Ryu
作品になり得るものたち。またはそれの走り書き。
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捧げる 仮面をつけた 青い時代の髑髏は 横を向いていた 暗闇を見るために いつ 独りになったのか 砂利道を疾走する 頭蓋骨の馬は どこで 言葉が漏れたのか 悲しみが ほとばしる肉体 前に突き出した拳は それほど 弱かった 軽い美酒に 沈んだ葡萄 翡翠のような眼光 見ることのない 信じていた 思想を 落とし続けた 部屋の明かりは もうなけなしの 煙草だけだった 変わりゆく時代か 退化した人か 凝り固まった国か 普遍な制度か 無かった信頼か 指切りした愛か 苦
忘らるる春に咲くらむ花の名も香はただよひ思ゆる君を
桜花は絢爛に咲き乱れていた。時々風に吹かれ散っていく可憐な花びらさえにも儚き美しさが宿っていた。多くの人はその散っていく花に過ぎ去りし思い出を重ねて、見ていた。 そして、その幼くして死の前にふする生命 こそが桜であった。その命の絶頂に花としての矜持が訪れる。しかし、桜は、その死を生と同等に扱う意志を、萌え出る前に望んでいたのであろうか。万物に意志が宿るならば桜は生と死を司るやおよろずの神々なのではあるまいか。
真夏の死 ここから世界が始まる カフカ寓話集 モーム短編集(上) 四重奏/目
「私が感情を選択します」男は水面におちる雲の影を見ながら、そう言った。その言葉を聞いてるものは誰もいなかった。しかし、言うことによって男は気分が軽くなった気がしていた。
さまざまな感情を押し殺して生きてきた。それは自分を守るためだった。幼い頃を思い出す。家族で近所で外食をしたときだった。私と兄がはしゃいで店内で大声ではしりまわっていた。にこにこして喜びを爆発させていた。すると、父はそれを見つけると機嫌が悪くなった。むすっとして、口数もへり、目つきも変わる。帰宅するとすぐにぶっ飛ばされた。感情のふたはこれだったことに気づいたのは最近だった。感情を表に出すこと=暴力を振るわれる可能性があるという図式がこの時にできてしまった。今までの人生で感情を出
このような酷暑の中で死ぬことはこの上ない幸せではないか。死体はずっと輝きを持ち、記憶の中での死は夏の頂きに向かう。 「暑い中で死んだのよね、あの人は」 「そうそう、あの年はうんと暑かったもんね」 「葬儀所が涼しかったのを覚えているわ」 「なんであの人は死んでしまったのかしらね」 記憶の中では誰も死なない。死とは一体?
私は毎年この日を祝福するだろう。この祝福が届かなくても関係ない。何故なら届くことを強く信じているからである。
エロスの記憶 対談 日本の文学 パーソナリティ障害 正しい知識と治し方 カウンセラーが語る モラルハラスメント 共喰い 暢気眼鏡
一人は己の魂に苦悶しなければならなかった。それは彼のためではなく、誰かのためであり、その誰かと未来のために。そもそも彼が苦悶しないといけないのは彼が余りにも未熟過ぎるからだった。
君を言葉で態度で何度も殺した。
私は人から授かる愛にどのように反応をして良いのかわからなかった。しかも愛がそこまで偉大なものだとを思えなかった。なぜ、目に見えぬ対象について尊大であり、畏怖すべきものだと見なすことが理解できなかった。
いっそのこと両親には離婚して欲しかった。 そう思うことが卑屈な魂だと思っていた。
私は自分の好きなものさえもいなかった。それはずっとだった。好きなものて聞かれても、皆が嫌がらないようなものを言っていた。きっと感性を否定されるのが何よりも嫌だったのであろう。いつからこうだったのか。
男はいつの間にか女というものを見下していた。自認することは下衆の一員になることだったと思っていたし、己がそのような考えになっていることは認めたくなかった。再生するためには、それを認め、己を赦し、慎ましく生活を営む必要がある。そこには善のための意志がなければならない。己のためではなく誰かのため。原因はわかっている。それを主題に。
維新の源流としての水戸学 愛するということ コンビニ人間 SFコレクション 時空の旅 留魂録 罪と罰(上) 甘い記憶 罪と罰(下)