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【商品考察】ファンドラップ(15)~WealthNavi3.0、次世代に豊かさを!~



ファンドラップのコア資産化を研究テーマにしているので、シリーズで書いている。

WealthNaviの第2四半期決算発表に合わせて、新NISA対応の追加情報が出た。

ひとことでいうと、素晴らしい。エンジニア魂を感じる。

他社に先駆けて来年1月からの開始を再度アナウンスした。やはり業界トップランナーは、しんどいなあとも思う。

これを受けて、他社がどう攻めてくるかが楽しみだ。

追加情報のポイントは、事前に情報提供されていた、新NISA積立枠からフィーを取れないという制度上の制約を逆手にとって、

新NISA積立でのフィーの約30%割引

という荒技を使った。

これまで積立枠には投資できなかった訳だから、そこから追加でフィーを顧客から徴収するより、戦略的に、NISA口座を取り込むことを優先するという「肉を切らせて骨を切る」戦法、投資家視点では微妙だが、顧客視点では大歓迎だ。

金融庁の確定前にフライング気味に新制度対応宣言されていたので、多少の不安があった。でも今回の追加情報で大枠は固まった。

直販の「長期割」適用後の新しい NISA 口座全体の手数料は、 リスク許容度に合わせて、年率 0.54〜0.60%(税込 0.594〜0.66%)まで下がる。

投資一任フィーの税還付も考慮すると、投資一任フィー0.5%以下も視野に入る。

長期、分散、低コストを満たす、新世紀ファンドラップ時代、WealthNavi3.0の幕開けだ。

ところがどっこい、

決算説明資料P55では、メインターゲットを20~50代とし、アラカン世代は、完全に無視されている。これは悲しすぎる。

これでは、今後の機能拡張の優先度にも支障をきたすだろう。

なんとかせねば!

ということで、WealthNaviさんに想いが届くことを祈って、

春に書いた、『3世代家族の906030モデル』の具体的な仕組みとして、家族の共有財布をイメージした企画書を書くことにした。


たまたま野村さんの関連するウェビナーも視聴した。

三世代で考える資産運用~「人生100年時代」における資産運用の考え方と運用のポイント~
日時:2023年8月12日(土)10:00~11:00
講師:野村證券 投資情報部長 東 英憲
アジェンダ:
1.人生100年時代を迎えて
2.三世代がしあわせに暮らすための将来設計
3.三世代で考える資産運用

以前より、野村さんは三世代資産運用の考え方をパンフなども作成し、啓蒙されている。すばらしい内容で大枠では共感できる。でも、野村さんのデジタルカスタマーである私にとっては、もう遠い存在にしか感じられなかった。。。

気を取り直して、
リタイヤ世代の資産運用のリリーフエースとしてのソリューション企画のようなものを書いた。


企画書『ファミリーウォレット 次世代に豊かさを!』


ミッション:
同時代を生きる家族の豊かな生活のため、最新のテクノロジーと、日本の社会風土を活用し、日本版の家族金融プラットフォームを構築する。

ソリューション名:
ファミリーウォレット(略称:FW)
※自分で名称は考えたが、Family Walletというアンドロイドアプリを見つけてしまった。残念だが、別の名称はまだ思いつかない。

ロゴ:
Bingさんに、FWの文字を含み、コインの形状で、明るい色合いでと、ロゴ作成を依頼した。ワグネル風というか、ショッカーのようなロゴマークができた。

By Bing

システム基盤:
・新おまかせNISA対応WealthNavi forAEON CARD 
・イオンゴールドカード(家族カードを3枚まで無料発行)
・イオン銀行


■退職世代をとりまく環境

期待と不安が混在した複雑な時代、VUCA(Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、Complexity:複雑性、Ambiguity:曖昧性)な世界を、衰えた肉体と精神で、楽しみながら、生き伸びる必要がある。

●個人
・インフレ、増税、年金減リスク
・長寿リスク(資産枯渇リスク)
・健康、認知症リスク
●社会
・AI、量子コンピューター、宇宙開発などの進歩
・気候変動、南海トラフ地震への不安
・地政学的リスク


■退職世代の金融面での課題

●退職期の資産現金化
退職金、確定拠出年金、貯蓄型保険などが、現金化されてしまい、投資が中断されてしまう。

●金融情報の氾濫
金融機関の動画配信や無料セミナーなどは、ポジショントークにしか聞こえない。何が正しい情報なのかよくわからない。

●政府への不信感
「貯蓄から投資へ」のスローガンは、嘘っぽい。そもそも「新しい資本主義」で言及された、主に高齢世代が保有する預貯金2,000兆円への政府の考察結果が理解できない。たとえば預金を抱え込んだ銀行にリスクをとらせず、個人にリスクを転嫁するようなレポートが散見される。


■金融面での原因分析

●金融制度設計上の課題
確定拠出年金だけでも、長期投資を継続できれば、国民年金とあわせて老後資金を確保できる可能性がある。ただ、現状の確定拠出年金制度では、NISA口座のように投資銘柄のまま出せず、終了時に現金化され投資が中断してしまう。これは、国が税金を徴収する為だろう。NISAは、改善はされたものの枠を残したことで、成長枠とは何か?積立枠で買えない銘柄は?とかの理解が必要で、冗長的な制度だ。システム屋は、このような枠の要件に燃えたりもするが、個人的には、くだらなすぎて金融庁にコスト感覚がないとしか思えない。
また夫婦のNISA口座間での相続など、論点はまだまだ残っている。

