Photo by reachsky 観能日記 4 Ryu 2022年2月1日 08:27 「羽衣」うつりゆく世は絶えることを知らない。不確定が揺らめくことは美への憧憬だった。その憧憬は誰も彼も知らない。故に、思い出すことや懐古することは不可能だった。まるで天女が落とした紫の衣が微笑するが如く靡いていた。舞。人間が持つ美意識とは隔たりがあることを、シテがそれに込めていた。静かな激情を強靭な祈りに、安堵感を無限の渇望に。その憧憬は連続性の中で確立されず、滅びゆく宿命の中で地を這うように。滅びゆくものが永遠を、老いるものが若さを、成就しえぬ恋がその恋を。美しさをまだ知らず。 ダウンロード copy #毎日更新 #詩 #メモ #能 4 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? 記事をサポート