見出し画像

身体は全部知っていた、件

「あなたはとにかく冷えが苦手ね。
 寒い気候や空調はもちろん、雨の多い気候も苦手。
 冷えやすいだけでなく、消化機能も強くないので、食べ物も生野菜は合わない。
 揚げ物も避けた方が無難。
 果物は合ってるけど、冷やしすぎないように。」

なんでこの目の前の医師は、わたしの他己紹介を始めているのかな?と思ったw
本当に子どもの頃からなのだ。
幼稚園のころから人一倍寒さに弱く、すぐ風邪をひき、
15歳で胃潰瘍になったほどには胃もメンタルも弱く、油物が苦手。
(限りなくマシになったとは思っている)

野菜自体は大好きなんだが、生野菜を積極的に摂取する気にはなれなくて、
初めての海外=カナダでは、たった2週間なのに苦労した。
気軽に買える調理された野菜=中華かメキシカンで、
どちらも油っこいので結局そちらもテンションが上がらず。

ホストファザーに「調理した野菜と果物が好き」と言ったら、
翌日の夜、嬉しそうに食事を用意してくれたパパ。
(奥さんより先にリタイアして、山下清のような格好で家事をしてくれるw)
出された直径40cmほどの大皿には、
右半分にグリーンピースの炒め物、左半分にフライドポテト、
真ん中にはドーンとハンバーガー。。。
食後にはブルーベリーの大きなケーキも用意されていて、
フリーズしたのをいまも覚えているw

話を戻そう。
医師はそこから続けた。
「これはあなたの生まれ持った体質の話であって、
 それ自体がよいとか悪いとかいう話ではありません。
 むしろ生まれ持ったバランスが崩れるときに、不調をきたします。
 アーユルヴェーダの考え方は、ただ生まれ持ったバランスに戻していくだけなんです。」

目から本当に鱗が落ちるのだとすれば、
10枚以上ボロボロと落ちたのがこの瞬間であったように思う。

アーユルヴェーダでは、ヴァータ・ピッタ・カパという3つの性質があるそうで、
わたしはヴァータの要素が強く、次にカパの要素が強いらしい。
誰かに聞いた話では「3つのバランスが取れているのが理想」とのことだったので、
てっきり足りないものを埋めていく考え方なのだと思っていた。

けれど、全然違ったのだ。
理想に対して足りないものを埋めるのではなく、
そこに全部あるものとして調整していくという考え方。
なんて美しいのだろうと心から感動した。

わたしと同じ期間にステイしていたのが、
オーストラリア、スペイン(出身はアメリカ)、スイス、ドイツの子で、
全員わかりやすく西洋ルーツに多いりんご体型だった。
胸やお尻が大きく、脚が細く、若い頃のわたしなら羨んだに違いない。

でも、今回はそれがよかった。
「どう頑張ったって、元の体質には抗えない」と認識をせずにはいられなかった。
現地の人たちの存在も加わり、余計にそういう感覚が強まったように思う。

だからルーズな生活をすればよい、とは思わないが、
暖かい場所を好む気持ち、
調理した(でも油がきつすぎない)野菜を食べたい気持ち、
果物を欲する気持ち、、、
人一倍そういう気持ちがあることについて、
必ずしもわがままではないらしいと知れたのは大きい。
他の人のことも、そんなふうに見れたらいいね。

のんびり気ままに更新します^^