(北海道十勝の農家6代目による週次の読書メモ)
大ベストセラー『サピエンス全史』の著者が、膨大かつ多様な分野の知見に基づき、人類の未来を記した大作。
前作と同様に、本作も凄い。ハラリさんの著作は、読む以前と以後で世界観が変わるほどの衝撃があります。
500ページを越える本書にて、印象に残った考察は下記の2つ。
飢餓・疫病・戦争を克服した人類は、次に不死と幸福と神性の克服に乗り出す可能性が高い(更にいうと、既に乗り出している)こと。
現代の価値観と基盤となる人間至上主義(自身の人生と経験を重きにおくこと)の信念が崩れ、データ至上主義に置き換わる未来が起こり得ること(それも、1世紀、2世紀後とかではなく、20、30年後という近い将来に)。
上記の2つのことが、(役者あとがきにも記載の通り、)大きな歴史の流れを紐解いて、網羅的・論理的で説得力のある説で明確に提示されています。
しかしながら、個人的に感じた本書の最大の価値は、著者の「歴史を学ぶ意義」に対する確固たる信念です。
思わず膝を打つ。数限りない本を読む中でぼんやりと(でも、確信として)感じていたことを、ここまで強く、明確に言ってもらえるとは。
”過去から解放されるため”。
まさにそう。未来を変えるために、歴史はこれ以上ない力を与えてくれます(その上で、著者も言及しているように、テクノロジーや経済の実情を理解することが大事)。
自分の経験や人生(親・子世代まで広げてもせいぜい100年)の尺度だけで考えると、生きている現実・価値観を、必然で普遍だと思い込んでしまうのは、無理もない気がします。
しかし、歴史に触れ、その尺度を何百年、何千年、何万年と広げると、「万物流転」の大原則を否が応でも突きつけられます。
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ(オットー・ビスマルク)」
「未来は過去の延長線上にある(ピーター・ドラッカー)」
未来を変えていった先人達の言葉は、改めて、重い。
これから変わりゆく未来、そして、そんな未来をいかに描くかを知りたい人には、心からオススメの一冊です。
P.S.
農業インターン・副業・プロボノ大募集!
学年や年齢、農業経験の有無は問いません!
インターン・副業・プロボノに興味のある方は、ぜひご応募ください!
農業界の未来を、共に切り拓いていきませんか?
【①インターン】
【②副業・プロボノ】
※個別対応のため、TwitterのDMでお問合せください(下はイメージ)。