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実践!教室で『人を動かす』

ついに続きを書けそうです。最近は本当に多くの方にnoteを見ていただいているようで、とっても嬉しいです。ICT推進担当をしているのですが、名のある先生からもフォローいただくなど、心が躍る瞬間もありました。

さて、第2回にして最終回を迎える『人を動かす』シリーズ。第一弾はこちらです。いつも拙い投稿にお付き合いいただき、ありがとうございます。

では、参りましょう!

1 復習

カーネギーが挙げていた3原則は、

  1. 盗人にも五部の理を認める(批判も非難もしない。苦情も言わない。)

  2. 重要感をもたせる

  3. 人の立場に身を置く

でしたね。当たり前なことですが、意外とできていないのではないでしょうか?(自分も含む)

今回の投稿では、教室でどう活用するかについて考えます。

2 実践!盗人にも五部の理を認める

これは簡単にいうと、「批判も非難もしない。苦情も言わない。」ということです。でも、教室にいるとイライラしてくることもあります。子どもだけでなく、誰かといると考えが合わなかったり、思うように事が進まない状況にストレスを抱えることもあります。

アンガーマネジメントについては、よく知られていますね。人間の怒りは6秒間をもって、沈静化していきます。でも、徹底させたいこともありますよね。整理整頓、椅子をしまう、教科書を並べる、時間を守る、きれいに2列に並ぶ、静かにするなど。(なお、ここでは徹底させることの是非を議論しません。)
相手にイライラしてしまうと、何か言いたくなります。そこで以下の公式で考えてみます。


不満を言いたくなる気持ち=「べき思考」の数×理想と現実のギャップ差


先ほど徹底させたいことにあげた項目は、いかがでしょうか?
もしこれらが「べき思考」で捉えているとしたら、不満を言いたくなりますよね。なぜなら、それが正しいと思っているからです。
「べき思考」は、自らを律するのに役立ちますが、他人を律するのには役立ちません。大事にしたい価値観は人それぞれ。「べき思考」を押し付けても、対立するだけです。大人同士でも、子ども同士でも。悲劇は教師と子どもでも・・・(この点は最後に記載します。)

では、どのように捉えるのがいいのでしょうか?これはあくまで考察なので、唯一解ではないことはご理解ください。

私が提唱するのは、「いちご思考」です。最近、妻がいちごを育てている姿から命名しました笑
日の当たるベランダにこっそり実を結んだいちごを想像してみてください。ここまでくるのに、妻は

  • 植える

  • 肥料を使用する

  • 水を与える

  • 気温

  • 日光

という環境面を整えるとともに、

  • 間引き(ランナーというものを取るらしいです)

  • 日々のお世話

  • 長い時間

  • なかなか花が咲かない葛藤

  • なぜか腐ってしまういちごを悲しげに収穫する

という経験をしてきました。初挑戦ということもあり、なかなかうまくいかない状態でした。ですが、記念すべき花が咲いた喜び、ルンルンで綿棒で受粉をする顔つき、そして収穫して初めて食べるいちごにほっぺたが落ちそうになったときは、何者にも変え難いものがありました。初めてお世話した日から、焦る気持ちを抑えながら、粘り強く世話をし続けた結果かと思います。

さて、「人を動かす」に話を戻します。
このいちごを育てる経緯をうまく使えるのではないでしょうか。つまり、以下のように捉えます。


  1. 種を植える(語る・伝える)

  2. 我慢強く見守る(小さなことでも褒める・励ます・諭す)

  3. 花が咲く(達成した瞬間を喜ぶ)

  4. 実を結ぶ(成長を実感)


これを「いちご思考」と呼ぶことにします。これなら、何か不満を言いたくなっても

  • まだ、知らないだけなのかもしれない。一つ方法を教えよう。

  • 少しできてきた点もある。これはお母さんに喜びの一筆箋でも渡してみようか!

