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ウクライナ東大生一人旅🇺🇦 戦時中のウクライナの古都【リヴィウ】
こんにちは。
ここ最近、色々なところに旅しまくっている関係でなかなか記事を書くことができず、前回の執筆からかなり長期間が空いてしまいました。
今回は先日ウクライナ🇺🇦を一人旅した時の旅行記を記したいと思います。
まだ前回のバルト三国旅が完結していないのですが、なるべく最新のウクライナ情勢の記録を残しておきたいという思いから、こちらを優先することにしました。
ロシアとの戦争が長期化し、混沌状態へと陥っているように見えるウクライナ。
一体どんな世界が広がっているのだろうか。
そもそも入国できるのか
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当たり前のように旅が始まろうとしているが、ウクライナは2024年6月現在、外務省で危険レベル4(退避してください)に分類されている。
本当に入国できるのか。
そんな不安は当然僕の頭の中にもあった。
結論から言うと、ものすごくあっさり入国できてしまった。
現在ウクライナ行きの飛行機は運行していないため、入国するには陸路で行くことが必須である。
今回はワルシャワ発の夜行バスでウクライナに入国した。
満席に近いパス車内にウクライナ人以外の人は僕1人だけ。当然、検問所では色々質問責めにされるだろうな、と少し覚悟していた。
しかし蓋を開けてみると、拍子抜けするくらいあっさりしていた。
検査官は、パスポートをペラペラめくり、簡単な質問をした後にあっさりスタンプを押してくれた。
正直、こんな簡単に入国できていいのだろうかと疑いすらしたが、何はともあれウクライナに入国。
そして朝を迎えた。
カフェでくつろぐ人達
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朝の6時頃、リヴィウに到着。
まだ観光するには朝早いので、とりあえず中心駅近くのカフェで朝食をとることに。
クロワッサンのサンドウィッチを見かけたので、これを注文。
ウクライナの人達は英語はそこまで通じないと聞いていたが、若い男の店員さんが愛想よく対応してくれた。
カフェ店内では多くのウクライナ人が朝食を取っており、和やかな雰囲気で包まれている。
戦時中の緊張感はそこにはなかった。
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僕はバスが一緒だった、アンドリューという男性と少し話をした。
アンドリューはウクライナとイギリスのハーフらしく、頻繁にキーウとワルシャワを行き来してるらしい。
アンドリューは日本人である僕を大変珍しがっており、入国検査の時は、英語が通じないであろうウクライナ人との通訳を買って出てくれた。
「僕がウクライナで外国人を見たのは、君で2回目だよ。」
アンドリューはカフェで朝食をとる僕に気さくに話しかけてくれた。
「1人目は香港の男性だったね。彼は、ドキュメンタリーを撮りにウクライナにやってきたらしい。君は何をしにここへ?」
僕は一体何のためにウクライナに来たのか。自分でもよくわかっていない胸中を何とか言語化する。
「戦時中のウクライナがどんな感じなのか。この目で実際に確認してみたくなったんだよ。でも、少し驚いたね。街は穏やかだし、人々は至って冷静だ。」
アンドリューは神妙に笑ってこう返す。
「もう慣れちゃったよ。勿論、いつ空爆が来るかわからない不安は、心のどこかである。でも、それが僕たちの日常なんだ。」
人は非日常に苛まれる時ほど、変わらない日常を追い求めるものである。
僕はそれを思い知った。
もし、ウクライナの人々の非日常的な姿を求めて、ウクライナを訪れることを考えている人がいたら、やめておくことをお勧めする。
そこにあるのは、変わらない日常を手にしようと努力するウクライナ人の姿だけなのだから。
美しい旧市街
これからキーウの家族に会いに行くというアンドリューに別れを告げ、いざリヴィウ観光スタート。
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晴天に恵まれ、絶好の観光日和だ。
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歩くこと数十分、リヴィウ旧市街に到着した。
ここから旧市街にある見所を網羅していく。
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それにしても美しい街並みだ。
ウクライナの京都と呼ばれるだけのことはある。
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土日であれば市庁舎の塔に登って街並みを眺めることができるみたいだが、今日は生憎の平日だ。残念。
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こちらはリヴィウ最古の薬局らしい薬局博物館。
内装も洗練されており、あらゆる種類の薬が飾られている。
折角なので、名物だという薬用ワインを購入してみることに。
万病に効くが、味はそこまで美味しくないらしいと噂である。
個人的な感想としては、結構美味しかった。
敢えて例えると、黒蜜のような味わいだろうか。結構甘味が強い。