●金融業者の志の低さ
インフレ、超低金利、少子高齢化、低賃金、増税、生産年齢人口低下による国力低下、AIによる経済構造の変化など不安をあおるマーケティングが横行している。『~だから投資が必要』と金融投資に誘導するのではなく、顧客本位の業務運営を起点としている業者になかなか巡り合えない。結果として、『金融機関の窓口にいくな!』なぜなら、金融機関の売りたいものしか提案されないから。。。といった低俗なロジックが蔓延している。
金融業界しか実務経験のない、自称金融のプロ的ビジネスマンが語る金融リテラシーが薄っぺらい。

●社会モデルの古さ
退職金制度、婚姻制度、義務教育制度など時代の変化に政府が対応できていない。フランスのパートナーシップ制度のような税制、相続等に柔軟性を持たせられるような根源的な制度改革を、政府が、推進できていない。その為、次世代に問題が先送りされ、不安感が増幅されてしまう。


■解決への指針

●現金化された資金をNISA対応ファンドラップへ入金し運用する。
投資一任契約により、国際分散投資を生涯継続し、非課税での投資期間を最長化する。自分自身の相場下落耐性にあったポートフォリオを組み、投資を継続することで、市場の変化に動じない投資体験も蓄積できる。投資期間は身体、認知能力が保持できる30年程度(~90歳)を想定する。

●低リスクのポートフォリオになるべく移行しない。
次世代の金融面での不安を低減する為に、資産形成を継続し、継承金額を最大化する。

●複雑な制度をシンプルに運用する。
政府の過剰な制度設計により、複雑なNISA制度をシステムで包含し、1つの統合パッケージとして安易に活用できるようにする。

●信頼できる金融業者を自ら探す。
受け身ではなく、各種コンテンツ、対面セミナー、パフォーマンスデータ、IR資料、株主総会出席、顧客満足度調査、口コミ、個人的嗜好などを元に業者選定し、1年程度の試行後、利用する金融サービスを決める。

●金融分野だけでなく日常生活に主軸を置く。
金融サービスだけでなく、生活全般の基盤となりうるサービスを選定する。


■解決策

0)年金受給までに、現金化された確定拠出年金等の資金をNISA対応ファンドラップ(新おまかせNISA対応WealthNavi forAEON CARD)へ早めに入金する。WealthNaviへの積立てにより、NISA制度での積立枠、成長枠といった冗長的な制度を無視できる。

1)年金受給後は、夫婦の年金収入の多い方の年金を、NISA対応ファンドラップへフルインベストしながら、必要に応じて取崩すモデルを構築する。

具体的には、
◆毎月15日
普通預金(年金受給口座)で100万円以上の預金は、すべてWealthNaviへ入金する。また50万以下の場合、WealthNaviから20万出金する。
※現時点では、上記手法に対応できるかは詳細不明
◆AEON CARDでの月5万円積立は可能な限り継続する。
◆月50万円以上の出費がある場合は、別の口座と紐つくカード払いにするか、WealthNaviから必要分出金する。
◆WealthNaviの入金や出金の都度、ポートフォリオがリバランスされるので、最適な比率での運用が維持される。
◆必要に応じて、投資一任フィーの還付を受ける為に、確定申告を実施する。

ちょっと話はズレるが、為替の評価(円とドル評価の差)に10%以上の差があった場合、為替での利益の利確は、WealthNaviの場合は、小まめにしようと考えている。為替は循環すると考えているから。

2)WealthNaviのリスク許容度は4以下とし、暴落時には、リスク許容度を5に上げられる余力を持ちながら、生涯運用する。余れば、次世代に資産継承する。

3)会社で配布されるコーポレートカードに相当する家族カード(イオンゴールド家族カード)を発行し、家庭の支出の一本化を図る。単にコストだけを考えると直販のWealthNaviが有利であるが、イオングループと新しい価値を個人として共創していく意味で、AEON CARD版を選択する。

(注意事項)
・WealthNavi forAEON CARDでは、「長期割」を適用できない。コストだけを考慮すると直販一択になる。
・WealthNavi forAEON CARDのサービス継続性や、他のポイント還元率の高いサービスの追加など、長期運用に不向きな考慮事項がある。現状では、WealthNaviの販売チャネル変更は、全売却を伴う。
AEON CARDは、イオン以外でのポイント還元率は0.5%となる。



まとめ

今回のWealthNaviの追加情報で、具体的な仕組み案まで作成できた。

NISA対応版WealthNaviの最大の弱点は、NISA口座がWealthNaviに独占されることだと思うけれど、

若い世代は、iDeCoがあるし、リタイヤ世代にも、NISAの1,800万円/人の枠で充分と思え、家族の一人のNISA口座がWealthNaviに独占されても、要は割り切りの問題だと、今回書いて思った。

特にリタイヤ世代は、今回のNISA制度の改定で、手元にある現金をゼロから投資できるので、ちょうどタイミングがよいと思う。

1点注意したいのは、AIの動向だ。過去と現在の大量データから先の先を読んだプレイヤーどうしの争いでは、過去の金融理論は役に立たなくなるかもしれない。そんな時代は、宮沢賢治のような堅実な投資スタイルがいいのかもしれない。

今後は、他社の動きや、WealthNaviの詳細情報を確認した上で、最終的に2024年からのNISA口座を決定しようと思う。

【今日のひとこと】


何をならうかではなく、誰からならうかが重要。
(茶道のある先生のお言葉)

茶道は、こころをおそわるものなので、師匠は簡単に決めるのではなく、3年ぐらいかけて探しなさいと。

あせらなくていい。

肩書や経験などではなく、直感をたよりに、いっしょにいるだけで安心感をもてる人を探しなさい。正しく求め続けたら、必ずご縁は繋がるものだからと。

答えが1つでない、この現代で、

何に投資するかではなく、誰と投資するかが重要。

だと思う。

NISA口座だけでなく、対面証券口座も含めた全体のポートフォリオを元にして、近江商人の商売の極意「三方よし」の精神で、投資環境を整備していこうと思う。



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