めて自身が「物売り」営業から、顧客に選ばれる営業になれた、と思えた瞬間でした。


東北で過ごす時間もあとわずかになりましたが、営業マンとして大事なことを教えていただいたお客様でした。


そんなお話し。

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