人権・福祉教育研究所「タヤンソン」/ choi / 高校教諭 / 社会福祉士

人権・福祉教育研究所「タヤンソン」とは現役の高校教員が運営する、「明日から使える教材」…

人権・福祉教育研究所「タヤンソン」/ choi / 高校教諭 / 社会福祉士

人権・福祉教育研究所「タヤンソン」とは現役の高校教員が運営する、「明日から使える教材」「誰かの心を軽くする教材」づくりを目的とした団体です。管理人の「choi」は在日韓国人で、自らの生き方を通してより良い社会づくりを日夜研究しています。得意分野は人権一般、福祉教育です。

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タヤンソンとは

管理人のchoiです。 表題にある「タヤンソン」は「多様性」の韓国語訳です。ダイバーシティ、という言葉はあふれているので、自分のルーツを生かして韓国語を選択しました。 多様性以外にも 一緒にとか、共にとか、頑張るとか、 協力するとか、色々と思い浮かびました。 だけど、その時々で一緒にできないときもあるし、共にやらなくても良いかもしれないし、頑張れなんて押し付けたくないし、協力するかどうかなんて自分が決めることだし…と考えているうちに やっぱり自分が大切にすべきは違

    • 実践で使いまくって空っぽにしたり、たくさん勉強していっぱいにしたり、それが私の仕事の仕方

      大阪府立高校で教諭をしています。 15年目、中堅としてただの担任ではなくなってきました。 管理職と若手をつなぐ日々です。 4月、新しい生徒、教員との出会いに心躍ります。 5月、新しい人間関係を調整することに意識が向いています。大変だけど楽しいです。 6月、がんばりすぎてしんどくなってきます。ちょっと空っぽに近くなってきました。 7月、すりきれたところで、やっと夏休みです。府立人研という組織で2日間の人権研修があります。そこでたくさんの出会いや学びで充実します。がん

      • 「どうして今さらハンセン病について学ぶのですか?」に答える(2)

        昨日の記事の続きです。 生徒たちは正しい情報を得ることの大切さを学びましたが、現実はどうでしょうか。 新型コロナウイルスに感染した人や家族、医療従事者らが、いわれなき差別や中傷を受ける事例がインターネット上で次々と表面化している、といいます。 いわれなき差別や中傷「思いやりをコロナウイルスに奪われないように」 https://this.kiji.is/633496272948790369 2020/5/14 11:16 (JST) ©株式会社神戸新聞社 同志社大教授で世

        • 「どうして今さらハンセン病について学ぶのですか?」に答える(1)

          まず、ハンセン病とは「らい菌」に感染する事で起こる病気です。感染すると手足などの抹消神経が麻痺したり、皮膚にさまざまな病的な変化が起こったりします。また、体の一部が変形するといった後遺症が残ることもありました。かつては「らい病」と呼ばれていましたが、明治6年(1873年)に「らい菌」を発見したノルウェーの医師・ハンセン氏の名前をとって、現在は「ハンセン病」と呼ばれています。 感染力が弱く、非常にうつりにくい病気です。1943年にアメリカで「プロミン」という薬の有用性が判明し、

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          ニューカマー家庭の親たち

          子どもたちのことを考えるうえで切り離せないのがその親たち 学校現場で厳しさを感じさせる子どもたち以上にその親たちは 厳しさを感じていることが多いのです 新たに外国から渡日してきた世帯をニューカマーと呼びます 有名企業に勤めるために渡日した前向きな家庭もあれば、 生活のために仕方なく渡日した苦しい家庭もあります どちらにせよ、慣れない日本で生活することは困難を抱えます 買い物などの簡単な日常生活動作はもちろんのこと、 大人は仕事をしなくては生きていけません それだけではなく

          「先生、差別問題に取り組むと新しい差別を生みませんか」にこたえる

          人権ホームルームなどで差別事象に取り組んだときに 必ずと言っていいほど生徒から上がる声があります。 「教えなければ差別しないのに」という旨の言葉です。 本記事のタイトルにもあるように差別事象を勉強することで 知ってしまい、差別する人を新しくつくりだしてしまうのでは ないか、と心配してくれているんですね。 色々な事象を予想したり考察したりできる、感度の高くて 頭の良い生徒さんだと思います。 筆者は差別事象を新しく「知っても差別しなければ良い」とも 思うのですが、それでは生徒

          「先生、差別問題に取り組むと新しい差別を生みませんか」にこたえる

          【 望まない妊娠をしたとき 】

          今、きみは何歳だろう? 高校で働いているので10代後半の方として話します。 愛する相手との子ども  お相手と話はできていますか? 次に保護者の方と話はできていますか? きっとここにたどり着いたということはどちらもできていないということかな、と思います。 わりと初めの方で「学校どうなるだろう」という心配があがるかと予想しています。 たまに「こんなことになったら退学処分になりますか?」と心配する生徒がいます。ドラマのセリフでも何か目立つことをした生徒のことで「あいつ学校

          【 はじまり 】死にたい気持ちになっているきみへ

          どうしてそうなっていますか? もしかしたらうまく説明できないかもしれませんね。 わたしも小学生の頃から何度もそういう気持ちになってきました。残念ながら今もたまにそういう気持ちになります。 だけど、30代後半になってそういう気持ちともわりとうまく付き合えるようになりました。 だからと言って、今きみに 「生きてれば良いことあるよ」とか 「悲しむ人がいるよ」なんて 気休めみたいなこと言うつもりありません。 だって、昔に自分が言われてつらかったから。 あの当時は本当に困ってる