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多様なスタートアップモデルは瀬戸内から生まれる【BLAST SETOUCHI2023】

どうも、中四国地域で教育メディア事業を展開している瀬戸内サニー株式会社社長の大崎(サニー)です。

瀬戸内地域で開催されているスタートアップカンファレンス「BLAST SETOUCHI」。去年の愛媛初開催に続き、今年は岡山開催で「アトツギ」というキーワードも加わりバージョンアップ。

ワイも参加してきたんですが、タイトルにあるように地域ならではの多様なスタートアップモデルを感じることができるカンファレンスだったと思います。以下メモ的に自分が感じたことをまとめました。

BLAST SETOUCHI詳細はこちら👇

【前提】2027年にはスタートアップ予算を現在の10倍10兆円規模に。

BLAST SETOUCHIでは岸田総理からのオープニングメッセージ動画がありました。「2027年にはスタートアップ予算を現在の10倍の10兆円規模に。地方創生の要として、地方発スタートアップ、アトツギベンチャーの成長が不可欠」とコメントいただいてて、政府の後押しあるの強いぞと思いました。

記事もあったので載せておきます👇

また四国経済産業局の小山和久新局長からもビデオメッセージをいただき、中国地域限定だったJ Startup Westに四国としても参画する流れになっています。ちなみに12月5日にJ-Startup WEST四国参画記念イベントが開催されるそうです。

あと今回主催したSetouchi Startupの藤田さんによるオープニングピッチ。TED感あってイケイケでした(笑)


J-Startup West選定企業によるピッチ。

僕自身も知らないスタートアップ企業が多かったんですけど、一番ワクワクしたのが鳥取大学発の建設スタートアップのONESTRUCTION代表西岡くんのピッチ。あとで個別でお話した時もめちゃくちゃ良かったのでメモを残しておくぞ。

ONESTRUCTION(株)代表 西岡くん「多様なスタートアップモデルを地方から作る。東京大学発のベンチャーが3桁億円の売上を作るんじゃなくて、地方発で、鳥取の大学発ベンチャーが4桁億円の売上を作っていく方がかっこいいじゃないですか。そういう世界を作っていきたいです。」

【義務教育から変えていく】-セッション「瀬戸内のスタートアップ支援で見えてきたこと」-

セッション「瀬戸内のスタートアップ支援で見えてきたこと」では、岡山市長の大森さんを中心に今までの岡山市のスタートアップ史のお話、また中四国のスタートアップ支援カオスマップを中心に議論が色々とされました。勉強になる。

岡山市長の話がめっちゃ良かったので以下にまとめました。

岡山市長 大森さん「偏差値教育はもういい、義務教育のアップデートをするべきだと思う。仕事に対して飢餓感を持てるような人間を育てることが大切じゃないか。だからこそ、義務教育の改革をやっていかないといけない。

実は、10年前、岡山市は全国テストが最下位だったんですよ。先生たちは真面目な人が多いのだけど、自信がなく、学生たちに接していました。そこで、校長先生たちが前のめりで関わって、これからの教育をどうしていくべきか、いろんな授業をテーマに先生たちとディスカションをする機会が増える中で、岡山市の教育が改善されていった。先生たちからも新しいアイディアが出るような機会を作っていく、そういうことが将来に対して役立つと思っています。

そして、瀬戸内という単位を考えたときに、岡山市を含めて、高松、松山、広島、4つの市の市長が、瀬戸内海を囲みながら何をしていくかを議論しています。(後で聞いたが毎年この4人で飲み会やってるそうです笑)」

瀬戸内スタートアップス 藤田さん山田さん「瀬戸内の一般の人たちにもリーチできるようなスタートアップやアントレプレナーシップを普及するようなメディアをやっていきたい。もっとスタートアップという言葉が一般的になるよう。」

なお、ワイは正装(タイツ)で質問させていただきました笑

【シリコンバレーも地方】-セッション「地域VCの役割と未来」-

KOBASHI HOLDINGS 小橋さん「地域ベンチャーキャピタルは必要か、必要じゃないかという二元論なら、ファイナンシャルリターンをつくるだけのベンチャーキャピタルはいらないんじゃないかと思ってる。ただ、一方で、経済をつくる、産業をつくる、地域をつくるには地域のベンチャーキャピタルは必要だと思っています。」

インキュベートファンド 赤浦さん「地域発のベンチャーキャピタルは必要だと思っています。そういう意味では、その地域の現場が分かる、起業家の熱量にリアルに触れることが大切。実際に顔を合わせてミーティングすることが大切だと思っているのでzoomミーティングも活用するが数回に1回はリアルでのミーティングをするようにしている。」

KOBASHI HOLDINGS 小橋さん「スタートアップとファミリー企業のシナジーがイノベーションになると思っている。ファミリー企業は短期の収益を求めるのではなく、中長期で変えていかないといけない。一方で、スタートアップは短期の成長を求められるので、出資や資金面での支援をしてもらえること、一方ファミリー企業側もスタートアップ的な文化を取り入れという観点では非常にシナジーがあると思っています。」

インキュベートファンド 赤浦さん「シリコンバレーはある意味地方。コミュニティが企業を育てる。文化があって、イベントもあって、そういった一体感がスタートアップを生み出す。そういう観点で言うと日本の地方も集積していると言うこともできる。例えば、半導体が集積している、ものづくりが集積している。産業の中で集積していくことが大事なんじゃないかなあと思っています。」

