漠然とした不安に負けない身体の手に入れ方について 【その4 足半(あしなか)のすすめ】
今回は日本人の知恵の結晶である足半(「あしなか」と読みます)についてお伝えしたいと思います。
足半(あしなか)とは - コトバンク)
足半はこんな感じの草履です。
面白い形ですよね。ちょうど草履の後ろ半分を切ったような形をしています。これでは踵が出ちゃうじゃないかという声が聞こえてきそうですが、まさにそれが足半の優れた機能の肝になるところです。
コトバンクにも出ていたように、足半の起源は鎌倉時代まで遡ることができるようです。元々は武士の戦闘機能を高めるための履物として編み出されました。
ちなみに上野の西郷さんの銅像も足半を履いています。
大地をしっかりと掴む感覚が人の直立感を目覚めさせる
足半を履くとこうなります。
当然、踵が出ちゃいますよね(笑) だけど、足の指がしっかりと足半をつかんでいるのが分かると思います。実際に足半を履いてみると歩くたびに足の指が使われるのを実感できると思います。この足の指を使うということが私たちに与える影響は小さくありません。
指と脳の関係
指を使うことで脳に刺激を与えることが出来るということは、いろいろな研究で分かってきています。
指を動かして脳を活性化!? 手と脳の関係とは?
これは手の指に限ったことではありません。足の指も脳を活性化させる重要な役割りを果たしているのです。
子どもの集中力を高めるには、“足の指”を使うのがポイント
しかし、靴が普及して、私たちは足の指をきちんと使うという生活から追放されてしまいました。足の指を使う機会が極端に減ってしまったのです。その上、舗装道路の普及で、でこぼこ道を歩いたり、山道を歩いたりということも日常生活から消えてしまいました。平らでない道を歩くことで、脳が直立を保つため(転ばないようにするため)微細な指令を全身に出し続けることになります。しかも、草鞋で歩くとなれば当然、足の指で大地を掴むようにして歩かなければバランスを保つことができない。
私見ですが、足の指で大地を掴むという感覚は、我々が猿だった時代に培った脳の機能を活性化するのではないかと思っています。猿の足(後ろ足?)は手(前足?)と同じくらい器用に動きます。足の指で木の枝をつかんでぶら下がったり出来るって凄いですよね。その優れたバランス感覚は我々の脳の奥にしっかりと引き継がれているような気がしてなりません。
足首が締まることで丹田の感覚が目覚める
足半を履いていると足首が締まる感覚が出てきます。足首が締まると下腹に力が集まるような感覚が発生してきます。この力感のことを昔の人は丹田と呼んでいました。
丹田という言葉に捉えらえると結構面倒くさいので軽く流しますが、身体の重心のことくらいに理解していただければ良いと思います。
自分の身体の中にしっかりと重心を感じることは自己肯定感の基盤です。自己肯定感が低いと常に漠然とした不安感を持ち続けることになります。人間の場合は直立二足歩行なので、四足歩行の動物と比べて重心を取るのが難しい。しかし、この不安定な直立二足歩行を実現するために重心を取ろうとする働きが四足歩行の動物よりも脳を活性化させてきたのではないかと思います。
重心を取ろうとする刺激が脳を活性化させるのであれば、重心を取ることを困難にすれば、その刺激はさらに増すはずです。ところが、文明はその逆を生み出しました。歩きやすく歩きやすくと道も建物も町も変えていきました。そして靴が足の指の働きまで抑制することになってしまった。
まとめ:脳を活性化し、直立感を醸成する最も簡単な方法かも
足半は漠然とした不安に負けない身体の手に入れ方についてシリーズのテーマである直立感の養成を履くだけで行うことができる超優れものだと思います。
履くだけて足の指を使うことになり、その結果、足首も締まり丹田も意識しやすくなる。その上、姿勢も良くなるとなればこれは履かない手(足?)はないと思います。
僕も今年の2月に師匠に勧められて履き始めたのですが、履き始めてしばらくすると土踏まずに激痛が走るようになり死にかけました。「これって身体に悪いんじゃない?」と真剣に思ったほどです(笑) よほど足裏のアーチが崩れていたのでしょうね… あれから3ヶ月近く経ちますが、今では手放せなく(足放せなく?)なっています。
外で履くのはちょっと難しいと思いますが、室内履きとしては最強の道具だと思います。
何と言っても履くだけというのがいいですよね。
前回と前々回でおお伝えしたスワイショウも足半を履いてやると効果が変わってきますよ。
興味のある方は是非、自分に合った足半を探してみてください。
僕のおすすめの足半をあげておきますね。
それではまた!
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