見出し画像

「セットアップオフィス」と「居抜き」という選択肢

最近オフィス業界に増えてきた「セットアップオフィス」をご存知ですか?

通常、オフィスを新たに借りる時は、何もないまっさらな状態で引き渡されます。その場合、内装業者を選定して新たに内装工事を行わなければいけません。

内装工事にどれくらい費用をかけるかは企業によって様々ですが、平均は一坪当たり15万円~30万円程度。たとえば100坪だと1,500万円~3,000万円くらいの費用が必要です。

さらに、内装工事は物件の賃貸契約が開始してからやっと着手できるため、すぐに入居できず、タイムラグが発生します。つまり、新オフィスの内装工事中は旧オフィスも借りたまま営業活動をしなければなりません。この期間は、旧オフィスと新オフィス、賃料を二重に支払わなければならないわけです。(工事期間も内容によってまちまちですが、100坪だとだいたい1~2ヶ月くらいでしょうか…)

入居者にとっては、時間もコストも負担となってしまう内装工事。この解決策として最近増えているのが、冒頭に紹介した「セットアップオフィス」です。

セットアップオフィスとは、あらかじめ内装工事が行われた状態で借りられるオフィスのこと。会議室やエントランスがあったり、デスクやチェアなどが既に備わっているものもあります。

内装工事費用や什器費用はオーナー側が負担するので、入居者の負担は軽減されます。また、入居までのタイムラグがなくなることで、契約開始とほぼ同時に営業を開始することができ、賃料の二重払いも最小限に押さえられるんです。

ゼロから内装をつくりあげたい企業にとっては、正直セットアップオフィスは不向きですが、もし内装イメージがぴったりハマれば申し分ないですし、とても良い選択肢だと思います。

実は47でも、セットアップオフィスの内装工事を手掛けているので、参考までにご覧ください。

セットアップオフィスと似て非なるものとして、「居抜き」というのもあります。すでに内装が完成している点は同じですが、セットアップオフィスと違って居抜きの場合、前テナントの企業のカラーが色濃く残っており、好みが分かれやすいです。

対してセットアップオフィスの場合、比較的どんなテナントにも合うように、万人受けするデザインやレイアウトに仕上げていることが多いため、居抜きよりもマッチする確率が高いと思います。あくまで確率の話にはなってしまいますが。

さらに、退去時の原状回復にも違いがあります。契約内容にもよりますが、居抜きの場合、退去時も居抜きで次のテナントが見つかればそのまま明け渡せるものの、期日までに見つからなければ居抜き前の状態まで原状回復しなければならないケースが多いです。この原状回復というのがなかなか厄介で、がっつり内装工事が施されている場合、結構な金額になることもあります。

一方、セットアップオフィスの場合は、入居時の状態にまで原状回復すれば良いケースが多いです。ほとんど手を入れずに入居・使用した場合は、原状回復費用も抑えられるでしょう。

といった具合に、退去時のことまで考えてオフィスを借りないと、後で思わぬ支出が発生することがあるので、注意が必要です。

改めて、オフィスの種類別にメリット・デメリットをまとめると、こんな感じでしょうか。

一般的なオフィス
メリット:自社にあった内装にすることができ、自由度が高い。
デメリット:内装工事費用がかかる。入居までの二重賃料が発生してしまう。
②セットアップオフィス
メリット:内装工事費用を最小限にできて、退去時の原状回復費用も安い。契約開始後すぐに入居できる。
デメリット:既に内装が完成しているので自由度があまり高くない。そもそもセットアップオフィスの母数が少ない。
③居抜き
メリット:内装工事費用を最小限にできて、契約開始後すぐに入居できる。
デメリット:前テナントの内装が残っている分、自由度が少ない。好みが分かれやすい。そもそも居抜きの母数が少ない。退去時に居抜きで明け渡せなかった場合、原状回復費用が高くなってしまう。

それぞれメリット・デメリットがありますが、選択肢が多いのは良いことだと思います。一概にどれが良い、悪いとは言えません。

少なくとも言えるのは、ワークプレイスは仕事をするうえで欠かせないものであり、従業員のモチベーションやブランディングなどにも影響する、非常に重要な要素であるということです。

今まさにオフィスを探している方は、ぜひ選択肢の一つとしてセットアップオフィスや居抜きも検討してみると、視野が広がるかもしれません。

僕たち47では、さまざまな企業にあわせて最適なオフィスをご紹介できるよう、日々物件の情報収集に力を入れています。もし困ったらぜひお気軽にご相談ください。