というように余裕をもって、子どもの指導に当たることができます。ちなみにこの「いちご思考」は、大人対象でも有効です。もちろん子どもよりは時間がかかったり、明確に反抗したりされることもありますが、これにより所属校のICT活用が一気に高まりました。(詳細はそのうち機会があれば)

もちろん、命に関わることや人を大事にしない言動については、一刻の猶予もなく、厳しく指導するべきです。ただ、大事に至らない点で、不満ばかり言う大人をどう思うでしょうか。大人でも自分にガミガミ言う人のことは、好きになるはずがありません。どうしても、避けたくなる傾向になりますよね。このことは、心理学的な知見からも明らかです。

ですので、「盗人にも五分の理を認める」ためにも、「いちご思考」は有効です。

3 実践!重要感をもたせる

実はここでも「いちご思考」なのです。
よく妻は、いちごに話しかけています。
「きれいに育つんだよ。」
「おはよう。」
「だいぶ大きくなったね。」
「君たちの名前はいーくん、ちーちゃん、ごー様、若王子ね。」
大きく実ったいちごを楽しみに、こんなことを言っています。
それを後ろで見ているにこにこした夫の様子を想像していただければお分かりだと思いますが、奇妙ですよね。でも、これを子ども相手に置き換えてみましょう。

「きれいに育つんだよ。」→期待を込める
「おはよう。」→あいさつも含め、何気ない言葉をかける
「だいぶ大きくなったね」→成長を認める
「君たちの・・・」→名前を大切にする

尊敬する上司や先輩を想像してください。もしかしたら、上記の4つを無意識的にコミュニケーションの中に取り入れている可能性があります。
「あなたを見ているよ」「見守っているからね」は、きっと相手に安心感を与えるフレーズだと思います。相手を重要な存在と認めるところから、すべてはスタートします。

4 実践!人の立場に身を置く

ここでも「いちご思考」です。では、想像してください。


もしあなたが、いちごの種なら?
もしあなたが、いちごの芽なら?
もしあなたが、いちごを支える根っこなら?
そして、花や実なら?

どのようにしてもらったら、嬉しいですか?


私は食べるのが好きなので、たっぷりの肥料と水があると喜びます。明るい陽射しのあるベランダに置いてもらえたら、さらに喜びます。たまに、間引きをしてもらえたら、より大きく育ちますよ!

こんな感じで考えてみました。
さて、カーネギーの紹介した例を一つ紹介しますね。

夏になると、私はメーン州へ魚釣りにいく。ところで、私はイチゴミルクが大好物だが、魚は、どういうわけかミミズが好物だ。だから魚釣りをする場合、自分の好物のことは考えず、魚の好物のことを考える。イチゴミルクを餌に使わず、ミミズを針につけて魚の前に差し出し、「一つ、いかが」とやる。

デール・カーネギー『人を動かす』

つまりは、相手の求めるものを把握することです。児童理解につながる節になります。

・好きな食べ物
・興味のあること
・将来の夢
・ご褒美

他にもありますよね。
ここまでは物についてですが、無形の方が持続しやすいです。有形だと、それがなくなった瞬間に、やらなくなる可能性が高いです。

今、子どもたちが求めているものは多種多様です。Society5.0の世の中に変わりつつある中で、子どもたちの生活はこれまで以上に豊かで、サービスとコンテンツであふれるようになります。同時にこれらには、ある一定の評価が下されます。

例えば、Youtubeの動画を考えます。
・面白いか面白くないか
・また見たいか見たくないか
・Goodボタンとチャンネル登録者数
・コメント欄

これらの基準で子どもたちでも簡単に世の中のことを評価できてしまう世の中になってきます。時にはSNSの利用で「誹謗中傷」という形で価値の押し付けが起こっている現実があります。

だからこそ、子どもの求めていることをきめ細やかに把握することが先決です。そのヒントは「未来へ思いを寄せる声かけ」だと考えています。
・将来の夢は何か
・10年後の自分はどうなりたいか
・どのような姿で卒業したいか
・単元で目指すゴールは何か

有形なものではなく、無形なものに価値が置けるような指導をする教員を目指したいなと思います。

5 最後に

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
「人を動かす」に限らず、自己啓発やビジネスのジャンルは、学校の先生に多くの気づきをもたらしてくれます。以前にスターバックスについての投稿をしましたが、他にもANAやTOYOTA、SONYなどについても学んできました。どこかで紹介したいと思います。


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