coda あいのうた(アメリカ、カナダ、フランス)観ました。

アカデミー賞を取った作品なので、有名ですよね。

ただ、偏見が強い私は、勝手に聴覚障碍者の大変さを前面に出して同情を誘う映画かなと思い込んでおり、これまで観ていなかったのですが、私の偏見を後悔する、よくできた良い映画でした。

テーマは、聴覚障害の家族(とヤングケアラーの娘)、音楽(教育)、10代の恋愛、サブでは漁業。

聴覚障害について知識の乏しい私には、耳が聞こえないことによる情報の制約について分かっていませんでしたが、主人公の発表会のシーンの巧みな構成によって、耳が聞こえないということを多少なりとも想像ができました。

また、その後に、父親が娘にもう一度歌ってくれと頼むシーンは、なるほどそういうことなんだ、喉の振動に感じるんだという驚きでした。

聴覚障害のある家族だからこそ、漁業をやるにも、魚を売るのにも苦労しているという描写も、考えさせられました。

主人公が音楽大学を目指すのを指導する音楽教師も良かったですね。犬の鳴き声を真似させて発声方法を教えるとか、歌で伝えたいものがあるのか、真実の姿をさらけ出させるとか。
音楽教師ものといえば、セッション(英語タイトルは、Wiplashでしたっけ?)という映画は鬼気迫るものがありましたが、この映画はそこまではいかない優しい先生でした。オーディションでわざと伴奏を間違えたりして。

この映画の良いところは、音楽映画でもあるということですね。ジョニ・ミッチェルの歌は、いくつか聴いたことはあったもののピント来ていませんでしたが、字幕で見ると歌詞が詩のようで素敵という魅力が分かりました。

主人公をしばりつけようとする母親も、勝手だよなぁと思うけど、実は、色々な思いがあるんだなぁ、と後に分かってきたりしますね。
私にはそういう家への責任のようなものはありませんでしたが、実家をつがないといけないとか、高齢だったり障害があったりする両親の面倒を見ないといけないとかの状況にある人は、世の中に沢山いるんだよなぁ。

さすがアカデミー受賞作という納得の映画でした。
★は4つです!

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