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【データ分析系書籍紹介】 DATA is BOSS 収益が上がり続けるデータ・ドリブン経営入門(超おススメ)

予想どおり更新をサボってしまいましたが、久しぶりに投稿します。

今回は「DATA is BOSS」を紹介します。
何度かNoteでも紹介していますが、自分がこれまで読んだデータ分析系書籍の中でも、出会えて本当に良かったと思える名著です。

著者は、一休の社長の榊淳さんで、データドリブン経営への切り替えにより一休の業績を伸ばし続けている凄腕の方です。

データサイエンティストでもあり経営者でもある榊さんが、データをどのように捉えているのか、データドリブンをうまく進めるにはどうすればいいか、どのようにデータを使っているのか、を事例を用いて具体的に書かれており、非常に価値のある内容になっています。

データではなく顧客を見るべき、に対する反論 → データの可能性を軽視しすぎ

データ分析の結果や予測モデルが実態と合わないとき、我々が相手しているのは顧客であってデータではない、数字ばかり見ていると顧客の気持ちがおざなりになる、という話が出てきがちです。
確かに現場の感覚が正しいことがほとんどであり、著者も「顧客の定性理解と定量理解が不一致の場合、定量理解の方が間違えている場合がほとんどです」と明言しています。
ここでデータドリブンを志向する多くの企業は、現場の経験や勘に基づく意思決定に戻ってしまいます。よくある失敗事例です。

ではどうするのか?といえば、
ビジネスサイド(例えば店長)から、分析担当者に適切なフィードバックをし、予測モデルや分析結果をチューニングしていくべきです。それにより勘と経験よりもモデルの方が予測精度が高くなります。

データを見るとは?

データを見る上でのポイントもいくつも紹介されています。
特に重要なのが、①データは顧客そのものである、という考え方、②ありとあらゆる切り口でデータを分析すること、③分析結果について、定性情報を確認する。の3点だと思いました。

①データは顧客そのものである、という考え方

データには顧客行動が現れます。顧客行動は顧客そのものであり、データ=顧客という考え方の基になっています。
「数字ばかり見ていると顧客の気持ちがおざなりになる」というありがちな指摘に対し、断固違うと腹落ちすることは、データドリブンを進める上で非常に重要であると思います。

②ありとあらゆる切り口でデータを分析する

売上が上がった、あるいは下がった原因を探るためには、商品タイプ別や顧客セグメント別、購入理由別などありとあらゆる切り口で分析することで、的確なアクションを検討できます。当たり前のようですがなかなかできている企業は少ないといいます。
特に印象的だったのは、分析の軸として必ず最重要顧客(一休で言えばヘビーユーザであって新規ユーザではない)がどうなっているのか?を確認する という話でした。
一休であれば、低価格帯の商品を表示することで閲覧数が増えたとしても、重要顧客の満足度が下がるのであれば施策は実施すべきでない、という判断になります。これは意外に見落としがちなポイントであり注意が必要と思いました。

③分析結果について、定性情報を確認する

これだけデータを重視する著者ですが、データ分析がなぜそのような結果となっているか確認することを怠りません。例えば年間100万円以上のヘビーユーザが増えているとすれば、なぜ増えたのか?をユーザにヒアリングして理解します。
つまり、データのみを顧客と捉えてるのではなく、データ=顧客の定量情報とヒアリング=顧客の定性情報を一致させることこそが重要と言えます。


まだまだ紹介したい内容が盛り沢山な本書ですが、データ・ドリブンを進めようとする人は必読の内容となっていますので、ぜひ手に取ってもらえればと思います。



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本書からの学びが多かったので、過去にいくつか記事を書いています。


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