週末読書メモ8. 『知ってるつもり 無知の科学』
(北海道十勝の農家6代目による週次の読書メモ)
知性の本質に迫った話題作。
これからの時代のリーダーは必読。読んでいて知的好奇心がくすぐられるとともに、目を見開くような内容が節々にあります。
本書の最大のテーマは、「無知」。
ソクラテスの「無知の知」という言葉を耳にしたことがある人、普段から意識している人は、既にいるかと思います。自分もそうでした。
しかし、本書を読むと、「無知」という言葉の理解が、全く足りなかったことを痛感させられます…
筆者が序盤で、“世界は広く、複雑すぎる。だから、全てを理解することはできない”と言います。これは、読む前から何となく感じていたことでした。
しかし続けて、”なので、そんな複雑な世界でも生きられるように錯覚を起こしている(脳が)。しかも、自分の頭の中に無い(他者やモノが持つ)知識も知っていると錯覚している。”と言います!?
つまり、人という生物は、進化の過程で脳が無意識に(自動的に)錯覚をしながら生きるようになった、と筆者は言及します。なんと笑
実際、物事の仕組み(例えば、蛇口や自転車)を完璧に理解しなくても生活はでき、(自分が知識を持っていなくても、)会話する他者が持つ知識からアイデアを生み出すことができてしまいます。それらを踏まえると、筆者のこの意見も納得してしまいます。
詳しい研究結果・事例の説明は実際の本に譲りますが、大事なポイントは3つ。「無知」、「知識の錯覚」、「知識のコミュニティ」。
「無知」、「知識の錯覚」のメカニズムを知ることで、自分の知識の限界に気づき、世界を更に知るための一歩を踏み出せます。
そして、自分の知識の限界に気づくことで、「知識のコミュニティ」の価値を再発見します。
昨今、”多様性が企業の競争力を高める”という意見が散見されますが、多様性が新たな知・イノベーションに繋がる理由を、本書を通して、腹落ちすることができます。
現実のビジネスの世界に生きる身からすると、重要な点は「知識のコミュニティ」・「知識の共有体」をいかに作るかになります。
多様な人を引き寄せることはもちろん、個人的に重要だと感じることは、集まった人の視野・視座をいかに揃えていくかです。
多様な視点はプラスに働きます。しかし、視野や視座が違い過ぎると、知識は共有し合えても、思考を共通の目的に向かせることが難しい場合も少なくありません。
この課題をいかに乗り越えていくか…農業をはじめ、レガシーな産業だと、人の母数も、多様性も決して多くはありません。だけれども、そんな中でも、より良い知を生み出していく術を探っていきたい。
P.S.
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