![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/43592823/rectangle_large_type_2_9d7ee92744609cb04c869a41abd0241c.jpeg?width=800)
Photo by
s07_plyglt
さよならの半分
毎週月曜日には、彼女をブロックする。
ブロックなんてする歳じゃない。SNSに振り回されるなんて十年前じゃ考えもしなかった。
ーー便利になった分、息苦しさは増えたよなあ。
洋介は心の中で溜息をついた。
嫌いになったわけじゃない、ただ自由奔放な彼女に疲れてしまっただけ。いつも楽しそうな彼女と自分を比べて、卑屈になっているだけ。
連絡が来ないのはわかっている。二ヶ月前の告白から、彼女発信の連絡はパタリと途絶えた。
二日にいっぺんは来ていたつまらない報告もいまや、僕が送ればかえってくるけれど、上手く弾まない、次に繋がらない。
ーーまさか楽しく会話ができない日が来るなんてなあ。
何が嫌だったのか、知りたいわけじゃない。わけじゃないことが本当に望んでいることだと、教えてくれたのもまた、彼女だった。欲しかった答えじゃなかったことに、戸惑って未だに受け止めきれずにいる。
ブロックしては再表示を繰り返し、鳴るはずのない携帯を見つめている。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?