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無題

「朝の夕焼けを見にいこうじゃないか」

「いいな、それ」

支度を終え、旅館から海へ歩いた。道すがらの会話は実りのないほど、滑稽だった。その会話はもう誰も思い出すことはない、忘れることになるだろう。でも、その会話の滑稽さというのはいつも此の旅をおもしろおかしくしてくれた。

「なあ、君は死ぬことを信じるか」

「面白いな、その疑問。どうだろうな。死ぬことはないんじゃないか。」

「そうだったな」

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