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自然が創り出すくすり

医薬品は、私たちの生活にとって欠かせないものですが、その医薬品の元は何でしょうか?医薬品開発に携わる研究者は何をヒントに医薬品を創り出してきたのでしょうか?

実は、私たち人類は植物や微生物が作り出す「天然物」をヒントに、医薬品を創り出してきました。

例えば、アスピリンという医薬品があります。痛み止めとしてとても有名なことに加え、その化学構造はとても簡単なので、化学を学ぶ高校生の中にも自ら合成したことがある方もいるかもしれません。このアスピリンは人類が100年ほど前に、化学合成で一番最初に創り出した医薬品です。でもこのアスピリンも、植物が作り出すサリシンという「天然物」をヒントに創り出されました。サリシンはヤナギの仲間の樹皮や葉に含まれる成分で、古くから痛み止めとして使われてきました。虫歯が痛む時は、ヤナギを原料にした楊枝を使ったこともあるそうです。

コレステロールを下げる薬だったり、咳を止める薬だったり、私たちの生活に身近な医薬品も「天然物」をヒントに創り出されてきました。

今、私たちは新型コロナに苦しめられていますが、このコロナウイルスに効果のある医薬品も、天然物をヒントに創り出される日が来るかもしれません。

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城西大学薬学部薬科学科で教員をしています。専門分野は天然物化学、生薬学です。漢方薬の原料となっている「生薬」の中に含まれる有効成分を解明したり、「生薬」の品質を評価する新しい方法を開発したり、機能性食品(トクホなど)の原料の有効成分(関与成分)を明らかにしています。