見出し画像

少額予算・少人数のオウンドメディア運営術|成果を出すための7STEP

みなさんこんにちは
Webマーケティングディレクターのリュウジ(@ryuji_writer)と申します。

現在フリーで複数のオウンドメディア運営に携わらせていただいています。私にいただく相談の多くがオウンドメディアの立ち上げなのですが

  • 予算はあまり多くない

  • 人的リソースも私とライター1名+クライアント

というなんとも立ち上げっぽい状況。必然的に私の業務範囲は広くなるのですが、何でもやってしまうと手が足りません。
そこで私が目指したのが「少額予算・少人数でも運営可能で、かつ継続的にCVを発生させるサイト」です。
というより使えるリソースも少ないので、これしか目指せなかったというのが正直なところでしょうか。

今回は私が関わらせていただいているサイトの中から、『iOSアカデミア』さんというiOSエンジニアを目指す人向けのプログラミングスクールの事例を紹介します。
私が運営に携わったのが2021年8月からで、当時は検索流入が200PVほど。しかし半年後の2022年1月には、検索流入は2,000PVほどですが、検索経由のCV(CVポイントは無料相談)を6件発生させました。

Webマーケティングに携わる方の中には、日々リソース不足の中戦っている方がたくさんいるはず。そんな方にお役に立てればと思い、これまでの取り組みを紹介していきます。

読んでくださった方の参考になれば嬉しいです!

1.全体戦略の策定・すり合わせ

まずはクライアントと共に全体戦略を策定して、すり合わせをおこないます。そもそもリソースが少ないので、やるべきことは絞らなければならず、それをクライアントにも理解してもらう必要があります。

今回決めた戦略は以下の通り

  • KPIとするのはCV

  • PVは参考程度で濃いユーザーを集める

  • 記事のクオリティで勝負する

個人的に大切だと思っているのはKPIをしっかり決めて、クライアントとすり合わせておくこと。ここがずれていると「PVが増えていないけど大丈夫ですか?」と聞かれ、不信感が募ってしまいます。

2.ペルソナの明確化

続いておこなったのがペルソナの明確化。戦略上CV率を高めなければならないので、ペルソナの解像度は高めておく必要があります。

今回は広告経由で何件か無料面談をしていたので、その中からペルソナにふさわしい人をクライアントに選んでもらいました。ペルソナは実際に話した人の方が、解像度が高くなるのでおすすめです。

そしてそのペルソナの顔写真・生活状況・ニーズなどをテキストでまとめてもらい、私とライターさんに共有。ディレクターの私だけでなくライターにも情報共有することで、ペルソナのずれをなくしていきます。

そしてこの記事を書いている最中に思ったんですが、はじめのうちに面談に同席させてもらえばよかったですね。実際に問い合わせした人を目にすることで、ペルソナの解像度がより高まります。

3.マイクロCVポイントの設定

こちらは広告運用担当者から提案があった施策です。はじめのうちは無料相談をCVポイントとしていたのですが、いきなり無料相談はハードルが高いのではないかという仮説がでてきます。

そこで無料相談の手前にマイクロCVとして、LINE登録を設置。LINE登録をしてくれた方には、iOSエンジニアに関する資料をプレゼントしました。LINE登録後は自動でステップメールが届くようにして、無料相談に誘導しています。

実際やってみた感想としては、toC向けサービスでのLINEは強いなということ。先月は4件ホワイトペーパー・LINEからCVにつながっているので、かなり効果のあった施策だったなと思います。

4.SEO対策の基本見直し

さて事前準備がだいぶ長くなりましたが、いよいよメディア運営に入ります。まずSEO対策の基本を見直します

  • ドメインのWhois情報開示

  • Googleビジネスプロフィールへの登録

  • 構造化マークアップ導入

  • title・h1タグ見直し

  • altタグ見直し

  • Webp導入

  • 低品質コンテンツの削除

  • サーチコンソールで表示されたエラーの解消

このあたりは比較的取り組みやすいですが、できていない会社も多いです。基本がしっかりしないと、その後どんなにいいコンテンツを作っても効果が薄くなってしまいます。まずは基本をしっかり見直してから、コンテンツ作りに取り組みましょう。

