RyuNishioka_西岡龍一朗

医学生。病と人をテーマに色々書いています。 https://medipathy.one/ Medipathyという活動をしています。目的は病が生きる力になるような時間や場所をつくることです。

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  • 患者さんの話を聴き・語り合い・笑あった記録

    患者さんの話を聴き・語り合い・笑あった記録をまとめています。 https://medipathy.one/

最近の記事

【短編小説】医学生になったあなたへ。がん患者からのエール

合格おめでとうございます。 受験勉強、お疲れ様でした。 そして勉強が忙しいにもかかわらず、あの時、私の話を聞いてくれてありがとう。 医学生になって1ヶ月だけど、勉強大変かな? 微力で申し訳ないですが、合格のお祝いの代わりに手紙を書いてきました。 私はがんという病気を持っています。 いわゆるがん患者です。 でも、がんは私の一部にしか過ぎません。 幸いにも、私はがんという病気になったことで、素晴らしい人たちとめぐり逢えお友達になりました。 お医者さん、看護師さん、薬剤師さ

    • 【続】なぜ、医学生は学年が進むと総診の志望度が下がるのか

      ツッコミ「どうもーどうもー 富山大学医学部6年の西岡ですー」 ボケ&ツッコミ「お願いしますー ありがとうございますー」 ツッコミ「おー ありがとうございますー 先日のnoteに対して先生方から暖かい“査読”を、医学生から共感の声をたくさんいただきましたー」 https://note.com/ryu_nishioka/n/nbd32c0263969 ボケ「ありがとうございますー」 ツッコミ「ありがたいですね〜。」 ボケ「SOAPでいうと、前回のnoteはSubjec

      • なぜ、医学生は学年が進むと総診の志望度が下がるのか

        ※追記 このnoteは別に総診をネガキャンしているわけではありません。 目的は「大病院での座学〜実習を通してなぜ僕の総診の志望度が下がったのか」の内省です。 背景多くの医学生は入学時、 総合〇〇に興味があります! 将来は総合〇〇医になりたいです! 総合〇〇医として、地域医療に貢献したいです! と目をキラキラさせながら言っている。 しかし、学年が進めば進むほど、臨床の現場に出れば出るほど、彼らの目から輝きが失われる。そしていつしか、彼らの口からは総合〇〇医になり

        • 短編小説「医学部学士編入の焦燥」

          医学部に学士編入をして5年。医師国家試験まであと1年となった。 病院実習も順調。 しかし最近、経験したことのない焦りを感じはじめた。 勉強は問題ない。 むしろ今国家試験を受験しても合格できる自信はある。 不思議だがこれまでの人生で、これほどの焦燥感を抱いたことはなかった。 小学校から大学まで 昔から頭は良かった。 小学校、特に何もしていなくてもテストはいつも満点だった。 中学校は地元の公立中学へ進んだ。通知表はオール5。 高校受験の時、担任から県下No1

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        • 患者さんの話を聴き・語り合い・笑あった記録
          14本

        記事

          短編小説「夕刊」

          Z新聞社の整理部・部長の梶原は深いため息をついて席を立った。 月に一度の役員会議に向かうためである。 今日の議題、「夕刊の廃止」を考えると会議室までの足取りは重く感じた。 梶原にとって夕刊はずっと縁があるものだった。 梶原は1969年(昭和44年)2月25日に生まれた。 就職試験では当時、人気企業であったZ新聞社を受けた。 その際、面接官から「君は夕刊の日に生まれているんだね。」と言われてた。どうやら自分の誕生日に初めて夕刊が発行されたらしく、世間ではその日を夕刊の日

          【第48回】 雨の坂 脳腫瘍で娘を亡くされた父親

          Medipathyという活動の振り返りです。 活動報告というより、僕が思ったことを本や映画などを踏まえて考察を深めています。ちなみに掲載順はバラバラです。 Medipathyとは主に、医学生が昨今の教育ではあまり機会のない、患者さんのお話を深聴き、語り合い、そして笑い合うをテーマに月に一度のペースで開催しています。 参加ご希望の方は、こちらのリンクのお問い合わせからどうぞー。 今回は脳腫瘍で娘さんを亡くされた父をテーマに書きました。 雨の坂タイトルの「雨の坂」は司馬遼太郎

          【第48回】 雨の坂 脳腫瘍で娘を亡くされた父親

          【第42回】 愛情とは、関係を絶やさぬこと 小児白血病で娘を亡くした母親

          Medipathyという活動の振り返りです。 活動報告というより、僕が思ったことを本や映画などを踏まえて考察を深めています。ちなみに掲載順はバラバラです。 Medipathyとは主に、医学生が昨今の教育ではあまり機会のない、患者さんのお話を深聴き、語り合い、そして笑い合うをテーマに月に一度のペースで開催しています。 参加ご希望の方は、こちらのリンクのお問い合わせからどうぞー。 今回は小児がんで娘さんを亡くされたお母さんをテーマに書きました。 飛騨高山で行った第42回愛情と

          【第42回】 愛情とは、関係を絶やさぬこと 小児白血病で娘を亡くした母親

          学会で「“教養”を減らし、休みを増やして」といった話

          第55回、医学教育学会@長崎に行ってきました。 いちシンポジストとして僕の活動を発表してきたのですが、メインはシンポジウムの立ち上げからチーム構築とマネジメントといった感じでした。 まだ雪が積もる頃から企画を考え、春の訪れとともにシンポジストに声をかけ、夏の日差しが出てくるとみんなで締め切りに追われながらなんとか形になりました。 シンポジストおよび座長の皆さんは、各々活動を続ける実行力・思考力があり、「ちゃんと講義受けてんのか?」と疑いたくなるレベルでレスが早く、そして何よ

