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「地域のビジネスコミュニティが機能しなくなってきてるんじゃない?」瀬戸内の最大規模のカンファレンス「BLAST SETOUCIH」のトークセッションが波立ててた!

波のないセトウチに波を立てるをテーマに、瀬戸内のリーダーの方々が刺激を受け、コラボレーションが生まれるカンファレンス「BLAST SETOUCHI」。僕自身も黄色タイツの正装でピッチをさせていただいたのですが、今回のファイナルピッチを記事にしました。記事タイトルも波を立てるためにちょっと煽ったタイトルにしてます…すみません…。笑

本カンファレンス発起人のユーザーベース(NewsPicks)の坂本さんモデレーターのもと、サイボウズの青野社長、フジの尾﨑社長、ことでん&HOXINの真鍋社長のトークセッションが繰り広げれました。

西村経済産業大臣のオープニングトークでは「スタートアップ」という言葉が非常に強調されていましたが、本トークセッションでは、内から見た地域と外から見た地域の視点、瀬戸内という地域内での緩やかなコミュニティの必要性に関するお話が展開されました。


Final Session:リーダーとの対話、瀬戸内の未来

青野 慶久さん サイボウズ株式会社代表取締役社長
尾﨑 英雄さん 株式会社フジ 代表取締役社長 株式会社フジ・リテイリング
真鍋 康正さん ことでんグループ代表 HOXIN株式会社 代表取締役
坂本 大典さん 株式会社ユーザベースグループ執行役員(モデレーター)

坂本さん:まず最初に、コロナ禍で考えたことや乗り越えたことは?

真鍋さん:コロナ前は日本一稼げる鉄道会社でしたが、コロナ後はエッセンシャルワーカーの人たちや学校に行く子どもをなんとか運ぶ、公共性の高い事業として展開していかないと思うようになっていました。

また先進国では鉄道インフラは行政が主導している地域が多いです。例えばヨーロッパだと行政が主導して、運営だけ民間という流れもあります。日本の地方交通も、官民が一緒になって交通をどうしていくかを20年ほど早く考えないといけない状況になった。誰が見ても危機的状況なので、組織の世代交代も考えて若手の役員を抜擢したり、合理的な意思決定もしやすくなったとポジティブに捉えています。(以下参考↓)

青野さん:「歯を食いしばって会社にいかないといけない」という価値観をなんとか変えないといけないと思った。だから、エッセンシャルワーカーのために「がんばるな、ニッポン」というメッセージをCMや新聞でも伝えていった。社内でも、リモートで働けるなら東京にいなくていいんじゃないかと気づき始めてもらえて、社内チャットのスレッドでも「移住スレッド」が立ち上がって、どこにいくというのが話題になるほどでしたね。

坂本さん:その中で他にも具体的に一番進んだことは?

青野さん:僕が一番出社しなくなったことですね(笑)みんなはリモートワークしてても、僕は昭和型だったのでガンガン出社してホワイトボードに文字を書いてのタイプで…なのでリモートになってからの方が逆に評判が良くなった(笑)最近ではバーチャル社長として基本ビデオ会議でしか会議をしないようにしてる。

坂本さん:雑談の時間が減ることや何気ないオフィスでのコミュニケーションが大切な中で、そこに関しては何か工夫したことはあるんですか?

青野さん:時々集まりたいよねっていうときは、イベントをしたり、仕事をするための場所じゃなくて、雑談をするために会社に行くという価値観に変わりましたね。

尾﨑さん:行動制限が入る中で、会社をどう残していくか悩んだ。お客様が戻ってくると思っていたけど、見通しがドンドン伸びていった。ライフラインのような巣ごもり消費で売上はそこまで変動はしなかったけど、一方で、スーパーはライフラインであり、そこで働いている人たちはエッセンシャルワーカー。仕事の有り難みを認めて頂いた良い機会ではあったものの、従業員には大変な思いをさせたなあと思っている。

厳しい中、どう会社を守るか、また大きなチャンスもある。お客様に来て頂く場所として、スーパーの店頭はもっと磨き上げていかないといけない。

坂本さん:実際に変えたことはありますか?

尾崎さん:新しい商品開発を進めましたね。今まで並べなかった商品でも「やってみようか」ということでいろんな業者さんとお取り組みを進めることもできました。また、無人で有人以上の感動を作れるお店をどう作れるかのチャレンジをしています。レジも将来的には全てセルフレジになるようなものでもいいじゃないですかね。

青野さん:自動化はすごく大切だと思うんですけど、視座をもう少しあげると、人がない場所になっていくよりも、瀬戸内で人がもっと集まるようなまちづくりをしないといけないんじゃないですかね?

坂本さん:(ではそちらの話を広げていくという視点で)人口を増やすことは意識しているんですか?

