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週末読書メモ53. 『ブッダのことば』

(北海道十勝の農家6代目による週次の読書メモ)

心に沁み入る一冊。


数多い仏教書のうちで最も古いと聖典と言われる「スッタニパータ」。ブッダが、"人間としてどのように生きるべきか"を説いた対話集となります。

結論としては、執着(煩悩)を捨てること。そうブッダは説いていました。

覆われた人々には闇がある。(正しく)見ない人々には暗黙がある。善良なる人々は開顕される。あたかも見る人々に光明のあるようなものである。理法が何であるかを知らない獣(のような愚人)は、(安らぎの)近くにあっても、それを知らない。
生存の貪欲にとらわれ、生存の流れにおし流され、悪魔の領土に入っている人々には、この真理は実に覚りがたい。
諸々の聖者以外には、そもそも誰がこの境地を覚り得るのであろか。この境地を正しく知ったならば、煩悩の汚れのない者となって、まどかな平安に入るであろう。

無力のように見えるもの(諸々の煩悩)がかれにうち勝ち、危い災難がかれをふみにじる。それ故に苦しみがかれにつき従う。あたかも壊れた舟に水が侵入するように。
それ故に、人は常によく気をつけていて、諸々の欲望を回避せよ。船のたまり水を汲み出すように、それらの欲望を捨て去って、激しい流れを渡り、彼岸に到達せよ。

これは、コロンブスの卵というか…

今この一瞬に集中することに一身になるのではなく、執着から脱却することが重要。そうすれば、過去や未来への囚われが薄らぎ、自ずと今この一瞬に向き合えると。


続けてブッダは、上記のように、あらゆる囚われから脱した上で、強く正しく生を全うせよ、と説いています。

最高の目的を達成するために努力策励し、こころが怯むことなく、行いに怠ることなく、堅固な活動をなし、体力と智力とを具え、犀の角のようにただ独り歩め。

究極の理想に通じた人が、この平安の境地に達してなすべきことは、次のとおりである。能力あり、直く、正しく、ことばやさしく、柔和で、思い上ることのない者であらねばならぬ。
足ることを知り、わずかの食物で暮し、雑務少く、生活もまた簡素であり、諸々の感官が静まり、聡明で、高ぶることなく、諸々の(ひとの)家で貪ることがない。
他の識者の非難を受けるような下劣な行い、決してしてはならない。一切の生きとし生けるものは、幸福であれ、安穏であれ、安楽であれ。

マインドフルネスとは如何なる境地かの答えかとような言葉です。

この何週間、今この一瞬に集中するとは如何なることかを考え続けていた中で、そのヒントが本書にありました。

そうか、平常心だったり、克己心だったり、心の状態を目指すべきことにすることを急ぐのではなく、まずは、執着を捨て、平安の境地を目指すことからと。

これは高校の時の倫理の授業で習っていたにも関わらず、今になって腹落ちしたのは、何事も、人は実体験を伴わないと、深い部分まで理解できないのだろうなあ…

人生において、まだまだ頑張らなければならないこと、頑張りたいことがある以上、常にこの境地でいることは難しいとしても、平安に自分を立ち戻れるようにはしていきたい。


【本の抜粋】
蛇の毒が(身体のすみずみに)ひろがるのを薬で制するように、怒りが起こったのを制する修行者(比丘)は、この世とかの世とをに捨て去る ーー 蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。
(中略)内に怒ることなく、世の栄枯盛衰を超越した修行者は、この世とかの世とをに捨て去る ーー 蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。

最高の目的を達成するために努力策励し、こころが怯むことなく、行いに怠ることなく、堅固な活動をなし、体力と智力とを具え、犀の角のようにただ独り歩め。

究極の理想に通じた人が、この平安の境地に達してなすべきことは、次のとおりである。能力あり、直く、正しく、ことばやさしく、柔和で、思い上ることのない者であらねばならぬ。
足ることを知り、わずかの食物で暮し、雑務少く、生活もまた簡素であり、諸々の感官が静まり、聡明で、高ぶることなく、諸々の(ひとの)家で貪ることがない。
他の識者の非難を受けるような下劣な行い、決してしてはならない。一切の生きとし生けるものは、幸福であれ、安穏であれ、安楽であれ。

立派な人々は説いた ーー 〔ⅰ〕最上のことばを語れ。(これが第一である。)〔ⅱ〕正しい理を語れ、理に反することを語るな。これが第二である。〔ⅲ〕好ましいことばを語れ。好ましからぬことばを語るな。これが第三である。〔ⅳ〕真実を語れ。偽りを語るな。これが第四である。

覆われた人々には闇がある。(正しく)見ない人々には暗黙がある。善良なる人々んは開顕される。あたかも見る人々に光明のあるようなものである。理法が何であるかを知らない獣(のような愚人)は、(安らぎの)近くにあっても、それを知らない。
生存の貪欲にとらわれ、生存の流れにおし流され、悪魔の領土に入っている人々には、この真理は実に覚りがたい。
諸々の聖者以外には、そもそも誰がこの境地を覚り得るのであろか。この境地を正しく知ったならば、煩悩の汚れのない者となって、まどかな平安に入るであろう。

無力のように見えるもの(諸々の煩悩)がかれにうち勝ち、危い災難がかれをふみにじる。それ故に苦しみがかれにつき従う。あたかも壊れた舟に水が侵入するように。
それ故に、人は常によく気をつけていて、諸々の欲望を回避せよ。船のたまり水を汲み出すように、それらの欲望を捨て去って、激しい流れを渡り、彼岸に到達せよ。

〈われは考えて、有る〉という〈迷わせる不当な思惟〉の根本をすべて制止せよ。内に存するいかなる妄執をもよく導くために、常に心して学べ。
内的にでも外的にでも、いかなることがらをも知りぬけ。しかしそれによって、慢心を起こしてはならない。それが安らいであるとは真理に達した人々は説かないからである。
これ(慢心)によって『自分は勝れている』と思ってはならない。『自分は劣っている』とか、また『自分は等しい』とか思ってはならない。いろいろの質問を受けても、自己を妄想せずにおれ。
修行者は心のうちが平安となれ。外に静穏を求めてはならない。内的に平安となった人には取り上げられるものは存在しない。どうして捨てられるものがあろうか。
海洋の奥深いところでは波が起こらないで、静止しているように、静止して不動であれ。修行者は何ものについても欲念をもり上らせてはならない。

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