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発達障害克服してみた 第4章⑤    原始反射の統合

 (本記事は2022/02/06にリライトしました)

 原始反射とは、赤ちゃんの内や幼児の内に現れる反射で、言わば生存のために必須の反射です。生まれたばかりの赤ちゃんは脳が未発達のため、自分の意志で行動することが困難です。そのため、予め脳(脳幹)でプログラミングされた動き(反射)で外の世界に対応するというわけです。この原始反射は成長するにつれて、脳の前頭前野の発達によりその働きは抑制されて消失していきます。これを原始反射の統合と呼びます。しかし、発達障害を抱える人はこの原始反射の統合が上手く行っていないことが多いとされています。

 原始反射には様々な種類が存在していますが、代表的なものとそれが統合されなかったときに、どのような問題が起こるかについて紹介します。私が個人的に詳しく説明されていると感じた灰谷孝さんの「人間脳を育てる」を中心として一部抜粋・参考にさせていただきます。

 ①恐怖麻痺反射
 
母親の胎内で何らかのストレスを受けたときに、自らを守るために全身を固める反射です。これが残存していると、かんしゃくや過敏、引っ込み思案などが見られます。
 ②モロー反射
 
誕生時に肺呼吸への切り替えを促したり、危険を察知したときに自己防衛を行う反射です。これが残存していると、前項の聴覚処理障害(APD)の項でも書いた「闘争・逃走本能」ばかりが無駄に刺激され、いつもリラックスできず、他者との交流が適切に図れなくなります。APDもモロー反射の統合が出来ていない可能性があります。

 まずこの2つの反射を統合することが一番重要で、この2つに問題があると下流のその他の原始反射の統合が難しくなってしまいます。ここからは、その下流の原始反射の統合を紹介いたします。

 ③緊張性迷路反射(TLR)
 全身の筋肉の姿勢の保持に重要です。これが統合されていないと、机にまっすぐ座って(体幹を維持して)机の上のノートを見るという行為が困難になります。さらに水泳・縄跳びといった手足を協調させる運動が困難になります。
 ④吸啜反射
 
赤ちゃんの口の周りに触れると触れたほうを向くという反射です。お母さんのおっぱいを探して、口に含むための反射です。これが統合できていないと嚥下機能に問題が生じます。また食事中に口の周りの汚れが気になり、やたらとナプキンやティッシュでぬぐってしまう癖が生まれるという話も聞きました。
 ⑤脊椎ガラント反射
 産道を通り抜けするための反射といわれていて、赤ちゃんの腰の辺りを上下にこすると、刺激された方向に体幹部が動く反射です。
 これが残存していると、ズボンのゴムなどわずかな腰周りの刺激でも、そわそわと動いてしまい、姿勢の維持・物事への集中などを妨げてしまいます。また脊髄の末端辺りには排尿・排便の神経もあるので、就寝中のベッドのシーツの刺激により、尿意が催され、ある程度大きくなってもおねしょがいつまでも治らない原因にもなります。
 ⑥対称性緊張性頸反射(STNR)
 腹ばいから四つんばい(ハイハイ)に移行するための姿勢変換に必要。これが統合できていないと、将来的に二足歩行に移る際の姿勢のバランスが悪くなり、猫背など姿勢の問題に影響を与えます。また、目の焦点機能にも影響を与えるとのことで、黒板の文字を見てからノートに書き写すときに遠近の焦点を合わせづらくなるようです。
 ⑦非対称性緊張性頸反射(ATNR)
 分娩の際に体を捻りながら出てくるプロセスを助けてくれる反射。赤ちゃんでは視線を向けたほうと逆の手足が曲がるのが観察されます。これが残存していると、視線を向けた方向の逆の手足が勝手に曲がるので、各種スポーツに影響を与えますし、自分が注意を向けたいもの以外へ気が散りやすく、ADHDと診断されうる症状が見られるようです。

 他にもいくつか原始反射はありますが、発達障害(学習障害も含む)のお困りの症状の大半はこの原始反射の未統合にありと言っても過言ではないでしょう。
 これらの反射は小さいうちにハイハイや様々な動きを通すことで脳が発達し、やがては統合されていきます。しかし発達障害者の場合、先天的なストレスにさらされ、脳神経が発達しづらいため、定型発達の子供たちより反射が統合されにくい側面が考えられます。また⑦のATNRの統合は、自然分娩で産道を通ることで統合の一歩を進めることが出来るのですが、医療の発達などで帝王切開などの例が増え、自然分娩を経ない形での出産スタイルが増加したことも近年の発達障害の増加に繋がっているのかもしれません。(ちなみに私も帝王切開で生まれています)
 
 原始反射の統合法には自分が知る限りでは2種類あります。今回ご紹介した本の「人間脳を育てる」では、各原始反射に対応した統合のための体操が記載されています。2000円程度の本代はかかりますが、様々な症例などが載っていて非常にためになります。しかし、この体操法は一部二人一組で行うものもありどちらかといえば、発達障害を持つお子さんとその親が二人で行うためのものとなっています。
 そこで、一人で行える原始反射の統合法として、再三のスピリチュアルで申し訳ないのですが、エネルギーワークのご紹介をさせてください。晄 尚徳さん(リンク)という方が行っている、STT原始反射統合というものです。どのようにして統合を行うかは、額に指を当てある文言を唱えるだけという、「痛いの痛いのとんでいけ」レベルのような一見ふざけたワークなのですが、かなり効果がてきめんです。あるクライアントは、脊椎ガラント反射の未統合によると思われる長年の夜尿症を克服されたりもしています。
 私個人としては、10年間の努力と瞑想などの効果によって既に大半の困りごとは解消されていたので、あまり大きな変化はありませんでした。しかし、恐怖麻痺反射の残存によるものと思われる背中の硬さや過去の辛かったことのフラッシュバック・両親への憎しみはかなり和らぎました。
 興味のある方は、まずは3回セットの体験コースを受けたのち、希望であればセルフで行うための文言を教えていただけます(6万円ほどかかりますが・・・・)。ご自分の興味のある手法や財布と相談の上、試していただければ、人によっては効果がてきめんかも知れません。


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