真鍋さん:コロナ前はインバウンドブームがあった。ありとあらゆるものがインバウンドにドンドン投資をしててインバウンド事業とつければ予算がついてた。ただ住んでいる人への投資が進んでいるかというとやや疑問が残るのと、危機感も個人によって差異がある。香川県も100万から94万に減ってて、民間企業で考えると100億の売上が94億になってるのは大きく意識が変わってくる。

また、人口減少に関して、一番大きなのが20代女性の人口流出。若い人たちが魅力的に、意欲的に、楽しく働ける会社を作れるかどうか。例えば20代で1000万円稼げる仕事がどれほどあるのか。そこに課題を持っていて、瀬戸内のスタートアップに投資をする、時にはメンバーとして加わって活動している。優秀な人が集まる会社をどれくらい作っていけるかが重要だと思っている。

尾崎さん:その地域で暮らせる人がいるのかは非常に重要。長崎県で地方創生離島振興推進協議会をやっている人にお会いしたのだが、沖縄北海道をのぞいて、島の国境が見えない場所にある。そこを国として守るためには、人が住んでその地域を守っていかないといけない。そのためにはものづくりの現場、生産の現場、流通の現場まで入っていって、一緒に作っていく必要があると思っています。

坂本さん青野さんは愛媛出身で東京在住ですが、一歩引いた視点でいうと、ご自身ではどういうことをやるべきかと思いますか?

青野さん:地域でビジネスをやってた人たちのコミュニティが機能しなくなって来ているんじゃないかと思っています。飲み会の座席が決まってて、若手がお酒を注ぎに来てる場所に、優秀な若手は集まらないと思う。新しいビジネスコミュニティが必要なんじゃないかと思っている。閉鎖的という言葉に集約されてします。

真鍋さん:そこで何かやらかすと、もうその地域にいられないというのがある(笑)高松でいえば、例えばテックで起業してる人たちは全員もう知り合ってる。違うミュニティに重なって、行ったり来たりできるような居場所が必要だと思うんですよね。いろんな地域のビジコンに出て、10万円賞金もらえて、でもプレゼン疲れしちゃってていうのがあるので、もっと緩やかにつながるような場所が必要だと思っています。

尾崎さん:群れると安心をするとは思うんですけど、自分のコミュニティ外の人たちがどういう思いを持って生きているんだろうかというのを考えるようにしていますね。成功するのは簡単ではないけど、若い世代を応援するようになっていきたい。

坂本さん:日本全体に対してどういう課題感を持っていますか?

僕が就職した当時は失われた10年と言われてたのに、失われた30年と言われています(笑)つまり変われていない。失敗してもナイスチャレンジと言ってそれを良しとする文化への移行が重要だと思っていますね。

質疑応答:

Q. オーナー社長の強さってあると思うんですけど、オーナー企業と同じような熱い想いを持った社員を増やしていくことに大切にしていることはなんですか?

真鍋さん:社員と直接話をする機会を作っています。鉄道会社として攻めてるLINEスタンプやSNSで話題になるようなポスター、ウクライナ柄のラッピング電車を走らすことをやりましたね。それは若い社員が「うちの会社はやらないといけないですよ」と言ってくれて。若い人の意見が通る組織という認識になってきたんじゃないかあと。

青野さん:一番は権限だと思っています。心の中では「うん?」と思うこともあるし、「俺は失敗すると思うけど、あなたが決めなさい」とできるだけ権限を明文化して渡していくことにしている。職種も社員が自由に選べるようにしている。「営業飽きたのでマーケやりたいです」と言っても上司はNOと言えない。

坂本さん:それは僕もすごい共感です。「勝手にやっていい」と思ってて。「僕がちょっと待てって思う規模間のものだけ、持ってこい」って伝えたら、みんな主体的に好きに仕事をするようになりましたね。

Q. 瀬戸内を魅力的な地域にやろうとしていること?また若手へのメッセージ。

真鍋さん:都市間の移動をどうしていくかというのと、瀬戸内という単位をカバーするメディアがない。香川岡山であればメディアが一緒だから岡山の情報が入ってるけど、お隣の愛媛県からの情報は入ってこない。そんなメディアの可能性があるんじゃないかなと思っています。

青野さん:都会の人は「島」が魅力的に写っている。あと「島」になった瞬間に都道府県を意識しなくていい。県境が曖昧になるじゃないですか(笑)島を魅力的にすればもっと尖った取り組みができるんじゃないかあと思っています。(終)

第2回は某桃太郎県で開催!?

ということでこのBLAST SETOUCHIは第二回もあるとのことなので乞うご期待!ワイのピッチも聞いていただいみなさん、ぜひ応援をよろしくお願いします!笑

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