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映画「えんとつ町のプペル」が、観る前からもう面白い理由


今回は、12月25日公開の 映画「えんとつ町のプペル」について語ってみようと思います。

私自身、制作者の西野亮廣の考えやポリシーには共感するところが多く、これからのエンタメ業界を間違いなく背負っていく人だと思っています。


さて、今回はタイトルにもなっていますが、言いたいことは

"観る前からもう面白い"です。

理由について、まずは2つの角度から説明していきます。


1.フロントエンド(映画の内容)の面白さ

まず前提として、えんとつ町のプペルの絵本は無料公開されており、ある程度の内容はすべて(あえて)ネタバレされています

これは西野氏の理にかなった作戦でした。

本人もよく言っていることですが、簡潔に説明するとこうなります。

絵本を買うお母さん方は、とにかく忙しいしお金も無駄に使えない。その中で知らない作品に手を伸ばすギャンブルよりは、「もう知っている」絵本を買ってお子さんに読み聞かせる。そのためにあらかじめ内容を明かした。

その上で話を戻しますが、"映画"って、

「なになに、何が始まるの」という楽しみ方には、期待の裏側で実は一定の不安もありますよね。「この作品大丈夫かな…」という不安。

しかし、あらかじめ(お金を払わなくても)ストーリーを把握できることで

一定の安心感が得られるわけです。絵本と同じ効果がここでも見込めます。

「そうそうこれこれ!」というやつです。

お子様とも安心して観ていられる。


例えばハリー・ポッターなど、原作小説が映画化しているパターンはいくつもありましたよね。あれは、原作を読んだ人特有の面白さはもちろんあったと思いますが、そのためのハードルとしてはまずお金を払って買うことが必要でした。また、原作を読んだ人というよりも、あくまで知らない人に向けたエンタメだったと思います。(各監督がどう考えていたかは不明なので推測ですが)


プペルは、最初から無料公開しているため、おおよその内容は認知されてても良い想定のもと作られています。なので上記の例と少し違うんです。

言い方を変えますと、

最初からお客さんにストーリーを把握されている中で制作しているわけですから、「わかってても楽しめる工夫」に労力を注がないわけがないんです。


そして肝心のストーリーといえば、

「皆がいつかは捨てるような夢(つまりゴミ)を捨てずに持ち続ける人がいる」

「夢追い人はゴミ人間である」

「そんなゴミ人間が夢を捨てずに輝こうとすれば攻撃されてしまう」

なんという現代のネット社会の縮図でしょうか。


つまりは

「夢を追う人間の苦悩と、信じる心を描いた物語」

です。

おそらくほとんどの人に刺さる。誰にでもあるコンプレックス。

面白くないわけがありません!



2.バックボーン(西野亮廣)の面白さ

西野氏がこれまでやってきたこと、そして受けてきた批評や優しくない声。

本人もよく語っていますが、

・芸人なのに絵本をひたすら描き続け、先輩等あらゆる人から嫌味を言われた

・芸人なのにひな壇に出ず、一部の芸人達からは冷たい目で見られた

・クラウドファンディングを行い、よく理解していない世間からバッシングを受けた

・オンラインサロンを作り、これもまた理解の追いつかない人たちからは「宗教」「搾取」などという言葉を浴びせられた


そんな中、何年もの間、ひたすらにペンを取り続け、新しいことにチャレンジしてきたのが"西野亮廣"でした。


本人は今でこそ笑い話にしていますし、「今まで批判してきた人に仕返しなどする気はまったくない」と言っていますが、どんなに明るくポジティブな人間であろうと、割り切ろうと、叩かれて血が出ないわけがありません。

流れる血をポタポタと落としながら、決して止まらず歩き続けた彼自身の長年のヒストリー。

彼の後ろに道しるべのように落ちている点々とした血と、同時に流してきた汗の跡をみたとき、応援したくなる人は多いのではないでしょうか。


"結果"だけを見せて評価される時代がどうやら終わりに近づき、"過程"を見せて応援される時代がやって来ました。

ネット社会は情報過多、さらにどの商品(サービス)も一定のクオリティはクリアされている時代。※大体どの店で食べても安くて美味い

これは良いことではあるものの、その中でどの商品(サービス)を選択するか、人は迷います。

そんな中貴重とされるのは、"ストーリーを持つ人間"です。

「この人を応援したい」「どうせお金を払うならこの人に与えたい」


西野氏自身も、何か買ったりお店に行く時はサロンメンバーのお店に行きますし、オンラインサロンの力を使って被災地を支援したり、あらゆる面白いことに気軽に投資したりと、数々の人間を応援してきました。


今回の映画は、そんな彼が唯一「みなさん、お願いします。力を貸してください」と声を挙げている全力の試みなのです。


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以上のように2つの観点から面白い理由を説明しました。

1.フロントエンド(映画の内容)の面白さ

2.バックボーン(西野亮廣)の面白さ

ここで私が、今回の映画における面白さについて付け足したいのはこれです。


3.映画の内容と西野氏がリンクしている面白さ

おそらく映画館で我々が映画を観る時、映画自体の物語にまず感動していきます。

ただそれだけではなく、西野氏の今までの活動、苦悩を想像し、それが映画の物語にも投影されて映ることでしょう。


冒頭で申し上げた、

「夢を追う人間の苦悩と、信じる心を描いた物語」

これはプペルと西野亮廣、両方の物語なのです。


ここまで"制作者の顔が浮かぶ映画"は珍しいでしょう。

どこまで彼の狙いだったかはわかりませんが、今までの数々の活動は、すべて映画の内容とリンクしていくはずです。


映画「えんとつ町のプペル」12月25日公開。

観る前からもう面白いです!

観たらもっと面白いでしょう!


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