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週末読書メモ131. 『確率思考 不確かな未来から利益を生みだす』

(北海道十勝の農家6代目による週次の読書メモ)

賭けとは、不確実な未来に対する意思決定である。
(中略)賭け型思考をするには、まず私たちの人生を決定づける二つの要素を認識する必要があるーーつまり、意思決定の質と、運の存在である。

「意思決定の質と、運の存在である」


意思決定とは、未来に対する賭けである。

そう述べるのは、本書の筆者でありプロポーカープレーヤーのアニー・デュークさん。

優れたポーカープレーヤーと優れた意思決定者に共通するのは、世界が不確実で予測不能な場所だと受け入れていることだ。彼らは結果を正確に予測することはほぼ不可能だと理解している。その不確実性を認め、確実なものに焦点を当てるのではなく、自分がどれほど「わからない」のかを把握しようとし、予測と異なる結果が出る可能性をできるかぎり推測する。

不確実性溢れる世界で、意思決定を繰り返し、最善の結果に到達するための思考法。ポーカーの世界で磨き上げられてきたその所作を、本書を通じて、垣間見ることができます。


経験を積むことと達人になることには大きな違いがある。その違いを生むのは、意思決定の決定から学べることに気づき、その教訓が何かを見極める能力の有無である。
(中略)自己奉仕バイアスは経験による学習を強力に阻む。数多くの悪い結果をすべて運のせいにすれば、自分の決定を見直して改善点を探る機会を失う。良い結果をすべて実力のおかげとすれば、正当化すべきでない決定を正しいと考えたり、やはり改善できるはずの点を見逃したりする可能性がある。

まず重要なのは、意思決定と結果を区別して評価すべきだと言います。なぜなら、結果には、否応なしに運の要素が絡むため。ゆえに、結果に対して、実力のおかげとも、運のせいとも言わず、その意思決定自体を、絶えず改善し続ける必要があると。

意見の多様性と相違は思考の誤りを見つけるだけでなく、究極の真実を検証するための唯一の手段になるとして、ミルは次のように述べた。「人間が物事の全体像を知るために取ることのできる唯一のアプローチは、さまざまな見解を持つ人から意見を聞き、あらゆる特徴を持つ視点から分析することである。賢い人は誰もがこの方法で知見を得た。他の方法で賢くなることは人知の本質でない」

そして、続いて強調しているのが、仲間を作ること、そして、異なる意見・反対する意見を大切にすることだと。

前段の部分での関わりますが、人間はバイアスによって、自分だけの視点では成長に限界があることを述べています。トップポーカープレーヤーになるほど、勝負後に、互いのプレーをレビューする文化があり、それは他の世界でも是非取り入れるべきだと言及します。

あらゆる可能性を想像してそこに賭けよう。そのためにはまず、さまざまな未来を具体的に思い描こう。

そして、何よりこれです。未来を、具体的に描くこと(それも複数の)。

ポーカーの世界でも、他の世界でも、現実は不確実性に溢れています。そのため、どんな意思決定も賭けだと言うことができると。その中で、最善の結果を作るためには、(当たり前ですが)賭けた後の未来を描くことが必要不可欠と。


人生はポーカーと同じで、一つの長いゲームである。負けることはたくさんあるし、考えうるかぎり最善の賭けをしてもだめなときはだめだ。それでも、未来を確実に予測することは決してできないと理解すれば、私たちはもっと順調で幸せな人生を送ることができる。

本書でも、「シナリオプランニング」というスキルが言及されます。

その上で、筆者の特徴は、白か黒かの完全で極端な未来だけを求めるのではなく、グレーを許容しながら、未来を描き、現実を修正し続けるべきだと繰り返し言います。

何千、何万回も、負ける経験を繰り返しながらも、プロの世界で生き残ってきた筆者だからこそ、語れるメッセージの数々。

BET(賭け)続けられているか。その言葉を胸に問いながら、1mmづつでも前に進んでいきたいです。


【本の抜粋】
賭けとは、不確実な未来に対する意思決定である。
(中略)賭け型思考をするには、まず私たちの人生を決定づける二つの要素を認識する必要があるーーつまり、意思決定の質と、運の存在である。

優れたポーカープレーヤーと優れた意思決定者に共通するのは、世界が不確実で予測不能な場所だと受け入れていることだ。彼らは結果を正確に予測することはほぼ不可能だと理解している。その不確実性を認め、確実なものに焦点を当てるのではなく、自分がどれほど「わからない」のかを把握しようとし、予測と異なる結果が出る可能性をできるかぎり推測する。

経験を積むことと達人になることには大きな違いがある。その違いを生むのは、意思決定の決定から学べることに気づき、その教訓が何かを見極める能力の有無である。
(中略)自己奉仕バイアスは経験による学習を強力に阻む。数多くの悪い結果をすべて運のせいにすれば、自分の決定を見直して改善点を探る機会を失う。良い結果をすべて実力のおかげとすれば、正当化すべきでない決定を正しいと考えたり、やはり改善できるはずの点を見逃したりする可能性がある。

意見の多様性と相違は思考の誤りを見つけるだけでなく、究極の真実を検証するための唯一の手段になるとして、ミルは次のように述べた。「人間が物事の全体像を知るために取ることのできる唯一のアプローチは、さまざまな見解を持つ人から意見を聞き、あらゆる特徴を持つ視点から分析することである。賢い人は誰もがこの方法で知見を得た。他の方法で賢くなることは人知の本質でない」

どんな相手とでもできるかぎり真実を追求できる方法がいくつかある。
一つめに、不確実性を表現しよう。
(中略)二つめに、相手を肯定しよう。
(中略)三つめに、一時的にでも相手を真実の追求に誘い込んでみよう。
(中略)最後に、未来に焦点を当てよう。

あらゆる可能性を想像してそこに賭けよう。そのためにはまず、さまざまな未来を具体的に思い描こう。

人生はポーカーと同じで、一つの長いゲームである。負けることはたくさんあるし、考えうるかぎり最善の賭けをしてもだめなときはだめだ。それでも、未来を確実に予測することは決してできないと理解すれば、私たちはもっと順調で幸せな人生を送ることができる。

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