【投資BOOKS】投資信託のうらおもて(武隅三郎)
ファンドラップをコア資産にできるかを、検証するために深堀しいてる。
ファンドラップは、投資信託の塊なので、
投資信託を、もう少し学んでおいた方が良いと考え、昭和34年(1959年)雪華社出版の『投資信託のうらおもて』という本を図書館で見つけたので読んでみた。
ファンドのうらおもてなので、メリットデメリットなどが書かれている。
現在発売されているワンパターンの投資信託本よりは面白かったので、備忘録的に刺さった部分をまとめた。
1960年代の日本の投資信託
1960年当時のことは、以下のように書かれている。
現在で考えると、
直近10年の米国株式の好調さと、高配当をベースにしたFIRE族がブームになっているような感じか?
また、投資信託は、日本の戦前もあったらしい。
戦中景気もあり、年率30%ぐらい!
戦後は、昭和26年から、
野村、大和、山一、日興で一斉に投資信託が販売されたらしい。
今のファンドラップのような感じだったかもしれない。
当時の投資信託の特徴として、4点あげられていた。
紙の株券には、所持者が記名されていたらしいが、投資信託が無記名だと自由に個人間で受け渡しできたのかな??
効率性の面で、株式への直接投資の方が、運用コストを含めて有利であることは書かれているが、コストへの偏った批判は、この時代の著者はもっていないようだ。
税制や、体制(証券会社が直接、ファンドの運用をしていたようだ)以外は、今とそんなに大きな違いはないと、この本を読んで感じた。
昭和33年時点の国民所得の投資信託の割合は、
日本2.4%
米国4.1%
この時点で倍ぐらいの差がある。
岸田内閣倍増プランの中での指摘での金融資産の投資信託の割合は、
日本4.7%
米国13.1%
所得の割合と、資産の割合とでは意味合いが異なるが、
単純比較では、60年間で、2倍 vs 3倍だ。
そんなに変化していない。
戦後の小市民老後モデル
おもしろかったのが、
当時の日本では、退職金でタバコ屋を開き、気楽に老後を送るような小市民の標準モデルがあったそうだ。
ただインフレもあり、小市民では、タバコ屋開業が難しくなったので、代わりに投資信託への投資が、1つの選択肢になっていたそうだ。
老後にタバコ屋か~
そういえば、結構、タバコ屋さん、あったなあ。
昔のタバコ屋のカウンターは、町の看板娘というイメージがあるが。。。
現代の老後小市民モデルは、何だろう?
健康維持の意味も含めて、大型ショッピングセンターやAmazonの倉庫作業員かな?
ジブリパークの公園清掃員なんかにもあこがれる。
これからの60年
60年前でも、
著者は、最近の金融業者でもいうような、
株式投資は、経済が発展していくものであろうから、株式の妙味は続き、投資信託は、きわめて明るいと考えざるを得ない。
と言いながら、
投資信託の制度上の欠点として、
個人投資家なら相場大変動時には、気楽に全株式利確ということができるが、プロの投資信託の運用側は、そういうわけにもいかない。
専門家の運用を過信してはいけない。
と警鐘されている。
割と本質をついているような気がする。
2022年後半の相場では、
ファンドラップ保有者としても、為替益の利確も含めて、いったん半分や全売りも、アリなのかもしれない。
そういう意味で
MUFGファンドラップや三井住友信託ファンドラップは、
運用資金待機コース
という資産を売却、現金化することで、自発的に相場変動に備え一旦運用を止めるモードがある。
1部のロボアドは、景気を先読みして株式比率を大胆に減らす機能を持つものある。ロボアドにまかせるのは怖いけれど、すばらしい。
三井住友信託ファンドラップの運用資金待機コースを調査した。
待機化の判断は難しいが、すばらしい!
今保有しているダイワファンドラップは、
先行していた分、後発組に機能面で遅れている部分が多い。
野村さんにも待機モードはない。
待機モードがあると、フィーを取れなくなるし、
フィーの長期保有割引制度なんかも、今から始めると利益を圧迫するので、やらないとしたら、 セコすぎる。
今から60年以上前、
55歳定年制だった高度成長時代の投資信託は、
今と枠組み自体は、同じだった。
その頃の時代感は実体験からわかる。
道路は、まだすべて舗装されていない。
町は、砂ぼこりが舞い、
工場の煙や自動車の排気ガスで空気がよどんでいる感じ。
当時、子供だった私は、
家屋の間の空地で、地面がでこぼこなので、ボールがどこに転がるかわからないような、高度な草野球を日暮れまでしているだけで、投資信託なんて、まったく知らなかった。
でも経済も家計も、右肩上がりなのは感じていた。
町の人々に活気があった。
家には四季報(創刊は1936年)があったので、親たちはこそっと、株を買っていたに違いない。
今はどうか?
これからはどうか?
iPhoneはあるが、円安で高い。
ファンドラップはあるが、サービスの練度は、まだまだ未熟。
今から60年後、
空飛ぶ自動車がいきかう、
極限まで脱炭素化したスマートシティ、あるいは月面居住区で、
子供たちは、仲良く遊んでいるだろうか?
そうであれば、
株式の妙味は続き、ファンドラップは、きわめて明るいと考えざるを得ない。
(まとめ)
◇タイトル:投資信託のうらおもて
◇個人満足度 ★★★★☆(4)
◇個人総評
60年前の本なので飛ばし読みしかしていないが、投資信託の枠組みは、大きくは変わっていないことを理解できた。
この本のおかげで、60年前を起点にして、今から60年後(2080年)を妄想することができる。
60年後もファンドラップは、あるだろうか?
投資信託が、ファンドラップに進化したように、
さらに不動産、保険、医療も家電も車も教育も婚活も終活も。。。
すべてラッピングして、ライフラップに発展できているだろうか?
ぜんぶAmazonに取り込まれAmazonラップだったりして!?
そうなれば、投資一任フィーは、サブスクの中に隠れて見えなくなるだろう。
◇個人アクション
ダイワファンドラップに固執することなく、他社のラップ口座や他の金融商品をコア化できないかも、継続して探求していく。
【今日のひとこと】
この道の彼方
約束されたはずの場所があると
信じて行きたい
もう1度、孤独に火をつけて!
(1990年作『ON THE ROAD』:の歌詞より、
シンガーソングライター 浜田省吾)
シンガーソングライターといえば、1970年代に流行った。
最近なら、あいみょんさん。
投資しながら書いたら、投資作家(Investment Writers)かな?
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