The ebb and flow of the tide(潮の満ち引き)
「大事にしてくれない人とは付き合えない」
別れを切り出したのは、彼女だった。
毎日の連絡も約束の花火大会も何一つ守れなかった。
当然の結果だった。
引き留めるのもなんだか違う気がして、何も言わなかった。
暫くして何度かやり取りをして、また会うようになった。
ゆらゆらと波のように、引き寄せたり突き放したりした。
肌寒くなった秋口、なんだか人恋しくて名前を探した。
「今出先だから」
いつもと違う、「素っ気ない」が気に掛かった。
折り返しも無くて、結局追いかけてしまった。