ぼくと子どもと絵本…その10

この間の土曜日は久しぶりの土曜日保育勤務でしたが、登園した子は姉妹二人だけ。家でも保育園でも一緒ってお互い疲れないのかなって思ったりもするけど、この姉妹はとっても仲良しなんです。でも仲良し兄弟ばかりじゃないパターンも当然あって、保育園では一切関わらないってパターンの兄弟もいたります。
この二人の様子を見ていると、喧嘩もしながら常に一緒にいて、お姉ちゃんは妹が可愛くて仕方がないみたい。聞いてもないのに妹の話をしてきたり、お世話を焼いてみたり…。妹の方はというと、これまたお姉ちゃん大好っ子で、お姉ちゃんのする事をなんでも真似ようとして、お姉ちゃんが顕微鏡を使って拾ってきた葉や小石を観察していると「わたしも~」と言って来て横取りしたり、自分の思い通りにならないと憎まれ口を叩いて来たりして、結構傍若無人な振る舞い…。それでも優しくなだめてあげながら仲良く遊ぶ姉妹なのでした。

そんな姉妹の姿を見たせいか、久しぶりにこの本の事を思い出したので、紹介したいと思います。

はじめてのキャンプ

作・絵: 林 明子
出版社: 福音館書店

おススメpoint
1.林明子さんの絵
2.登場人物たちの関係性
3.保育士目線でうなずけるともこおばさんの見守り

1.林明子さんの絵
私、林明子さんの絵がとっても好きなんです。子どもの表情が何ともいえない可愛らしさがあって「あ、こんな顔するよね!」って共感できるのもすごいと思うし、100%自分にしか感じられないポイントなんですけど、別の作品こんとあきに出て来る主人公のあきが、姪っ子にとても似ていたのも林明子さんの絵が好きになった一つのポイントです(^-^;
で、今回のはじめてのキャンプでは、いつもの林明子さんの絵本に比べると、シンプルなタッチで描かれているのですが、それでもらしさはしっかり出ているし、シンプルだからこそ読者がキャラクターの表情や周りの風景を色々想像して楽しめるような気がしています。

2.登場人物たちの関係性
登場人物は…
主人公のなほちゃん、隣のともこおばさん、あきちゃん、ゆうちゃん、もっくん、かみちゃん…以上の6人。
なほちゃんが、ともこおばさんのところへ遊びにいくと、大きい子たちがキャンプの話で盛り上がっていたところから話はスタートします。
なほちゃんは「わたしも いく!」と主張しますが、当然大きい子たちはついて来られちゃ迷惑ですから、色々理由をつけて断ろうとします。それでも最終的には一緒キャンプにいく事に…。そしてキャンプ中も大きい子たちとなほちゃんとの色々なやり取りがあるわけです。
この大きい子たちとなほちゃんとのやり取りが、兄弟がいる人や親はかなり「あるある!」と理解できる部分が多いのでないかと思います。
大きい子たちが、ちょっとなほちゃんを煙たがって、ついイジワルな言葉や態度をしてしまったかと思うと、次に場面では優しくしてしてあげる姿なんて保育園でもよくありますし、気持ちわかるな~。

3.保育士目線でうなずけるともこおばさんの見守り
最後のポイントはともこおばさんです。大きい子たちはお荷物になるからといって、なほちゃんを連れていく事に反対します。それでもなほちゃんの精一杯の背伸びを見守ろうとするともこおばさん。キャンプ中も決して甘やかさず、出来る仕事をしっかり分担したり、大きいことの関係性を見守っている様子が伺えます。そしてさりげないサポートをして本人の自信へとつなげていく…まさに保育者です!
一番印象に残る場面は、なほちゃんが夜中にオシッコに行きたくなっておばさんを起こそうとするのですが、おばさんは知らんぷり(絵では寝ている姿だけですが、これぜったい狸寝入りなわけです)。なぜ知らんぷりしたかというと、キャンプに連れていくと決めた時に、条件として暗い外に一人でオシッコに行く約束をしていたから。
なほちゃんは渋々一人でテントの外に出て、怖い思いをしながらもオシッコをしてくるわけですが、帰って来た時におばさんが、ちゃんと褒めてあげたのです。
あぁ…自分もこんな保育者にならなきゃな…って今回読み返してみて改めて感じました。

以上、私なりの「はじめてのキャンプ」おすすめポイントでした。
我が家の子は3歳くらいから読み聞かせて楽しんでいましたが、全編ひらがなで書いてあるので、文字が読めるようになった子は一人で楽しんでる姿も見られます。まだ読んだことがない方は、ぜひ読んでみてくださいね!


今回も最後まで読んでくれてありがとうございました(^^)

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