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大先輩とヨット

先日、アーリーリタイアした大先輩に誘ってもらって、その方がハマっているというヨットに乗ってきた。

ヨットは、当然ながら帆をつかって動く船だ。エンジンを動力源とするボートと違って風を掴んで走る感覚がとても楽しく、ハマる気持ちがよくわかった。あれを一人でやるのは、完全にスポーツだ。

先日僕が体験したのはアメリカズカップなどでよく見る感じの、超おだやか版。しかしあれを波が大きな外洋でやるなんてほんとすごすぎると思った。辛坊治郎さんや間寛平さん、その他にも太平洋などを横断した方々、率直に言って(良い意味で)気が狂ってる笑。

人生初ヨットが穏やかな天候に恵まれた最高の体験だったのは幸運なんだけど、何より誘ってくれた先輩の人柄に触れ、改めて尊敬の念を深くした。

その方は以前は地元の、ある業界ではトップと言っていい企業を経営されていて、今は仕事に一旦キリをつけて悠々自適な生活を送っている。

会うたびに「最近どうですか」と聞くのだが、「ノーストレスだけど、やりたいことがたくさんあって忙しいよ」と答えてくださり、それって最高だなと思わずにはいられない。

思えば初めて会ったのは、震災のあった年だから、2011年。

実は震災の数日前に初めてお会いしていて、深夜まで仲間数人と飲んだのを覚えている。すでに数十名の社員を擁する企業を経営されていたその時から、とにかく周囲に気遣いができ、決して上から目線になることもなく、立場の違いを超えて誰とでも分け隔てなく接する方だった。それは、こんな僕とも長く遊んでくださることでうかがい知ることができる。

会社を経営していると、どうしても自営業の人ばかりで集まりがちだ。しかしその方は当時サラリーマンだった僕とも本当に友達のように(いや自分は友達だと思っているのだが)を敬意を持って接してくれたのを覚えている。そして思い返せば随分生意気な口を聞いたこともあるよな、と恥ずかしくもなる。

これは伝えていないと思うのだが、その方の経営している会社に転職できないかと考えていたこともあった。しかし僕とその方の関係が友人でなくなることが嫌で、思いとどまったこともいい思い出である。

初めてお会いした飲み会の席の数日後に震災があり、その翌日に一緒に低山の登山にいった。僕とその方の関係は、そこが本当の始まりだったように思う。

その登山コースは標高こそ低いものの3つの山を縦走するもので、ピークが5つあって初登山の僕としてはかなりハードだった。朝8時頃から夕方18時頃まで一緒にいるわけだから、道中は本当に色んな話をするし、当然仲良くもなる。そして震災というショッキングな出来事の翌日だったこともあり、めちゃくちゃ印象に残る出来事となった。もう10年以上経った先日の洋上でも「あのときの登山みたいのまたやる?」「いやいやもう無理ですよ!笑」などと言った会話をするほどだ。

今回また数カ月ぶりにお会いして、いつものように周囲の人間が快適に過ごせるように気遣いをしてくれて、そしてご自身も楽しんでいる姿を見ることができた。

その方と遊ぶたびに「自分もこういう大人になりたい」と強く思う。経済的にも、もちろん人間的にも。

もちろん決して完璧な人ではなく、過去には二人で3〜4時まで飲んで泥酔することもあったりと「生身の人間感」がある人だ。そしてそこが、僕としては近くに居やすいと感じるのだと思う。

その方は僕の5つほど年上だ。今のままだと5年では絶対に到達できないところにいる。それでも、あと5年でどこまで近づけるか頑張ってみたいと思う。そして同じような立場で長く付き合ってもらえるような人間になりたいと思う。

尊敬する人に久々に会って、そんなことを思った。またヨット乗せてください。

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