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オリンピックの思い出

僕がサッカーに興味を持つようになったのは、実は2000年のシドニーオリンピックがきっかけである。○○年のワールドカップがきっかけで…とか、僕らの世代だとJリーグの開幕から…という人は割といるが、オリンピックきっかけというのはかなり珍しい方だと思う。

シドニー五輪日本代表は、中田英寿や中村俊輔、稲本潤一らのいわゆる黄金世代が中心となっていて、大会前からかなり期待をされていたいいチームだった。予選リーグを突破して決勝トーナメントに進むなどの結果も出し、当然ながら大会中もかなり話題になっていたのだと思う。しかし当時全くサッカーに興味がなかった僕は、その試合をひとつも観ていない。僕が観たのはオリンピックが全て終わったあとの、ダイジェストで大会を振り返る番組だった。そこで、日本代表の活躍とは別に短い映像と共に紹介されていたのが、オーバーエイジとしてチリ代表に参加し、6ゴールを挙げて大会得点王になってチリの銅メダル獲得に貢献したイヴァン・サモラーノ選手であった。

サモラーノ選手は、レアル・マドリードやインテルなどで活躍したフォワードである。番組で紹介されていたのか、番組で興味を持って自分で調べて知ったのかは忘れてしまったが、とにかく規格外に面白く、興味深い選手であった。レアル・マドリードではリーグ得点王に輝いたこともあり、圧倒的な実力とカリスマ性を備え、長くチリ代表の躍進の象徴となっていた国民的な英雄であった。身長179センチとサッカー選手としては小柄ながらヘディングの名手で、滞空時間の長いジャンプから『ヘリコプター』という異名も持っており、同じ時期に代表で活躍していたサラス選手との2トップは『Sa・Zaコンビ』と呼ばれ恐れられていた。フォワードとして『9番』という背番号を付けることにこだわりを持っており、インテル在籍時に加入してきたブラジル代表のロナウド選手に9番を譲って欲しいと言われた時にも難色を示し、最終的に18番を背負い、その1と8の間にテーピングでちっちゃく『+』を貼って、『1+8』つまり9番としてプレイしていた…。

サッカーなんかに興味もなく、テレビでやっている日本代表の試合をたまに見るくらいだった僕にとって、サモラーノ選手は衝撃だった。すごい!海外にはこんな面白い選手がいるのか!そこから少しずつ海外サッカーに興味を持つようになり、サモラーノ選手が所属していたイタリアのインテルというチームのファンになり、サカつくやウイニングイレブンなどのサッカーゲームもやるようになり、ゲームセンターでWCCFというゲームにハマり倒し、そして現在に至る…というわけである。

ただでさえこんなご時世な上にいろいろとゴタゴタしたせいで、せっかくの日本開催なのに無邪気に楽しむわけにもいかないような変な感じになっているオリンピックですけど、せめて純粋にスポーツに興味を持ついいきっかけになるといいですね。

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