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  • 昭和財政史書き起こし 消費税シリーズ

    財務省サイト内で公開されている「昭和財政史」をテキストベースに書き起こしていく

最近の記事

「昭和財政史」より「昭和55~59年度:グリーン・カード問題」を書き起こし

「昭和財政史」より「昭和55~59年度:グリーン・カード問題」を書き起こし 昭和55~59年度:グリーン・カード問題と「増税なき財政再建」 (1)グリーン・カード問題 昭和54年に一般消費税の導入が見送られた後は、税収の確保あるいは新税導入の前提条件としての不公平税制の是正が課題となっていた。長年の懸案となっていた利子・配当課税問題を改善する手段としてのグリーン・カード制度導入の議論は、そのような文脈の中で表れてきたものであった。 利子・配当課税のあり方に関する税制調

    • 「現金給付」 で 「必要」 を満たすことは可能か

      新型コロナウイルスの感染拡大が沈静化されない中で、定額給付金の再給付を求める声が増えてきた。私は「一律」で「少額(10万程度)」の「現金給付」である定額給付金という政策自体に批判的だが、それはさておき、「現金給付で必要を満たすことは可能か」という視点について考えてみようと思う。 例えば、現在の日本は国民皆保険制度という、「誰もが自由に受けられる医療制度」が確立している。これは厳密には社会保険制度によって運営されており、いわゆる財政政策としてのそれとは制度的な背景は異なるが、

      • 何型ベーシックインカムであろうと、ベーシックインカムの本質は「小さな政府」である

        最近、巷では(何度目かの)ベーシックインカム論争が起きている。曰く、ベーシックインカムにも様々な仕組みがあり、ネオリベ型であるとか反緊縮型であるとか、または増税型はダメだが赤字国債型は良いとか、論者によってさまざまな定義があるようだ。 しかし、どの「型」のベーシックインカムにも共通していること、そして一番重要なことは、「ベーシックインカムはその消費対象を個人の選好に委ねる」ということだ。 消費は生産を生み出し、生産は雇用を生み出す。「誰かの消費は誰かの雇用」といえる。仮に

        • 消費税と派遣雇用に関する整理

          巷で言われる、「正規雇用から派遣雇用に切り替えると、消費税の仕入税額控除ができるようになり、利益が増える(節税できる)」という説を検証した内容を、下記にまとめておく。 ○正規雇用を派遣雇用に変えた場合、利益はどのように変化するか。前提: 売上1100(税抜1000、消費税100) 仕入550(税抜500、消費税50) この場合、納税する消費税は100-50=50となる。 この前提で、従業員を1名雇用したと仮定し、 1.正規雇用300支払い 2.派遣雇用330(税抜外注

        「昭和財政史」より「昭和55~59年度:グリーン・カード問題」を書き起こし

        • 「現金給付」 で 「必要」 を満たすことは可能か

        • 何型ベーシックインカムであろうと、ベーシックインカムの本質は「小さな政府」である

        • 消費税と派遣雇用に関する整理

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        • 昭和財政史書き起こし 消費税シリーズ
          10本

        記事

          「昭和財政史」より 昭和27~30年度の「シャウプ税制からの変化」を書き起こし

          昭和財政史の消費税シリーズの書き起こしが終わったので、ここからは所得税と法人税の歴史に関して書き起こしをしていこうと思う。が、その前に、まずは戦後、GHQの要請によって結成された日本税制使節団(シャウプ使節団)によって構築された税制、通称「シャウプ税制」が、その後の日本においてどのように変化していったか。その点の書き起こしをしていく。 以下、昭和財政史「第1章 戦後税制の確立 昭和27~30年度」より 第1章 戦後税制の確立-昭和27~30年度第1節シャウプ税制以降の経過