5.ロングテールKWの抽出

続いてはキーワード(KW)選定。いきなり検索ボリュームの大きなKWは無謀ですので、ロングテールKWを抽出します。

  1. 軸となるKWを決める

  2. ラッコキーワード・キーワードプランナーを使ってロングテールKWを抽出

  3. CV率が高そうKWから記事を執筆する

今回軸となるKWとして選んだのは「iOSエンジニア」。軸キーワードですら月間検索ボリュームは500、さらにここからキーワードを絞ると50~100くらいになります。

一見効率悪そうなんですが、この50~100人ってめちゃくちゃ感度の高いお客さんなんですよね。なので月100人記事にアクセスしてくれて、CV率を1%にすれば毎月1件のCVが発生することになります。

少ない予算と人数であれば、このくらい絞って始めるのがいいんじゃないでしょうか。

6.クライアントと協力してコンテンツを作る

さていよいよコンテンツ作りです。ロングテールKWを狙う方針なのは間違いないですが、最近では大手メディアもロングテールKWまで網羅しようとコンテンツ作りに励んでいます。実際iOSアカデミアでも、レバテックや侍エンジニアあたりとガッツリ競合します。

そんな中大手メディアより少しいいコンテンツを作ったとしても、ドメインパワーで負けて上位表示されません。ではどうすればいいのか。私の考えた結論は、大手メディアよりめちゃくちゃいいコンテンツを作ること。シンプルですが、これに尽きるなと思いました。

じゃあ大手メディアよりめちゃくちゃいいコンテンツって何なのか、試行錯誤の結果考えたのが「専門家の意見がダイレクトに反映されたコンテンツ」です。まず一般的なコンテンツ作りの方法は、以下のとおり。

  1. ディレクターが構成案を作る

  2. ライターが執筆する

  3. 専門家が監修する

これが一般的なコンテンツ作りですが、これだと専門家の意見をガッツリ反映するのは難しいなと思っています。そこで私たちは

  1. ディレクター&専門家(クライアント)で構成案を作る

  2. ライターが執筆する

という流れを採用しました。具体的にはディレクターの私が構成案の骨組みだけを作り、具体的な中身は専門家にインタビューして語ってもらいます。大体1記事あたり30分ほどでしょうか。そしてそのインタビュー内容は録画しておき、構成案と共にライターに共有しています。

幸いなことにiOSアカデミアは代表が現役エンジニアなので、最新の流行や現場の苦労も理解してくれています。そうして現場の声を反映した濃いコンテンツができあがります。実際これをやってみると、予想以上のメリットがありました。

  • 検索順位が上がりやすい

  • CV率が上がる

  • 記事が書きやすくなる

  • クライアントとのコミュニケーション頻度が上がるのでズレがなくなる

ディレクター・ライターはコンテンツ作りのスペシャルですが、よりよいコンテンツを作るためにはクライアントの協力は必要不可欠です。リソースがない中でも勝っていくためには、クライアント共創メディアを作っていくべきというのが私の考えです。

7.リライトしてCV最適化

コンテンツ作りの体制が整ってきたら、リライトをしていきます。

検索順位を上げたいコンテンツのリライト

  • タイトルの修正

  • 文字装飾

  • 情報の追加

  • オリジナル画像の追加

CV率を上げたいコンテンツのリライト

  • リード文の修正

  • CV周りの修正

元々検索ボリュームが少ないコンテンツを作っているので、まずは検索順位を上げる。そのうえでCV率を上げて、CV数を増やしていきます。

大手メディアはロングテールKWのリライトまでなかなか手が回らないので、リライトをいかにコツコツやるかが勝負です。小規模サイトのSEOディレクターを担当するのであれば、こうした地味な作業をひたすら繰り返すことが必要ではないでしょうか。

まとめ

ここまでお読みいただき本当にありがとうございます。「予算や人は少ないけど、メディア運用頑張りたい!」そんな方にとって、何かのヒントになれば幸いです。

このnoteを読んでよかったと思ったら、noteのスキで教えてくれると今後の励みになります。また私のTwitterでも情報発信をしていますので、こちらもフォローしていただけると嬉しいです。お仕事の発注もTwitter経由で承っていますので、興味のある方はぜひご相談ください。

そして最後になりましたが、この記事の公開を許可してくれたiOSアカデミア代表のヤマタクさん。本当にありがとうございます。ヤマタクさんはめちゃくちゃいい人で、iOSエンジニアとしての腕も一流です。「iOSエンジニアを目指したい」「スマホアプリを作りたい」という方は、ぜひ一度相談してみてください!

最後までお読みいただきありがとうございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?