インキュベートファンド 赤浦さん「地域においては銀行の役割が大きい。もっとも組織として地域で信頼されている。だからこそ銀行と連携して信頼を獲得していくことが大切。」

Patternstrage代表の今井さん「儲かればなんでもいいのか。短期で儲かるからいい、ではないと思っている。地域VCの藤田さん山田さんのような人たちは東京にはいないし、彼らがいなければBLAST SETOUCHIのような場所や空気感は生まれなかったと思う。そういうことを地域ではやっていくべきだと思っています。」

インキュベートファンド 赤浦さん「かつてのジャパンアズナンバーワンの時代は東京だけでなく、日本全国に産業が生まれて、それを輸出して外貨を稼いでいた。失われた30年と言われているが、次の30年はもう始まっている。地域VCは必要だし、地域の銀行も支援をしながら、みんなで産業を作っていくことができればと思っています。」

個人的にはPatternstrage代表の今井さんのチーム体制がものづくり系とAIテクノロジー系がごじゃ混ぜな感じでめっちゃいいなあと。また、資本制ローンや地域VC、補助金など、多種多様な今までにない資金調達を近々リリースするそうなので、とっても楽しみです。

また、「(仲間には申し訳ないが語弊を恐れずに言うなら)ギリギリまでリスクを取りにいくことをやっていきたい」と言う小橋さんの言葉には非常に震えるものがありました。

【スタートアップと跡継ぎの両輪】-セッション「アトツギの持つポテンシャルとは」-

アトツギファースト山野さん「アトツギは今の会社の事業等を変えてもいいんだという思いを持って継いでもらっている人が少ない。起業マインドを持っていいんだというのを誰も教えてくれない。」

アトツギファースト山野さん「アトツギベンチャーは3つ形があって、Exit型が1割、地方豪族型が4割、ランチェスター型が5割。地域によって多種多様な形がある(以下の記事がわかりやすい👇)」

ことでん真鍋さん「スタートアップだけではなくて、後継の支援もしっかりやっていくことが地域として大切。跡継ぎが前に出てくることがないので、そういう機運を作っていく必要があると思っています。」

岡山県伊原木知事「外貨を稼ぐことは重要。どうしても例えば、散髪屋、飲食などはマーケット(人口)の大きさに比例して給与や企業の大きさは決まってしまいます。人口が減っていく中で、外貨を稼ぐスタートアップやアトツギベンチャーはこれからさらに求められると思います。」

ABAKAM 松本さん「エクイティの設計やデザインを設計することで世の中をもっと良くできるんじゃないかと思っています。」

【存在意義のある会社をつくる】-セッション「リーダーたちは何を考えるか?」-

両備ホールディングス 松田さん「跡継ぎ系は過去の歴史をしっかり調べて、先人を超える努力をしていくこと。何をどのレベルでやるのかということを逆算で考えることが、経営、さらにはスタートアップには必要かと思っています。」

石川HD 石川さん「まだリーディングカンパニーがない業界に旗を立てて、世界に展開をしていく。例えば、小売への投資。また高齢者の健康寿命を伸ばすビジネスをしたいと思い、シニア向けのフィットネスを始めている。(全然うまくいってないんですが笑)」

石川HD 石川さん「存在意義のある会社を作って欲しい。僕がそういう会社を作れたかというとまだまだだと思うけど、うちのブランドが無くなった時に誰か泣くのかな、誰か困るのかなあと思った気持ちでやっている。スタートアップもぜひ存在意義のある会社を目指してほしい。」

JAPAN TIMES 末松さん「30年間ガムシャラにやってきたが、誰が自分のことを支えてくれていたか。身近で支えてくれていた人を大切にしたり、幸せにすることができているかを今の年齢になって尚更考えるようになりました」

ベイシス 吉村さん「広島で創業してから東京に拠点を移してから、地域の元気がなくなってきてるなあと感じるようになった。事業家、起業家として、もっともっと大きなビジョンを持って、多くの人の役に立てるような、そういう気概を持って取り組むことをやっていきたいと思っています。」

石川HD 石川さん「ニューローカルの人たちがこれから地域を変えていく。7割ほどは東京や海外、残りの3割がローカルにいるような人たち。世界中から面白い人たちが集まってくると、瀬戸内ももっと波が立ってくるかなあと思っている。」

どのセッションもめちゃくちゃ面白かったんですが、全部メモし切れず。。。モデレーターを務めた皆さんお疲れ様でした。また、運営の皆さん本当にお疲れ様でした!

まとめ

目指すべきは、既存の資本主義的なスタートアップではなく、地域や社会課題の解説と成長を両立させるインパクトスタートアップ、アトツギベンチャー。それが健全な資本主義をつくることになるのではないかと思いました。

あと来年は大分開催です。瀬戸内を拡張するという意味でめちゃくちゃ良いきっかけだなあと思うので来年の参加も楽しみです。

あと弊社も6年目ですが、ここから先どのレベルでやり切るか。時代の楔(センターピン)になるような会社としてこれからも成長してきたいと思います。お疲れ様でした!!🎉

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