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弊牧場がグットデザイン賞を取った話

こんにちは。会社員を辞めて酪農家の右腕(修行中)という職業を選んだりゅうたろうです。北海道は中標津というところにある牧場に2021年11月に東京から移住してきました。

現在勤めている竹下牧場のロゴ

牧場作業のお仕事というよりかは、一応新規事業マネージャー兼、営業という立場でやらせてもらっています。今は牧場の牛乳を使ったポタージュの商品開発だったり、ゲストハウスの運営だったり、コワーキングスペースの事業計画を作ったりなんやかんやいそがしい毎日です。

牧場がなぜグットデザイン賞を?


移住に至った経緯や取り組んでいる事業に関してはまたの機会に書くとして、今回は僕が勤めている竹下牧場が2021年グットデザイン賞を受賞したことを書いてみたいと思います。牧場としてこの賞を取るのは初めてのことなんだとか。

グットデザイン賞ってざっくり言うといいデザインの製品だったりサービスだったりに送られる「君、良いデザインしてんね賞」です。
まんまですけど。

この賞を牧場が受賞ってどゆこと?と思われるかもしれませんが、今回弊牧場が受賞したカテゴリーは「ブランディング・CI/VI部門」。
「牛と、新しい関係を。」というスローガンのもと、中標津でしか買えないモッツァレラチーズ「はじめましてモッツァレラ」や、地域の人と旅人をつなぐ「ゲストハウスushiyado」を作るなど、包括的なブランディングが評価されたました。

ロゴのイメージ


竹下牧場で作られるフレッシュモッツァレラチーズ。
中標津町でしか販売していない。


ゲストハウスushiyado
「牛と新しい関係が生まれる宿」として町の中にある。

安定している産業だからこその差別化

北海道にはたくさんの酪農家さんがいらっしゃって、牛乳の一大生産地です。酪農という産業は良くも悪くも安定しており、ある程度成熟した産業です。そんな状況でオーナーの竹下耕介が危機感を持ったのが「生産者と消費者の距離が遠くなっている」こと。

みなさんスーパーの牛乳買う時、「〇〇牧場の牛乳だ」とか考えて買いますか?生産地くらいは目に入るかもしれませんが生産者の顔を思い浮かべれる人はあまりいないでしょう。そうすると選ぶ基準は安いこと、になってしまいます。

そうではなく、自分たちが誇りを持って育て、絞った牛乳がどのようにできているのか、牛という動物がどれだけすばらしい生き物なのかを伝えることで新たな価値を生み出そうと考えました。

中標津でしか買えない名刺がわりのチーズと、町の中に作ったゲストハウスは「ミルクをたくさん売るよりも、牛という動物をもっと好きになってもらいたい」という思いで作られました。

審査委員の評価

酪農という完成されすぎた産業に、牛と人間、牧場と地域の関係性を可視化、顕在化させ、新たな社会的接点を産み出していく、というプロジェクト。平易な言葉や親しみやすいデザインで語られていくロゴやWEB、施設は消費者に身構えさせることなく、興味を惹きつけることに成功している。また、2018年6月にスタートしたushiyadoは、累計約4000人が宿泊。約150人が酪農体験ツアーに参加するなど、多くの人にとって日常生活から遠くにある牛や酪農、北海道の地域に関心をもたらしたことは、類似する悩みを抱える農畜産業にあって大きなヒントになるのではないだろうか。

https://www.g-mark.org/award/describe/52758

「牛と、新しい関係を。

酪農という産業は、地域と密接に結びついています。酪農の未来を考えることは地域の未来を考えること。
このスローガンに向けて竹下牧場はまた新しいものを次から次へと作ろうとしています。今回の賞は通過点でしかありません。
面白い取り組みだなと思った方、これからもどうか見守ってあげてください。

ではまた。

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