【省エネ設計】仕様基準でいく?性能基準でいく??
アラフォー女性建築士の『さわ』です。
主に関西で住宅を設計しています。
本日はおそらく同業者さんしか分からない愚痴を書くのですが・・・
愚痴??というか皆さんどうするの??って話です。
それはもうあと1年弱に迫っている省エネ義務化についてです。
少し前に『さわはレベルUP』したと言う記事でも書いたように思い腰を上げて省エネ設計に手をつけたわけですが・・・
その物件を通して大筋の省エネに関する何を検討しなければいけないかなど基本的な流れは分かりました。
ですが、物件や使用する建材が変われば色々と変わるのでその都度行き詰まっています。
そんなこんなで、色々物件を検討していけばテンプレができるので作業効率は上がってはくるはずなのですが・・・
物件ごとに検討しなければいけない手間は変わりません。
これが省エネ義務化になって建築確認申請に添付しなければいけないと思うと作業量の多さに”ぞっと”すると思っています。
ちなみに今私が話している内容は『性能基準』で検討した場合の話です。
仕様基準と性能基準
『仕様基準』の場合はある程度、国が定めた断熱の種類による厚みや最低限の仕様を守っていれば省エネ基準を満たしているというざっくりとした基準です。
『仕様基準』のメリットは、何より計算が楽!いや計算をしなくていい!!
国土交通省が出している仕様基準ガイドブックを使用すればチェックだけで済むのです。
デメリットは『性能基準』に比べて『仕様基準』の基準が厳しめです。
『性能基準』は極端な話、壁の断熱仕様が十分とれていれば、屋根の断熱仕様が低めでも建物全体の数値がクリアしているからOK!
それに比べて『仕様基準』は屋根の断熱材がこれなら厚みはこれ以上など部位と材料によって決められています。
それでも作業効率を考えたら『仕様基準』でもやってみるかと『性能基準』で一度計算してみた物件を『仕様基準』でもチェックリストを使って検討してみることにしました。
仕様基準の穴
国が出しているチェックリスト一覧から検討する地域のものを使って必要項目を書き込んでいきます。
断熱の部位ごとに施工方法と断熱材を選んでガイドブックから必要な厚み以上の厚みを書き込んでいきます。
開口部に関しても基準値以上の製品名を選んで書き込んでいきます。
ここまでは順調です。
確かに断熱材は『性能基準』より過剰ではあるがこれだけスムーズなら『仕様基準』でもいいかもと思えてきました。
次は設備機器の仕様です…
何々??
下記に記載のない設備機器(床暖房など)を設置する場合はこのチェックリスト仕様できません。
・・・
『うちの施工会社!床暖房標準仕様!!!!!!!』
すなわちそもそもこのチェックリストは使えないことです。
私にはそもそも『仕様基準』で検討するという選択肢はなかったわけです。
何で床暖房がだめかというと設備機器の仕様では設計する家がどれぐらいのエネルギーを消費するかを数値化した一次エネルギーを検討するものですがどうも床暖房はかなりのエネルギーを使うそうです。
これを『性能基準』で検討する場合はその他の数値をよくすれば床暖房の分のエネルギー消費をまかなえるという計算をできるのですが・・・
省エネ義務化どうします??
結論、私には『仕様基準』を使うという選択肢はなかったわけです。
ちなみに省エネルギー奮闘記は定期的に記事にしてますね笑
とりあえず一度は『性能基準』でやってみたものの、これが通常業務となるとかなりの手が取られます。
さらにこのまま本当に来年義務化になったら建築確認申請自体が停滞して、世の中建築工事止まる予感しかしません。
建築士のみなさんは省エネ義務化をどうしていく予定で考えていますか???
ちなみに次回の省エネ設計関係の記事は『省エネ設計外注してみた!』でいこうと思います。
先にネタ晴らしをすると、今回別の物件で外注してみたのでその物件が終わったらまた記事にしてみようと思います。
まだまだ続く省エネ設計奮闘記を引き続き見守ってください。
よろしくお願い致します
さわ。
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