          学会で「“教養”を減らし、休みを増やして」といった話

          【第35回】その日のまえに 脊髄小脳変性症

          Medipathyという活動の振り返りです。 活動報告というより、僕が思ったことを本や映画などを踏まえて考察を深めています。ちなみに掲載順はバラバラです。 Medipathyとは主に、医療系学生が昨今の教育ではあまり機会のない、患者さんのお話を深聴き、語り合い、そして笑い合うをテーマに月に一度のペースで開催しています。 参加ご希望の方は、こちらのリンクのお問い合わせからどうぞー。 今回の疾患は脊髄症の変性症です。 患者さんではなく、ご家族の立場から見える病気を小説風に書いて

          【第35回】その日のまえに 脊髄小脳変性症

          【第40回】急げ、西の空が暗くなるまえに。 肺腺がんstage4

          Medipathyという活動の振り返りです。 活動報告というより、僕が思ったことを本や映画などを踏まえて考察を深めています。ちなみに掲載順はバラバラです笑 Medipathyとは主に、医療系学生が昨今の教育ではあまり機会のない、患者さんのお話を深聴き、語り合い、そして笑い合うをテーマに月に一度のペースで開催しています。 参加ご希望の方は、こちらのリンクのお問い合わせからどうぞー。 急げ、西の空が暗くなるまえに表題はダンテの『神曲・煉獄編』を参考にしました。 文字だけ読むと

          【第40回】急げ、西の空が暗くなるまえに。 肺腺がんstage4

          思い出はいつもキレイだけど それだけじゃお腹がすくわ

          Medipathyを初めて4年目になりました。 のんびり、楽しく、色々考えながらやってきましたが、 6/8現在で、お話いただいた方は合計50名、聴き手は400名くらい(たぶん)になりました。 お話いただいた患者さん、参加していただいた方、相談にのっていただいた方々に感謝です! せっかくの機会なので、これまで振り返りと今後についてを整理しようと思いました。テーマは以下の3つです。 3年の簡単な振り返り 語りえぬものへの沈黙と考察 経済なき道徳は寝言 簡単な振り返り1

          思い出はいつもキレイだけど それだけじゃお腹がすくわ

          【第36~39回】医師が処方できない薬

          Medipathyという活動の振り返りです。 活動報告というより、僕が思ったことを考察を深めています。ちなみに掲載順はバラバラです笑 Medipathyとは主に、医療系学生が昨今の教育ではあまり機会のない、患者さんのお話を深聴き、語り合い、そして笑い合うをテーマに月に一度のペースで開催しています。 参加ご希望の方は、こちらのリンクのお問い合わせからどうぞー。 患者会との合同企画これまで患者会の方々とご一緒させていただく機会はあったのですが 2~4月と連続で患者会を運営され

          【第36~39回】医師が処方できない薬

          【第10回】 傷ついた癒し手 wounded healer 肺腺がんstage4

          Medipathyという活動の振り返りです。 活動報告というより、僕が思ったことを本や映画などを踏まえて考察を深めています。ちなみに掲載順はバラバラです笑 今回のテーマは、「傷ついた癒し手 wounded healer」 オランダの牧師であり、大学教授でもあったHenri Nouwenの同名の本を参考にしました。現状、日本語訳はありません。 https://www.amazon.com/dp/0385148038 Medipathyとは主に、医療系学生が昨今の教育ではあ

          【第10回】 傷ついた癒し手 wounded healer 肺腺がんstage4

          【第26回】 墨汁一滴 膵臓がんstage4

          Medipathyという活動の振り返りです。 活動報告というより、僕が思ったことを本や映画などを踏まえて考察を深めています。 今回のテーマは、「墨汁一滴」 明治の俳人、正岡子規が自身の死の間際に書いた本のタイトルです。 Medipathyとは主に、医療系学生が昨今の教育ではあまり機会のない、患者さんのお話を深聴き、語り合い、そして笑い合うをテーマに月に一度のペースで開催しています。 参加ご希望の方は、こちらのリンクのお問い合わせからどうぞー。 正岡子規について江戸から明治

          【第26回】 墨汁一滴 膵臓がんstage4

          【第28回】おおかみこどもの雨と雪 「先天性血栓性血小板減少性紫斑病」の男性とその母親

          Medipathyという活動の振り返りです。 活動報告というより、僕が思ったことを本や映画などを踏まえて考察を深めています。 28回目のテーマは、映画「おおかみこどもの雨と雪」です。 Medipathyとは主に、医療系学生が昨今の教育ではあまり機会のない、 患者さんのお話を深聴き、語り合い、そして笑い合うをテーマに月に一度のペースで開催しています。 参加ご希望の方は、こちらのリンクのお問い合わせからどうぞー。 28回目の患者さん先天性血栓性血小板減少性紫斑病(cTTP)に

          【第28回】おおかみこどもの雨と雪 「先天性血栓性血小板減少性紫斑病」の男性とその母親

          【第7回】 死海のほとり 特発性頭蓋内圧亢進症

          Medipathyという活動の振り返りです。順不同で更新していきます。 第7回目の患者さんは特発性頭蓋内圧亢進症のKさんです。 Medipathyとは主に、医療系学生が昨今の教育ではあまり機会のない、患者さんのお話を深く、聴くということを目的としています。 誰でもご参加可能ですので、参加ご希望の方は、こちらのリンクのお問い合 わせからどうぞー。 10代という若さでの発症。症状に伴う体力低下で諦めざるを得なかった学業。そして治療で入退院を繰り返している現在。そして、どうして

          【第7回】 死海のほとり 特発性頭蓋内圧亢進症