見出し画像

マルチプル法

◎企業買収(M&A)やベンチャー投資(VC)に興味がある方
◎企業価値の算定結果を判断する尺度を持ちたい方
上記2項目のうち一つでも該当する方見てみてください。

※ちなみに、私は興味本位で学習しました。



■企業価値評価(マルチプル法)



・マルチプル法とは?
類似企業の株価などを参考に、売上や利益などのKPIに倍率をかけて企業価値を求める方法
※マーケット・アプローチとも呼ばれてる

・計算方法
類似企業の企業価値÷類似企業のKPI=倍率(マルチプル)
倍率(マルチプル)×対象企業のKPI=対象企業の企業価値
※株価が割安か割高かを判断することができる


■代表的な指標


PER(株価収益率)
PBR(株価純資産倍率)
PSR(売上高倍率)
PCFR(株価キャッシュフロー倍率)
⇒総じて、株式時価総額基準

EV/EBIT倍率
EV/EBITDA倍率
⇒総じて、事業価値(EV)基準


■計算方法


・株式時価総額基準

PER 株価収益率
時価総額÷当時純利益=株価÷1株当たり純利益(EPS)
※PERは、株式アナリストが現在の株価の割安感、割高感をはかる際に用いられる

株価純資産倍率(PBR)=時価総額÷純資産
売上高倍率(PSR)=時価総額÷売上高

・事業価値基準
EV/EBITDA倍率
株式時価総額+有利子負債-現預金-非事業用資産÷営業利益+減価償却費+償却費
※本業でキャッシュを稼ぐ力に着目している


■マルチプル法を活用するメリット


・計算方法が単純で、必要な数値は公表されているので取得が容易
・マーケットの価格を反映していることから、納得感がある
※【活用シーン】
・買収を検討する非上場企業の企業価値を算定する
・上場企業の株価の割安感または、割高感を判断する


■まとめ


・KPIに当期純利益を使う場合は、年度ごとの数値の振れ幅を考慮する必要がある
⇒例えば、3か年平均値を用いる
・産業特性や企業の成長ステージに合ったKPIを採用する
⇒【重要視されるKPI】
ネットビジネス:MAU(月間アクティブユーザー数)
ベンチャー企業:売上高
※KPIの前提には、納得感が必要


■事例:PERを用いた企業価値の算定


(例)トラック運送業で非上場のZ社の買収を検討

【手順】
①類似企業の選定
②類似企業平均PERを求める
類似企業の時価総額÷類似企業の当期純利益=類似企業PER
⇒平均値を求める
③類似企業平均PER×Z社当期純利益=Z社企業価値

①類似企業の選定
【着眼点】
事業ポートフォリオの構成
ビジネスモデル
上記2項目の着眼点において、類似企業を選定する

②類似企業平均PER
(例)
A社 時価総額 1000(百万円) 当期純利益 50(百万円)=PER 20(倍)
B社 時価総額 1000(百万円) 当期純利益 40(百万円)=PER 25(倍)
C社 時価総額 2000(百万円) 当期純利益 80(百万円)=PER 25(倍)
D社 時価総額 5000(百万円) 当期純利益 500(百万円)=PER 10(倍)

類似企業のPER=類時起業の株式時価総額÷類似企業の当期純利益
類似企業平均PER=(20+25+25+10)÷4
=20(倍)

③企業価値の算定
倍率×KPI=企業価値
類似企業平均PER×Z社当期純利益=Z社企業価値
20(倍)×100(億円)
=2000(億円)⇒Z社の企業価値

※算定価格を手掛かりに、買収の検討や交渉ができる

いかがでしたでしょうか。
いつ使うかはわかりません。
しかし、知らないよりはマシだと考え学習しました。
引き続き、学び続けます。

ここまで、ご覧になっていただいた皆様、本当にありがとうございます。

少しずつ。
一歩、一歩。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?