          「昭和財政史」より 昭和27~30年度の「シャウプ税制からの変化」を書き起こし

          「昭和財政史」より 昭和63年の「竹下内閣による消費税の導入の経緯」を書き起こし

          「昭和財政史」 日本の消費税の歴史書き起こしシリーズ 「大平内閣による一般消費税の導入失敗」 「中曽根内閣による売上税の導入失敗」① 「中曽根内閣による売上税の導入失敗」② 「中曽根内閣による売上税の導入失敗」③ 昭和62年(1987年)の中曽根内閣による売上税の導入は失敗した。就任早々、「大型間接税と称するものは導入しない」と公約し、さらにその公約を破る形で導入を検討したことは、国民の支持を失う結果となった。そして、その後の昭和62年10月末に誕生した竹下新内閣に

          「昭和財政史」より 昭和63年の「竹下内閣による消費税の導入の経緯」を書き起こし

          「昭和財政史」より 昭和60年~の「中曽根内閣による売上税の導入失敗」を書き起こし③

          「昭和財政史」より 昭和60年~の「中曽根内閣による売上税の導入失敗」を書き起こし① 「昭和財政史」より 昭和60年~の「中曽根内閣による売上税の導入失敗」を書き起こし② の続き。これにて「中曽根内閣による売上税の導入失敗」の書き起こしは終わり(長かった) 昭和61年7月の選挙で大勝した中曽根内閣は、その後政府税制調査会及び自民党税制調査会において税制改革の議論を本格化させていく。しかし、抜本的税制改革の本丸である「大型間接税(売上税)導入」に関しては、検討段階で、すで

          「昭和財政史」より 昭和60年~の「中曽根内閣による売上税の導入失敗」を書き起こし③

          「昭和財政史」より 昭和60年~の「中曽根内閣による売上税の導入失敗」を書き起こし②

          「昭和財政史」より 昭和60年~の「中曽根内閣による売上税の導入失敗」を書き起こし①の続き 自民党総裁選に勝利し二期目がスタートした中曽根は、昭和59年から税制改革を検討し始め、昭和60年9月に「税制の抜本的改革に関する税制調査会」を発足させる。そして、翌年の昭和61年から、税制改革及び新型間接税の導入検討を本格化させていく。 以下、昭和財政史「第3章 昭和55~63年度の税制-「増税無き財政再建」と抜本的税制改革-」より (2)抜本的税制改革の検討昭和61年に入り,2

          「昭和財政史」より 昭和60年~の「中曽根内閣による売上税の導入失敗」を書き起こし②

          「昭和財政史」より 昭和60年~の「中曽根内閣による売上税の導入失敗」を書き起こし①

          昭和54年(1979年)の大平内閣における一般消費税の導入失敗から6年経ち、昭和60年、政権は中曽根内閣に移っていた。前年の昭和59年10月に総裁選に勝利し二期目に突入した中曽根は、税制改革に着手する。中心となったのは間接税改革、いわゆる「売上税」の導入である。 以下、昭和財政史「第3章 昭和55~63年度の税制-「増税無き財政再建」と抜本的税制改革-」より、中曽根内閣における売上税導入からその失敗までを書き起こす。なお長いので複数回(4回程度)に分ける。 https:/

          「昭和財政史」より 昭和60年~の「中曽根内閣による売上税の導入失敗」を書き起こし①

          「昭和財政史」より 昭和54年度の「大平内閣による一般消費税の導入失敗」を書き起こし

          昭和53年に誕生した大平内閣は、首相の大平正芳の強い意志もあり、「一般消費税」の導入を目指すことになる。しかし、その構想は結果的に失敗した。昭和財政史より、その経緯を書き起こす。なお長い。 昭和財政史「昭和49~54年度の税制-高度成長の終焉と税制再構築-」https://www.mof.go.jp/pri/publication/policy_history/series/s49-63/04/04_1_1_02.pdf 昭和54年度:一般消費税導入の失敗昭和53年11月

          「昭和財政史」より 昭和54年度の「大平内閣による一般消費税の導入失敗」を書き起こし

          「昭和財政史」より、高度経済成長期が終わり安定成長期に入った、「昭和49年~54年の税制」の冒頭文を書き起こし

          昭和49年~60年の日本は、戦後の高度経済成長期が終わり安定成長期に入り、再分配強化の福祉充実路線に向かうはずだったが、大平内閣における「一般消費税構想」の失敗から、「増税なき財政再建」路線に突き進んでいくことになる 以下、昭和財政史より「昭和49~54年度」の税制の冒頭文を書き起こし 第2章 昭和49~54年度の税制 -高度成長の終焉と税制再構築- 第1節 概観:歳入不足問題から一般消費税導入の失敗まで 本書が対象とする昭和49年から63年までの日本の財政運営について

