(北海道十勝の農家6代目による週次の読書メモ)
戦略研究の世界的権威による渾身の傑作。
その触れる範囲は、サル(ホモ・サピエンス前)からはじまり、聖書、古代ギリシャや孫子、そして、ナポレオンやクラウゼウィッツ、さらにはマルクスら革命家やウェーバーら社会学者にまで。
戦略や経営だけなく、社会学や心理学、世界史に関心のある読者であれば、一読の価値があります。
空前のスケールで、この地球上の歴史における戦略を触れ、その本質を追求していく内容は、知的好奇心をくすぐられる一冊です。
戦略をもつことは…木よりも森を見る能力、と。
戦略を語るには、他にも多くの言葉が必要(だから本書は1,000ページ近く笑)。しかし、一言で表すのであれば、この説明は確かに分かりやすい!
戦略の名著でもある『良い戦略、悪い戦略』にも「まず診断、次に基本方針、そして行動」が、良い戦略の核だと述べています。
”流動的”、”柔軟性”、そして、”始点に左右”、これらは全て戦略の特徴だろうなあ、と本書で取り上げられる数々の事例からも感じさせられます。
本書では、古今東西のケースを取り上げていきます。その上で、最後には、合理的選択理論の限界から、ナラティブ、ストーリーとスクリプトの有効性を問い、今日における戦略理論の妥当性を追究していました。
筆者は、劇と戦略が非常に共通していることを示した上で、戦略固有の特徴にも言及します。
重要なのは、現実に降りかかってくるという!笑(そうなんだよな…)
そして喜劇を目指すものの、悲劇に終わる危険性をかかえているのが戦略家なのである、か。
一個人を超えた力により、運命が左右されるのも、歴史の真理。
筆者もそれを理解した上で、戦略が持つ可能性への期待が垣間見れます。この重厚で密度の濃い本書を礎にし、歴史のドラマを紡いでいって欲しい、というような…
戦略をめぐる「人間の智恵」が凝縮された一冊。
どんな立場の人であっても、戦略(つまり、木よりも森を見る能力)を大切さが胸に残る大作となっています。
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