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#14 WAIS-IIIの検査結果は私のトリセツ

私「人間関係で過剰に相手に合わせたり、言うべきことを主張できなかったり、ストレスや疲れが溜まってもそれに気づかず適度に発散・休むということができません。」

「そしてある日突然、朝目覚めても布団から起き上がれず職場に連絡する気力もなく、無断欠勤してしまいます。それを繰り返してきました。」

その他にも、過去の嫌な記憶を突然脈絡なく思い出し反芻する「フラッシュバック」やそれにより起こる「希死念慮」

騒音や人ごみ、人の言葉や換気の悪さなどに敏感でストレスを感じやすい反面、自分が疲れていることになかなか気付かない「感覚の過敏・鈍麻」

雑談など目的のない会話が苦手で、相手の言葉を額面通りに受け取り「言外の意図」が読めない。冗談が通じないと言われる。

その他様々な「困りごと」を伝えると検査をすることになった。

発達障害の検査には2種類のテストが行われる。自己診断でも行った「チェックリスト」とそれを裏付ける「WAIS-III」と呼ばれるIQテストを受ける。

「WAIS-III」は言語性・動作性・全検査・言語理解・知覚統合・作動記憶・処理速度の全7科目を測るテストだ。

結果は予想通り、自閉スペクトラム症とADHDを併発した発達障害であった。

IQテスト「WAIS-III」は合計点こそ平均だったが、それぞれの科目の点数に大きな差があり、見事な「凸凹」を描いていた。

自分はどうやら言葉の理解や記憶力、耳で聴いた情報を理解する能力はあるが、目で見た情報を理解する能力や推理力、応用力が著しく低いようだった。

自分がやたらと歌や音楽が好きで、楽器の経験がない割りには音程を外さず歌えたりするのは恐らく「耳で聴いた情報を理解する」能力のおかげだろう。ここでも伏線が回収された。

そう考えると自分の面倒な凸凹も案外、悪くない気がする。

検査結果を眺めのは、まるで自分の説明書を手に入れたような気分だった。自分にはどのパーツが足りなくて、どこが弱点なのかハッキリと可視化されるのは心強い。

医師からの正式な診断書には「診断名:自閉スペクトラム症 症状:希死念慮」と書かれていた。

長年一人で抱え続けてきた「困りごと」を第三者に認識され、名前をつけて「自分は、こんなことで困っています」と社会に発信できることは、自分にとって大きな進歩だった。

たとえそれが「障害」という、「レッテル」であったとしてもだ。



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