          「昭和財政史」より、高度経済成長期が終わり安定成長期に入った、「昭和49年~54年の税制」の冒頭文を書き起こし

          「昭和財政史」より、昭和59年度の税制改正「史上二番目の規模の所得税減税」を書き起こし

          昭和財政史より、消費税導入前夜、昭和59年度の予算編成方針より「税制改正」を書き起こし この年の税制改正は、主に「所得税減税」が中心。クロヨン問題等、給与所得者の負担感の解消目的に、昭和49年度の「2兆円減税」に次ぐ史上2番目の規模の所得税減税がおこなわれた 以下引用 "臨調の「増税なき財政再建」命題は,その後の財政当局を厳しく制約し,財源不足の連続ではあるが,大蔵省の希望する裾野の広い一般消費税はもとより,税収純増となるような改正はほぼ封じられていたといっていい"

          「昭和財政史」より、昭和59年度の税制改正「史上二番目の規模の所得税減税」を書き起こし

          「昭和財政史」より、昭和30年代の「法人税」に関する議論を書き起こし

          昭和財政史より、昭和30年代、高度経済成長期の法人税議論に関する内容を書き起こしする https://www.mof.go.jp/pri/publication/policy_history/series/s27-48/06_01.pdf 以下引用 (1)企業課税の視点と税制改正30年代の法人税改正は,20年代に実施された法人税率引上げ,租税特別措置の拡大の方針を全体として再検討する方向をとった.そして単なる法人税制という視点より,企業に対する課税のあり方と関連づけ,税

          「昭和財政史」より、昭和30年代の「法人税」に関する議論を書き起こし

          昭和40年の戦後初の国債発行時に検討された「国債発行の歯止め策」を書き起こし

          昭和財政史より、昭和40年、戦後初の国債発行時の、大蔵省における「国債発行の歯止め策」の検討記録を書き起こし https://www.mof.go.jp/pri/publication/policy_history/series/s27-48/15_03.pdf 国債発行の歯止め策について 昭和40年10月5日 理財局国庫課 国債発行にあたり,1.それが野放図に行なわれて経済の健全な発展を阻害しないように、2.また,その償還のために財政に過重の負担をかけないよう(財政の

          昭和40年の戦後初の国債発行時に検討された「国債発行の歯止め策」を書き起こし

          法人企業統計から見る、各産業の賃上げ余力

          9月2日に財務省より2018年度の法人企業統計が発表されたので、主要産業の賃上げ余力を、売上高、現預金、売上高営業利益率等から見ていこうと思う。 ○ 産業別の売上高営業利益率の変化 まずは2012年から2018年の間に、主要産業の売上高営業利益率がどの程度変化したかを確認する。 2012年→2018年で、売上高営業利益率が大きく上昇したのは、宿泊・飲食サービス業と、建設業であることがわかる。反対に、小売業は営業利益率が低下している。これは売上原価等のコスト上昇を価格に転

          法人企業統計から見る、各産業の賃上げ余力

          日銀の金融緩和の「出口戦略」に関する考察

          日銀の金融引締め=出口戦略に関して分かりやすくまとめられているのがなかなかないので、自分で書いてみる。ちなみに分かりやすいかどうかは知らない 金融引き締めとして考えられる手法はいくつかあるが、すでにFRBが採用していて日銀も採用を示唆している「超過準備預金の付利引上げ」に関して 現在、日銀がおこなっている「量的緩和」に伴って日銀内の各市中銀行の当座預金口座には莫大な残高がある(メカニズムは省略) そして、その当座預金口座残高のうち、法定預金準備率を超える分に対して、日銀

          日銀の金融緩和の「出口戦略」に関する考察