発達障害克服してみた 第三章 ③先天的ストレス説で説明出来ること

 (この記事は2022/02/01にリライトしました)

 前回の記事で、発達障害の原因は先天的に与えられたストレスによるものという仮説を打ち立てました。

 このストレス説を採用することでいくつか発達障害の性質が直接的もしくは間接的に説明できます。例えば、

 ・発達障害者は成長が遅い
 まずお断りを入れると、成長の遅さを馬鹿にしているわけではないということはご理解いただきたいです。自分の実感や当事者のブログ・twitterなどを見ると、「定型発達者と比べてマイナスからのスタートにもかかわらず、成長スピードも遅い」と当事者が自身を嘆いているといったようなことが散見されます。これもストレス説を基に考えるとある程度説明が可能となります。

 人間が何か新しいことを習得するときには必ずそのことに関する脳神経が発達しますが、そのような脳神経の発達を神経可塑性と呼んでいます。この神経可塑性が十分に働くためには、リラックスした状態が最も望ましいことが知られています(詳細はノーマン・ドイジ著「脳はいかに治癒をもたらすか」に詳しいです)。もし発達障害ストレス説を採用するならば、発達障害児はストレスが強すぎるがゆえに、神経可塑性が上手く働かず、その結果成長・習得が遅いという説明が出来るでしょう。勿論、「マイナスからのスタート」というのはストレスにより生まれつき脳の機能が低下してしまっているというのが説明になると思います。

 ・腸が弱い
 発達障害の人間は、リーキーガット症候群という腸に問題を抱える人間が多いと聞きます。メカニズムとしては、腸の表面を構成している上皮細胞は通常「タイトジャンクション」といって、密に細胞同士が繋がっており、体内に吸収されてほしくない老廃物や毒物が通らないようになっています(必要な栄養分は通るようになっている)。ところが、何らかの原因(有名なのが、小麦などに含まれるグルテン・乳製品に含まれるカゼインなどの物質)によりこのタイトジャンクションが壊されるとそこから様々な通ってほしくない毒物や老廃物が取り込まれ、脳に悪影響を及ぼすというわけです。そこで、出来る限り小麦や乳製品を排除して代わりに神経の発達に必要な良質な栄養をサプリなどで積極的に取り入れることで、目覚ましい症状の改善に成功した例が存在するわけです。

 ところがケチをつけるわけではないのですが、この食事療法を止めてまた小麦などを取ってしまうと残念ながら元通りになってしまうと聞きます。また、小麦・乳製品を生活から排除してしまうと、食べられる食品のレパートリーが減ってしまいQOLが低下してしまいますし、何よりもなぜ脳の機能低下である発達障害と腸の問題であるリーキーガットが併発するのか理解が出来ませんでした。

 しかし、これも発達障害ストレス説を採用すれば説明が付きます。なぜなら、「脳腸相関」「腸は第二の脳」という言葉があるように、腸というのは非常にストレスに弱くダメージを受けやすい器官であるからです。先天的なストレスにより既にボロボロになっている腸に、グルテンなどのダメ押しが来ればそれはもう大惨事と思います。

 ・発達障害者は疲れやすい
 大量のトラウマ・ストレスが先天的に溜まっているのだから当然のことですね。

 ・発達障害者は得意・不得意の差が激しい(凹凸が激しい)
 正直なところ私が思うに発達障害の凹凸というのは、先に苦手分野(凹)があってから、その代償として得意分野(凸)が与えられたものではないかと考えています。事実発達障害ではないが、生まれながらに目が見えない人というのは、視覚の代わりに聴覚を以上に発達させて、耳が物凄く良いことが多いです。これは、失った視覚の代償として聴覚を物凄く発達させたという一種の凹凸であるわけです。
 つまり先天的なストレスにより脳がダメージを受け、それにより機能低下・不得意領域が生まれます。そして、その機能低下を何とかしようと今度は代償として何かを強く発達させることにより凸凹が生まれるのではないだろうかと考えています。

 ・発達障害グレーゾーンの説明が可能となる
 現在の科学では発達障害の原因は遺伝子的なものとされています。しかし何らかの原因遺伝子の存在によって発症するのであれば、障害が発症する・もしくはしないといった白か黒の状態しかないはずで、グレーゾーンの存在の説明がうまくつきません。
 もし、このストレス説を採用するならば先天的ストレスが少ない人は定型発達者、中くらいのストレス保持者なら発達障害グレーゾーン、大量のストレス保持者なら発達障害者という形で、症状にグラデーションのある状態の説明が付くのではないのでしょうか?

 このような背景から、「ではこの先天的な根深いストレスを取り去ることが出来れば誰でも発達障害が治る、もしくは改善するのでは?」と考えたわけです。

 次章からはどのようにしてその「先天的なストレス」を解消したかについて説明しましょう。

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