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「未知のものは怖い」は後から作られたシステム

知らないもの、やったことのないものは怖い、というクライアントさんがいました。

その言葉をずっと考えていて、あ、と思い出したドラマがあります。

1991年の月9ドラマ、織田裕二と鈴木保奈美の共演で最高視聴率32%越えを記録したあの『東京ラブストーリー』です。
ふるぅ〜〜〜〜〜!!!

って、もう30年もたつのですね~

何故、このドラマを思い出したかというと、カンチとリカが出会った時にこんなセリフがあるのです。

愛媛から東京へ出てきたカンチを東京駅まで迎えに来たリカ、カンチが不安そうな顔をしているので、なぜ?と聞くリカ、
「だって何があるかわからないから、不安だよ」とカンチ。
するとリカがこう答える。
「え~~~? なんで?何があるかわからないからワクワクするんじゃん!」

この場面が何故か思い出されたのです。


何があるかわからない・未知のもの→怖い
何があるかわからない・未知のもの→ワクワク

この違いは一体何だろう、と当時も疑問でした。


今、未知のものは怖いよ、という人へ、そうなんだ・・・そりゃ、知らないものは怖いよなぁと、どこかでその前提に疑うことなく同調して聞いている自分に気づき、ハッとしてしまったのです。


大好きな福岡伸一さんは、こう述べています。

本来、動物は未知のものが怖いという構造になってはいない、何故なら、生まれてから成長する過程未知のものだらけでそれを恐れていたら、生きていけない。
子どもは、毎日未知のものと遭遇し、それに飽くことなき好奇心を抱き、嬉々として取り組んでゆく、その姿こそが本来の人間の姿じゃないか、と。
ただ、大人になると、一応のことができるようになり、それで事足りる。
つまり、それ以上の成長を求めなければ、そこから「未知のもの=怖い」という新たなシステムが作られてゆくのではないか、と。


なるほど、未知のものへの恐怖は大人になることと引き換えに手に入れた、いわば保身術、もしくは動かないことの言い訳を作るシステム、ということですね。

だとすると、この、未知なるものへの恐怖を乗り越える方法は、「sense of Wonder」レイチェルカーソンのこの言葉を思い出すことにある、という意味がわかるような気がします。

新しいものに遭遇した時に感じた強烈な驚き、これはすべての子供たちに、等しく与えられた力です。

何かを見て、感動したり心惹かれたり、ドキドキしながら開いた本や、ワクワクして見つめ続けた昆虫や、心が震えるような音楽や、生まれて初めて出会ったものへの驚きの衝撃的な感覚です。

驚きという感情はとても大切な特別なサインです。
何に驚いたのか、それは一人ひとり違う、だからこそ、その体験はその人にとっての大切なものが何なのかを的確に教えています。

さかなクンは、蛸だったそうです。
何日も、蛸をみて飽きることがなかったそうです。

一番はじめに何に驚いたのか、思い出すと自分にとっての大事なものがわかるかもしれません。


あなたは、子供のころ何に驚きましたか?
そして今、あなたは何に驚いていますか?


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