見出し画像

匿名性と顧客サービス:罵詈雑言と高評価の両面を見る

今回は「匿名性」をテーマに書いてみたいと思います。

私は百貨店で経理を担当しており、電話対応中にお客様からクレームや罵倒を受けることがよくあります。


一見すると、罵倒やクレームをするお客様側が問題だと思うかもしれません。しかし本質的な問題は百貨店側、つまりプラットフォーマーにあると私は考えています。

まず、現状ではスタッフが直接電話対応をしているため、罵倒やクレームをそのまま受け取ってしまいます。


しかし、本来は自動音声応答システムを導入すれば、スタッフが直接対応する必要はなくなります。つまり、現状ではコスト削減のためにスタッフが直接対応しているのです。

ここで匿名の問題に話を移します。


電話対応で罵倒やクレームをするお客様の情報は基本的には記録されません。少なくとも私の働いている百貨店の店舗では、言ったもん勝ちの状態になっています。


一方で、AmazonレビューやTwitterなどでは、匿名でありながら自分の意見を世間に公表することができます。匿名で評価やコメントを残しながら、罵倒やクレームは記録に残らない、匿名側が圧倒的優位な立場にあると言えます。


匿名での罵倒やクレームと、匿名での高評価やポジティブなコメントは表裏一体。


匿名で罵詈雑言を浴びせることと、匿名で賛辞を述べることは、実は同じ匿名性を利用している点で共通しています。だからこそ、「匿名は良くない」と私は考えています。

この問題の解決策としては、電話対応を自動音声に切り替えるなどして、匿名での罵倒を防ぐことが考えられます。また、SNSやレビューサイトでの匿名性を見直すことも必要かもしれません。しかし、現実的には全てを実名制にすることは難しいでしょう。

私の考えとしては、

匿名での罵詈雑言やクレームが問題だとしても、それを受け入れる仕事に就いている限り、その状況は変わらない。

ブラック企業が存在するのは、そこで働く人がいるからであり、同様に匿名での罵倒やクレームが続くのも、それを許容する仕事が存在するから。したがって、自分がその仕事を辞めるか、変える努力をすることが必要だと考えています。

とはいえ壮大な理想を求めて職を転々と変えていくことは現実的ではないので、どこかで折り合いをつけていくことにはなりますが、考え方として心の片隅に持っておきたいです。

最後に、すべての行動は1票を投じることと同じです。物を買う、サービスを利用する、仕事を選ぶといったすべての行動が、その選択に対する支持を示しています。したがって、仕事を選ぶ際もその仕事に1票を投じるという意識を持つことが大切だと思います。

今回は以上です。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。それではまた。