生きづらさを克服する ③ 潜在意識に逆らい続けるとどうなるか
前回の話で潜在意識は奴隷ではなく、それぞれの個性を持つ子供のようなものという話でした。(そして顕在意識は親のようなものです。)
奴隷ではない以上、残念ながら顕在意識の思い通りに潜在意識を動かすことは不可能です。そして、潜在意識には善悪の基準がない以上、潜在意識がどのような性質を帯びているかで人生の過ごしやすさが決まってきます。
生きづらい人たちというのは、潜在意識がある意味普通と比べて変わっているので、顕在意識で望まないフザけたイベントを起こしたり、願望が全く実現しなかったりするんですよね。
で、願望達成や、ふざけたイベントを起こさないように顕在意識で潜在意識を頑張ってコントロールしようとするわけですが、圧倒的に潜在意識の勢力が大きいため中々上手くいくことはありません。
自己啓発本によくあるような、潜在意識を動かす方法を使った成功例というのは、大抵の場合潜在意識もその事柄に関心を持っていて、あとは顕在意識がけしかければ良いだけみたいなパターンが大半です。
一方、今回の様に潜在意識が興味を持ってないのに、一方的に顕在意識がけしかけてくるような事例は大抵の場合以下の末路を辿ります。
①何も現実が変わらないし、行動もしない
この場合が大多数を占めます。そもそもその人の潜在意識が達成・成功を望んでいないので、現実は何も動かないです。そして、行動を起こすためのモチベーションも潜在意識由来なので、行動もしないことが多いです。
よくいますよね?「○○したいー」とか言いながら何もしない人(笑)。顕在意識は結婚とか成功とか社会的に良いとされていることを自分の願望として認識しますが、潜在意識は善悪の基準が無いのでこういうことになるわけです。
私も子供のころ親から勉強しろと言われても、言うことを聞かずに勉強しませんでした。勉強することは社会的には良いこととされているし、勉強すると良いことがあると思っているから親は口酸っぱく言うわけですが、だからといって勉強に興味がないから勉強はしませんし、その結果テストの点数は悪いわけです。それと同じですね。
②真逆の現象やそうじゃないといいたくなるようなものを与える
この場合は行動は起こすけども、それが結果に繋がらないパターンです。よく聞きませんか?婚活とかで「好きな人には好かれないけど、どうでもいい人には好かれる」ってやつを。
これも結婚を要求する顕在意識に対して、結婚を否定する潜在意識が反発するがために起こるイベントの一つです。
実はこれも私の例で恐縮ですが、①で例えたような勉強を拒否する子供に例えることが可能です。
あれは中学生のころ、面と向かって勉強しろと言ってくる親にいつものように反抗するのも能が無いと思い、ある作戦を思いつきます。
当時、学校ではPSPというソニーが出していた携帯ゲーム機が流行っていました。それまではゲームというと、テレビにつないで遊ぶ据え置き型ゲーム機が主流でしたので、ゲーム中は親の監視下にあるわけです。
でも、このPSPのような携帯ゲーム機があれば自分の部屋で、こっそり高画質なゲームが楽しめるということで、当時中学生の私はあくどいことを思いつきます。
もうお分かりだと思いますが(笑)、これから「勉強するね!」と親にわざわざ宣言して部屋に入り、がっつりPSPをするという離れ業を行ったわけです。こうすることで、親は「息子は勉強してるんだなー」と何も言ってきませんし、自分は悠々とゲームを楽しめるわけです。
で、テストの結果はというと当たり前ですが酷いものです(笑)。だって勉強してませんからね。
それと同じで、潜在意識も何とかして顕在意識を黙らせるために、とりあえず婚活とかの行動は起こさせるわけですが、肝心の所やもうちょっとの所でフイにしたりとか、のらりくらりと躱すような真似をしてくるわけです。
もっと酷いのになると、一度手に入れてから衝撃的な結末で失わせるという方法もあります。
これは以前ネットである婚活仲人の方が掲載されていたお話ですが、ある恋愛未経験のまま35歳になった男性が、自分の提供する婚活サービスで相手を見つけ結婚します。しかし、その伴侶となった女性がなかなかの曲者で、二人で行く新婚旅行になぜか自分の母親を同伴させ、妻はその男性を半ばのけ者にして母親とばかり行動を共にします。
結婚前はそうでもなかったのに、結婚直後から行動が色々とおかしく、ついに堪忍袋の緒が切れた男性は妻を問い詰めると、悪びれることなく「一度は結婚しとかないとおかしな人に見られるからしょうがなく結婚した」といったようなことを述べ、唖然とした男性はそのまま離婚というお話でした。
馬鹿にするわけでは無く自分も同じようなものですが、35まで恋愛経験が無いというのは本音(潜在意識)ではその人は恋愛に興味を持っていないのです。本当に興味が有れば35年の人生の間に恋愛というイベントを潜在意識が作りだすわけですから。
恋愛結婚に興味がないのに、無理に結婚するよう行動を起こした結果、このような悲劇が起こったのでしょう。
まぁ、これに関してはかなり極端な例でしたが、②で示したように達成直前でフイになるとか、手に入れてからすべて失うみたいな回りくどい現実を潜在意識が作り出してしまう理由は、五月蠅くゴチャゴチャ言ってくる顕在意識に「もういい!」と諦めてもらうためです。こういうイラつくようなイベントが起き続ければ、普通は「もういいや」ってなりますからね。
ではどうするべきか?
①や②のような出来事が起こったからといって、すぐに「これは潜在意識が望んでいないからだ」と諦めてしまうのはよくありません。でも、あまりにもこういうイベントが頻発する場合は、そろそろこれを疑ってみて、「私は本当にこれを手に入れることを望んでいるのだろうか?」と自分に問いかける必要があるのではないかなと思います。
そして問いかけた上で、本心からの願望で無いならばすっぱりと諦める方が時間の無駄にはならないと思います。
ただ、自分の願望が潜在意識からの本心の願いなのか、自分の外部の価値観をインストールしただけの力ない願望なのかは、なかなか見分けが付きにくいものがあります。
顕在意識(エゴ)の「これをやらないとヤバい」という声の大きさは異常ですからね(苦笑)。
というわけで次回はその見分け方についてレクチャーしようと思います。お楽しみに。
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