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週末読書メモ108. 『コトラー&ケラー&チェルネフ マーケティング・マネジメント』

(北海道十勝の農家6代目による週次の読書メモ)

体系的に、包括的に、物事を掴む重要性を再確認する1冊。


マーケティングの世界における大家、フィリップ・コトラー教授。

彼の代表作であり、マーケティングを学んだ人なら誰もが知っている(そして、その本の厚さに怯んだ…)1冊『マーケティング・マネジメント』。ケラー教授に加え、チェルネフ教授も共著者に加わった最新版(第16版)が、昨年和訳されました。

マーケティングとは、顧客、クライアント、パートナー、社会全体にとって価値のある提供物を創造、伝達、提供、交換するための活動、一連の制度、およびプロセスのことである。

マーケティング・マネジメントというのは、ターゲット市場を選択し、優れた顧客価値を創造、提供、伝達することにより顧客を獲得、維持、成長させる、アートでありサイエンスなのである。

もはや至るところで耳にするようになった言葉「マーケティング」。その定義から始まり、数々のマーケティング理論から、現代企業のマーケティング実践事例までが、本書では解説されています。


自分自身、本書を手に取ったのは約10年ぶりで。

改めて感じたのは、その網羅性です。

各内容は、真新しいものではありません。しかし、マーケティングと向き合う際、上記の全てを加味できていたかと言えば、そんなことはなく…

"マーケティング界の百科事典"とも呼ばれる本書を再読し、自分の頭の中に、マーケティングを考える際の全体観を得られた価値は大きいです。

※加えて、重版を経ることに追加・アップデートされている内容、コラム、企業事例が秀逸です。それもあり、過去に読んだことがある人も、新鮮さを伴って読むことができます。

コラム「マーケティングの10の大罪」
1:同社は十分に市場に焦点を合わせておらず、顧客主導型になっていない
2:同社はターゲット顧客を完全には理解していない
3:同社は競合他社の適切な定義、モニターが不十分である
4:利害関係者とのリレーションシップを適切に管理していない
5:同社は新しい機会を見つけるのが不得意である
6:同社のマーケティング計画プロセスは不十分である
7:製品とサービスの方針に厳しさが足りない
8:同社のブランド構築とコミュニケーションスキルが弱い
9:同社は効果的かつ効率的なマーケティングのために組織されていない
10:同社はテクノロジーを最大限に活用していない


プラトンの本を読んだ時にも感じたことですが、同じテーマであっても、優れたプロセス・成果を導くため、考える際の思考の広さと深さに、当人の力量がまざまざと浮かび上がるものだなあと…

凡人が自らの力では到底及ばない境地だとしても、素晴らしい本や理論は、少しでも先を見通すための地図であるようにも感じます。

私が遥か彼方まで見通せたのだとしたら、それは巨人たちの肩に立っていたからだ。

アイザック・ニュートン

星野リゾートが他社と違うのは、私が学んだマーケティング理論を忠実に実行していることだと思います。マーケティング理論に従った厳しい方法でテストをしており、その結果からどんな手を打つべきかを考えています。

私がマーケティング理論を重視するのは直面している問題を解決してくれる可能性があるからです。このため実正された理論が書かれた教科書を読み、教科書どおりにやってみます。「教科書どおり」の取り組みは星野リゾートにとって非常に重要な戦略になっています。

星野佳路

星野リゾートの星野佳路さんだってこうで。

自分自身、これからも、本と向き合い・消化し、自らの一部としながら、前に進んでいきたいです。


【本の抜粋】
公式であれ非公式であれ、人や組織というものはマーケティングと呼ばれる膨大な数の活動に携わっている。

マーケティングとは、顧客、クライアント、パートナー、社会全体にとって価値のある提供物を創造、伝達、提供、交換するための活動、一連の制度、およびプロセスのことである。

マーケティング・マネジメントというのは、ターゲット市場を選択し、優れた顧客価値を創造、提供、伝達することにより顧客を獲得、維持、成長させる、アートでありサイエンスなのである。

マーケティングの10の大罪
1:同社は十分に市場に焦点を合わせておらず、顧客主導型になっていない
2:同社はターゲット顧客を完全には理解していない
3:同社は競合他社の適切な定義、モニターが不十分である
4:利害関係者とのリレーションシップを適切に管理していない
5:同社は新しい機会を見つけるのが不得意である
6:同社のマーケティング計画プロセスは不十分である
7:製品とサービスの方針に厳しさが足りない
8:同社のブランド構築とコミュニケーションスキルが弱い
9:同社は効果的かつ効率的なマーケティングのために組織されていない
10:同社はテクノロジーを最大限に活用していない

顧客から新しいアイデアを引き出す6つの方法
1:顧客が自社製品をどのように使用しているかを観察する
2:自社製品に関する問題について顧客に尋ねる
3:夢の製品について顧客に尋ねる
4:顧客からのフィードバックを積極的に求める
5:愛好家が自社製品について語り合うブランド・コミュニティを作る
6:自社製品に変更を加えたり改良したりすることを顧客に奨励または提案する

新しい提供物の開発により、企業の未来は形作られる。開発への投資がなければ、持続的に成長するには他社が開発した新製品を獲得するしか選択がない。新しい提供物の開発は、企業の成功の原動力であり、業界の常識を打ち破り、顧客を魅了し、喜ばせるほどの想像力豊かなソリューションの提案を可能にする。

マーケティングが全員の仕事であると同様に、総合的品質も全員で取り組む仕事である。しかし、企業が高品質の財とサービスを特定し、それをターゲット顧客に提供するときに特に重要な役割を担うのはやはりマーケティングである。

企業やブランドへの信頼とはどういうものだろうか。過去30年にわたる研究から、信頼は3つの重要な要素によって確立され、維持されることが明らかになっている。その1つがコンピテンスである。企業やブランドのマネージャーが効果的な運営に必要なスキルを持ち、そのスキルに対する期待に応えるか、期待以上の成果を上げたときに、コンピテンスによる信頼が構築される。2つ目の要素は誠実さである。一貫して真実を語り、約束を守ることで誠実さによる信頼が構築される。3つ目の要素は善意である。顧客や従業員の興味や目標に真の関心を示すことで善意による信頼が構築させる。

P.S.
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