予備校講師が10年見てきた高校受験、大学受験
4月、学校ではいよいよ新学期を迎えます
3月は卒業で、2月は受験生の最後の授業
10年生徒を送り出す度に【一年間ついて来てくれてありがとう、合格してこい!】
というメッセージを送るのですが、実は授業は終わるけれど何もまだ終わっていないんですよね
むしろここからが本当の始まりであって、ここから彼らが人生を賭けた勝負に挑んでいくんです
そしてその経験を経て、さらにその後の自分の未来とまた向き合います
人気の学校や偏差値のとても高い学校ともなれば倍率が高く、不合格になってしまうこともあります
平塚市では江南高校というところが市で一番の高校になりますがやはり簡単ではありません
また近年では平塚中等教育学校が中高一貫でとても人気がありますがこちらも倍率がかなり高く難関になっています
数年前、中等教育学校に受験し、失敗してしまった子の鑑定をしました
やはりとても落ち込んでいましたが、中学だけで人生が決まるわけではありません
彼を鑑定していると、とてもこの先の未来が絶望するようにも楽しめないようにも見えないのです
いえ、むしろそれどころか【こうしなきゃいけない】というしがらみが一回無くなり、【本来の自分らしく】この先を見据えていけるように見えるのです
この時、お母様には【責めないであげて欲しい】【高校はきっと大丈夫なはずなのでゆっくり見守ってあげて下さい】とお伝えしました
そして彼本人には悔しいという気持ちがあったので【高校でリベンジしようぜ!】という約束をしました
そしてそれから3年後
彼は地区で二番目の進学校に合格しました
なんと、その高校は私が通っていた高校でもありました
そこは進学校にしては珍しくかなり自由な校風で神奈川県で二番目に海から近い学校で皆のびのびしています
彼の性格的にもこの校風は合っていたのでしょう
まさかお客様から自分の後輩が誕生するなんて思いもしませんでしたがとても嬉しかったです
そして高校に入ってからも自分が好きなことが出来て生き生きとしている姿を見れました
もうそこには3年前の彼はいませんでした
何のために勉強するの?
勉強したら何になるの?
なんで受験があるの?
その答えの一つには人生経験の少ない子たちが
【本気になって何かに向き合う】貴重な機会だということがあります
私も中学受験から全て経験してきましたが、母がどうしても僕を行かせたかった中学は落ちました
それでも母は僕を責めようとはしませんでした
その時生まれて初めて母に申し訳ない気持ちになり、高校は頑張ってみたい、という気持ちが芽生えました
勉強は決して好きではありませんでしたし、学校の先生も嫌いで反発しまくっては毎日怒られていましたが、塾の先生だけは違いました
常識だけ、上っ面だけで会話せずちゃんと向き合おうとしてくれました
無事高校入学した後もあいわらず遅刻早退欠席を繰り返し、ギリギリの進級でしたが、次は大学受験で本気で向き合ってくれる英語の先生に出会いました
それがキッカケとなり、予備校講師として生きて行く人生の目標が出来ました
その時その先生とは【英語の偏差値を70にしようぜ!】と約束をしたのですが、残念ながら私は現役時代にその約束を果たせず大学も9校受験して1校しか受かりませんでした
悔しくて悔しくて、唯一合格した大学に入ってから生まれて初めて必死に勉強しました
行き帰りの通学の2時間を勉強にあて、学校から帰るとそのまま塾に直行してアルバイト、という毎日を過ごしました
2年が経った頃、当時の塾でNO.1の先生にのし上がっていました
そして、先生との約束を果たすため、自分もプロ講師になって会いに行こうと決めました
晴れてプロになれて会いに行った時、先生はとても喜んでくれました
あの時の経験は今でもずっと私の宝物です
子供とは環境にとても左右される存在です
子供とは周りにどんな大人がいるのかで大きく考え方も変わってきます
そして
子供とは【あなた方大人をよく見ています】
だからこそ
私たち大人は【彼らが信じられる存在】でなくてはなりません
大人だって間違えることはあります
その時に素直に認めて謝っていますか?
ちゃんと気持ちを伝えていますか?
勝手にわかってくれると思っていませんか?
よくも悪くも子供は大人を見てマネをします
そして私たち大人が、大人のために言っている言葉なのか、本当に今の自分のために言っている言葉なのかを理解します
私たちはどんな時も【信じ合える存在】であるためにいます
結果にガッカリしたり、その瞬間だけ褒めてご機嫌をとる存在ではありません
今何かに本気で向き合っている1人の人間がそこにいるのなら、どうやってサポートしてあげるべきなのか、
そんな風に考えてあげて下さい
受験生よ、頑張れ
私は普段【頑張れ】という言葉を使わないようにしていますが、ここぞ!という時にだけ使います
どんな道になろうともその先の人生に自分だけの光がありますように
大人も一緒に頑張ろう
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