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甲乙初めてのD

日曜日は私(以下甲)とたかし君(以下乙)との初めてのデート(以下D)だった。

甲と乙は、共通の友人(以下丙)の主催した飲み会で知り合った。元々出会いがない出会いがないと嘆いていた甲の希望を鑑みて丙が開いてくれた会であった。丙のホスピタリティの甲斐もあって甲と乙は打ち解けて仲良くなり、連絡先を交換して他愛のないメッセージをやり取りし合う関係(以下イ)になった。そして満を持してのDであった。

甲はこのDを契機にイから関係を進めて、きちんとした交際関係(以下ロ)になりたいと思っていた。そのために甲は、このDにおいて猫を被るのではなくきちんと素を出すべきだと考えた。乙側からはDについて、映画に行くのはどうかと提案があった。何か見たい映画はあるのかという乙の質問に対して甲は、およそDには相応しくない怪獣映画(以下G)の名前を挙げた。事前のやり取りにおいて、お互いGが好きだという情報があったからである。

甲と乙は渋谷のハチ公前(以下点A)で待ち合わせた。時間通りに到着した甲及び乙は、点Aから映画館(以下点B)まで楽しくおしゃべりをしながら移動した(以下甲乙2人のことを移動する点Pとする)。点Pは点Bに到着するとポップコーンと飲み物を買い、それぞれ座席(F14及びF15)についた。Gはとても面白く、甲乙共に満足だった。点Pは点Bを出ると近くのカフェ(以下点C)に移動し、コーヒー(液体C)とチョコレートケーキ(甘味C)を食べながらGの感想について語り合った。ロになるとすると、お互いの価値観のすり合わせが大事だと甲は考えていた。甲も乙も液体Cには砂糖を入れないという共通点(以下共通点A)があり、甲は共通点Aを密かに喜んだ。点Cにおける会話の流れで、お互いに血液型はO型であること(共通点B)、年の離れた妹がいること(共通点C)なども発覚した。共通点ABCから、甲は乙に対して改めて好意(感情L)を抱き、出来ればロになりたいという思いをより強めた。

点Cを出て、点Pは渋谷の街をなんとなく駅に向かって移動した。このままでは駅に着いて解散になってしまう(点Pの消失)。甲はまだこのDを楽しみたい気持ちがあった。しかしそこで転機は訪れた。乙は点Aと点Bを結ぶ直線の中点辺りの街なかで突然立ち止まると、甲に対して感情Lを告げ、ロを申し込んだのだ。甲も乙に対しての感情Lを伝えると、当然この申し出を受け入れた。甲乙は以下イからロとなった。

その後点Pが移動した点H及びそこで行われた行為Xについては、解説するのが野暮というものだろう。ロとなった点Pがこれからどこにたどり着くのか、どうかあたたかい目(目A)で見守っていただきたい。

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