(北海道十勝の農家6代目による週次の読書メモ)
本書の主眼は、世界の盛衰・不平等を決定づけるメカニズムの説明です。
この問いの結論は、政治経済制度の違い、つまるところ、ガバナンスの違いだと。持続的な経済成長には、イノヴェーションが不可欠であり、そのインセンティヴを形成しうる政治制度があるか否かだ、と筆者は主張します。
そうか、ここに収斂させるのか。
本書を通じて、読み手の視座が1段階、2段階上がります(少なくても自分は上げざるを得ませんでした)。
一経営体・一産業の経済システムを、いかに舵取るべきかは考え続けてきましたが、政治の役割を分かっていませんでした。正直なことを言うと、結局は個人・企業次第ではないか、と政治をどこか軽んじてすらいました。
読後、政治の力を理解しきれていなかった自分を恥じました。個人・企業の活動は、政治の上に形づくられるものだと…
経済と政治は双子のようなものであり、更に言うと、政治の方が双子の兄にあたると。
この意味は重い。たとえ、その他多くの興味深い細部を捨象した理論としても(筆者もあえて焦点を絞っていることは言及済)。
リーダーの役割として、メンバーが創意工夫・努力できる環境を作る必要性は、多くの人の同意を得るかと思います(リーダーが一生懸命頑張るのは当たり前で)。
しかしながら、その必要性、および、どこまでのレベルでやるべきかを、これでもかと言うほど頭に叩きつけらるような一冊でした。
「ガバナンス」。
ずいぶんと時間がかかってしまったけれど、(そして、まだぼんやりとしているけれど、)戦略や兵站と同等かそれ以上に重要だと、ようやく腹落ちできました。
まだ先、でも、いずれはガバナンスとも向き合わなければ。
最後に、歴史学者ならではの一節も深甚です。
決定的な岐路、推進する人々の連携、そして、ある程度の幸運。
チャンスの女神には前髪しかない。向かってきた時に掴めなければならない。だとしたら、せめて、掴めるようにすることに全力を尽くしたいです。
P.S.
農業インターン・副業・プロボノ大募集!
学年や年齢、農業経験の有無は問いません!
インターン・副業・プロボノに興味のある方は、ぜひご応募ください!
農業界の未来を、共に切り拓いていきませんか?
【①インターン】
【②副業・プロボノ】
※個別対応のため、TwitterのDMでお問合せください(下はイメージ)。