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賛否あるワーケーションのとらえ方。日常から離れた環境で仕事をするメリットとは?

コロナ禍で「ワーケーション」という言葉が一気に浸透しましたが、皆さんは実際に体験したことありますか?

ワーケーションについては世間でも賛否両論といった感じですが、僕は正直、ワーク(仕事)とバケーション(休暇)を両立するのは難しいタイプの人間です。ただ、日常から離れることの重要性については強く実感しているし、どこに行くかではなく何をするかが大事だと思っています。

まずはワーケーションを「日常から離れる」という行為に置き換えて、その目的を明確にすることから始めるのがおすすめです。

仕事ができる人がサウナに行く理由

日常から離れてやるべきこととは何か。もちろんリフレッシュをするのも大事ですが、僕は「目の前の課題ではなく、遠い未来の課題と向き合うこと」だと思っています。

僕たち現代人は、一日一日を必死に生きています。やらなければいけないことが山積みになっていて、それを処理するのに精一杯。いつもの労働環境・生活環境にずっと身を置いていると、どうしても短期的なタスクに追われ、目の前にある課題としか向き合わなくなってしまう。だからこそ、物理的に日常から離れることが大事なんです。

パソコンとネット環境さえあればどこでも仕事ができる時代ですが、せっかく日常から離れて“非日常”に飛び込むなら、普段と同じ仕事をするのはもったいないです。「新しいものをインプットしたい」という目的が強い場合は、特に意識した方がいいと思います。

極論を言えば、パソコンもスマホも持って行かない、というのが一番良いかもしれません。たとえば仕事のできる人がよくサウナに行くのは、デジタルデバイスから離れて頭をリセットするためだったりします。物理的にも精神的にも“日常”に触れない状態にすることで、その場所でしかできないことに没頭できるようになります。

全社キックオフや経営合宿は、日常から離れた環境でこそメリットを実感できる

仕事でも、日常から離れたワークプレイスを選択するメリットはたくさんあります。ここでは、僕自身が経営者として実践したこと(主にオフサイトミーティング)を例に挙げてみたいと思います。

弊社では毎年10月に全社キックオフを開催するのですが、オフィスではやらずに沖縄や箱根に行ったり、都内で広い会場を借りたりしています。理由の1つは、一年の振り返りをして来期の方向性をすり合わせるという、普段の業務とはまったく違う頭の使い方をするから。もう1つは、離れた拠点のメンバー同士が顔を合わせる貴重な機会なので、しっかりコミュニケーションを取ってもらいたいからです。

オフィスにいると、メンバーはキックオフのスキマ時間で通常業務に戻ってしまいがちなので、あえて物理的に距離を置くようにしています。2020年からはコロナの影響で実施できていませんが、状況が落ち着いたら再開したいなと思っているところです。

また、2019年にグループの新しい企業理念を策定するため、役員と各事業部の責任者を集めて逗子へ合宿に行きました。合宿の良さは、時間の制限を取り払って議論ができることです。企業理念は会社にとって一番重要なものなので、1~2時間の会議を何度も繰り返すより、集中して企業理念のことだけを考える時間を設けた方が良いと判断し、平日丸2日を使いました。合宿を土日ではなく平日にやるというのも実は重要で、「貴重な業務時間を使っているのだからしっかりアウトプットしなければ」という意識を参加者に持ってもらう狙いもあります。

他にも、事業の長期戦略を考えたり、組織やチームのあり方について考えたりするときは、あえて日常の環境から離れてみるといいと思います。今日明日の話ではなく、できるだけ遠い未来の話をするイメージです。

日常のワークプレイスを離れることの良さは、普段と違う仕事をしてこそ実感できると思います。逆に言えば、「いつもと同じことはしない」という強い覚悟も必要です。明確な目的を持って最適なワークプレイスを選べるようになると、本当の意味で「場所にとらわれない働き方」が実現できるので、良かったらぜひ実践してみてください。