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週末読書メモ118. 『SF思考 ビジネスと自分の未来を考えるスキル』

(北海道十勝の農家6代目による週次の読書メモ)

過去に囚われることなく、未来を描くヒントが、SFの中に。


アメリカのイノベーターたちは、新しい発想を得るために、意識的にさまざまなSFを読み、さまざまなSF作家を探してきた。
(中略)ただし、誤解してはいけないのは、SFで得られるのは「未来予測」ではなく、「可能性」だということだ。そして、その可能性がどんな芽を出し、どう育つかは、ひとえに私たちがどんな視点でSFを読み、どう参考にするかにかかっているのである。

ラリー・ペイジさんからジェフ・ベゾスさんやイーロン・マスクさん。

現代のIT産業、いやビジネスの世界を作り出し、折檻したアメリカの名経営者たち。その彼らが共通して口にすること、それは、SF小説が、自らの人生観を、ビジネス観を形作る大きな要素であったと。


優れた企業、優れた経営者は時間軸が長い。「何年先の未来まで想定していますか?」と聞くと、ビジネスがうまくいっている経営者は30年ぐらい先を普通に見据えています。描いているイメージはSFそのものだし、やっていることは『SF思考』です。ーー入山章栄

新しい世界を形作る力として、筆者たちが注目したのは、SFを作るかのように考える「SF思考」です。

マクロトレンド分析やシナリオプランニング、そして、デザインシンキング等、既に存在する未来の思考法も取り上げた上で、より不確実(かつ先の)未来を、人起点で描く思考法。それがSF思考となります。


SF思考の肝は、現実から虚構に発想を飛ばし、それをまた現実に引き戻して着地させることにある。

SFのストーリーを考えるプロセスに置き換えると、①予想外の未来社会を想像し、②そこに存在する課題を想像し、③その解決方法を想像する、という三段階の創造が必要になる。これが、SF特有の「三段階の未来予測」である。
(中略)とにかく「見慣れない未来だからといって、頭ごなしに拒否しない」ことが、SF思考においては、非常に重要なのでだ。

遠い、斜め上の未来を想像し、その未来の解像度を上げ、そして、具体的な解決方法(実現方法)を創造すること。

本書の帯文には『直感と論理をつなぐ思考法』の筆者佐宗邦威さんの推薦文もあります。

直感と論理をつなぐ思考法にも共通して、飛躍的な未来を具現化させることがあります。その上で、SF思考だと、より実現したいと願う(妄想する)未来からスタートするのが特徴にあります。


先日読んだ『百年の孤独』。

そして、昨年度のベスト本『幼年期の終り』。

これらの名作と呼ばれるSFの魅力を語り尽くすには…自分が持っている言葉では到底足りません。

しかしながら、これらの小説を読んだことによって、得られた感情、視点、思考経路は、間違いなく仕事を含む自らの人生の糧になっています。

(副次的に、「見慣れない未来だからといって、頭ごなしに拒否しない」という姿勢も得られ、結果的に他者の言葉に対する柔軟性や傾聴力も)


目の前の現実の課題は粛々とこなしていく、加えて、置かれている世界を良くするためにも全力を尽していく。その上で、更に未来も見て、描き、実現させていくこと。

やらなければならない、やりたいことが溢れているからこそ、その先の世界とも向き合っていきたいです。


【本の抜粋】
優れた企業、優れた経営者は時間軸が長い。「何年先の未来まで想定していますか?」と聞くと、ビジネスがうまくいっている経営者は30年ぐらい先を普通に見据えています。描いているイメージはSFそのものだし、やっていることは『SF思考』です。
ーー入山章栄

これは「スタージョンの法則」としてSFファンにはよく知られているものだ。
SFに限らず、アートだってビジネスだって9割はカスだ。この法則からは天才でも逃れられない。大量のカスのついでに傑作も生み出せた人が天才と呼ばれるのだ。ましてや凡人がいいものを生み出したいと思うなら、少なくとも10はチャレンジしなくちゃいけないし、9は失敗しないといけない。

SF思考の肝は、現実から虚構に発想を飛ばし、それをまた現実に引き戻して着地させることにある。

アメリカのイノベーターたちは、新しい発想を得るために、意識的にさまざまなSFを読み、さまざまなSF作家を探してきた。
(中略)ただし、誤解してはいけないのは、SFで得られるのは「未来予測」ではなく、「可能性」だということだ。そして、その可能性がどんな芽を出し、どう育つかは、ひとえに私たちがどんな視点でSFを読み、どう参考にするかにかかっているのである。

「SFって、宇宙人とか超能力が出てくる荒唐無稽なやつでしょ」
この認識は、一部をのぞいて間違っている。そして、二重に間違っている。
第一に、最近のSFには緻密な科学考証を経た作品も多い。
(中略)そして第二に、宇宙人や超能力が出てくるからといって荒唐無稽なわけではない。

SFのストーリーを考えるプロセスに置き換えると、①予想外の未来社会を想像し、②そこに存在する課題を想像し、③その解決方法を想像する、という三段階の創造が必要になる。これが、SF特有の「三段階の未来予測」である。
(中略)とにかく「見慣れない未来だからといって、頭ごなしに拒否しない」ことが、SF思考においては、非常に重要なのでだ。

SF作家、SF編集者、SF読者という、異なる立場の思考法を組み合わせて、それをぐるぐる回す意識を持てば、応用範囲がぐっと広がる。
(中略)なぜか。それは3つの立場を組み合わせることで、「つくる」だけでなく「世に出す」「受容され、応用される」というフェーズまで包含されるからだ。

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