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風薫る循環の場所〜シンプルに未来へつなぐ。

アロハです。
まだまだ暑い今日この頃、
いかがお過ごしでしょうか。

夜勤から帰ると奥さんからぶどう園に来たお客さんの話を聞きました。

その方は全国のぶどう園を
食べ歩いているぶどうマニアの方。
昨日うちのぶどう園にぶどうが美味しいと噂を聞きつけ買いに来てくれたとのこと。

その方が食べて、ここのぶどうは美味しいと言ったらしい。ただ、甘いだけじゃ無い。酸味も後味も絶妙に美味しい。シャインマスカットも大抵は大きい。こんな小房の程よい大きさのは
なかなか無い。理想的だと。
そしてこんな自然豊かな場所はなかなか無いとのこと、、。

嘘みたいな話しだと思い、
私は奥さんに色々質問した。
その人も社交辞令じゃなかろうかと
思ったわけです。

奥さんは言う。
シャインマスカットでも、とにかく房を小さく小さくとお兄さんは育てた。

房の大きいシャインは沢山ある。
しかし房が小ぶりで一粒一粒が大きいシャインこそ一房を通して美味しいと。その兄の思いがぶどう好きな方に通じたことの喜びを奥さんも感じていた。

兄が手がけて来たのは循環型農地。

どこかから貰って来た草を敷き詰めたり耕さなかったり、その畑をまるで自然の誰も手付かずの山のようにしていく。

簡単なようで難しいこと。

父の後を継いで10年は試行錯誤。
牛フンを撒いたり色々なものを撒いたりしたそうです。
それでうまくいかなかった。

その後、稲垣英洋さんの本に出会い、脳みその血管が詰まり死にかけ、生きるとは何か生態系とは何か考えたそうです。

近くに居ながら私は兄のことを
全然わかっていなかった。

稲垣さんの本を私も少し読みました。

ハサミ虫の話し。

石をどけるとよくいるハサミ虫。
ハサミ虫は人間に対しても大きなハサミで威嚇して来ます。
あれは近くに卵があって守っていると。
そしてそれはメスのハサミ虫だそうです。そして何も食べない。食べる暇がない。卵を守っているから。
ハサミ虫は卵がカビないように
風を当てたり舐めたり丁寧に丁寧に
守っているそうです。
そして子どもたちが産まれると、
自らのお腹を子ども達に与えて
死んでいくそうです。

うちのぶどう園では、カエルが葉っぱに留まり、ショウリョウバッタが飛び跳ね、色々な生き物達が生き生きと過ごしてます。

兄はこんな希少な植物が咲いている
畑は無いよと顔をほころばすそうです。

兄がこの30年取り組んできたことは、ここの生物、土と会話して一緒に
作って来たものであると。
それが徐々に実を結んできている
ことの価値。


これからの時代に最も
必要なことかもしれません。

周りからは、草なんか生やしてと
理解されずそれでもそこの場所を
ひたすら自然と会話して作って来た。
自然と共にこの場所を作ってきた。
それは物凄い事だよと。
そう奥さんは目を輝かせて
私に言うわけです。

虫や生き物、植物はシンプルに
次の世代のために命を生かして
死んでいく。

人も生き物であるとしたら、子どもに未来を託し次の世代へ託しつなげていく。それだけで十分じゃないかと思ったわけです。

そして未来を考える時、自分の中にも
ワクワクし目が覚めるような
輝くようなものが芽生えるのを
感じます。

怒ったり、癇癪を起こしたり、いわゆる老害と言われる生き方というのは、どうにも自然の生き方から反しているのかもしれない。

そんなことを思い、離れて暮らしている大学生の息子、そして社会人の息子。
そんな2人に私が出来ることは
何だろうか?
そう思ったわけです。

まだまだ学ぶことが沢山ありそうで、ワクワクしています。


お読みいただきありがとうございます😊
よき日をお過ごし下さい。

稲垣英洋さんの本です。この中にハサミ虫の話しが出て来ます。

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