赤ワインを想定して飲むとびっくりするかもだが、味自体はそこまで悪くないように思えた。
世界一美しい墓地
少し旧市街を外れて、郊外へ。
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そしてやってきたのはLychakiv Cemetery。
世界一美しい墓地として有名な場所だ。
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墓地ではあるものの、歩いていて全く怖さを感じることはない。
良い意味で墓地らしくない、本当に美しい場所だ。
かなりの広さで、中にはウクライナ軍の施設もあった。
リヴィウの大体の見所は見終わったため、とりあえず昼食といくことに。
やってきたのは旧市街にあるVienna Coffee Houseというお店。
4つのランチコースの中から一つを選んで注文するスタイル。
とりあえず最もスタンダードっぽいコースを注文。
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前菜のサラダが運ばれてくる。
ウクライナ名物のビーツが大量に盛り付けられて、申し分ばかりのチーズとレタスが添えられている。
なかなか日本では食べる機会のないビーツだが、よく味わってみると結構いける。
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続いて運ばれてきたスープ。
メニューにはUkrainian Borschtと書かれていたのだが、運ばれてきたのを見ると、想像していたのと違くてびっくり。
味も豆っぽさを結構感じるスープだ。
美味しいのは美味しいのだが、これは本当にボルシチだったのだろうか…?
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そして主役のシュニッツェル君。
ヨーロッパではおなじみの、薄く揚げられた豚カツのような肉料理。
美味しいには美味しいが、やはり本場のウィーンやドイツのブレーメンで食べた奴の方が個人的には好み。
それでも十分に満足できるコースだった。
何よりこれで700円程度なのだからびっくり。
ウクライナの物価、恐るべし。
その後、少しだけ旧市街の外れを観光する。
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夜行バスの疲れもあるので、観光はこのくらいにして、宿で昼寝することに。
夜の不安
目が覚めるともう夜になっていたので、夜ご飯を食べにいく。
やってきたのはRibs Restaurant "At Arsenal"
リヴィウで超有名なポークリブ店らしい。
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名物だというポークリブと、グリル野菜も注文。
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こちらのポークリブ、テーブルに持ってきてもらった後、店員さんによるカットパフォーマンスがあった。
大胆に、かつ綺麗に肉の骨目をカットしていく様は何とも大迫力。
ちなみに、ナイフやフォークなどの類は店内になく、手でもってむしゃぶりつくのが店一押しの食べ方らしい。
肉の味付けは至ってシンプルだが、誠に美味しい。
脂身と赤身のバランスが神がかっている。
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グリル野菜もここで登場。
これまたシンプルで、味付けも塩胡椒のみ。
それなのにめちゃくちゃ美味しい。
ちょうど良い焼き加減で、野菜本来の甘味やジューシーさが存分に味わえる。
これは名店なのも納得だ。
やることも終えたので、宿に戻って眠りにつく。
カプセルホテルなので、電気を消すと狭い空間が一気に真っ暗になる。
なんだか、空爆を受け、狭い防空壕の中に閉じ込められているような錯覚を受ける。
ちなみに、この日はここまで一度も空襲警報が鳴ることはなかった。
だが、日中はまだしも、もし寝てる最中に空襲警報が鳴ったらどうなるだろうか。
いち早く目覚めて最適な判断を取れるだろうか。
そんなことが一気に頭に駆け巡る。
結局、疲れていたこともあって一瞬で眠りにはついた。
しかし、ウクライナの人たちはこんな夜を毎日経験しているであろう。
「もう慣れちまったよ」
そう呟くアンドリューの顔が頭に浮かぶ。
慣れというのは一種の防衛反応だ。
安心して夜も眠れない日々が続くことが日常であって良いわけがない。
自分達が普段手にしている日常がどれほど恵まれているものなのかを思い知った。
キーウへ
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翌朝、早朝に目覚め、支度をする。
宿をチェックアウトし、いよいよ首都であるキーウへ向かう。
リヴィウに比べて一気に東側に近づくため、危険度は高くなる。
より一層気を引き締めなければ。
緊張感を高めつつ、バスに乗り込んで首都へ向かう。
こんな感じで、リヴィウ旅は終了。
序盤の方にも書いたが、街自体は活気に満ちており、戦時中でも日常を追い求めているウクライナ人の姿が印象的だった。
こんな状況下なため、観光客っぽい人はほとんどいなかったが、街並みの美しさは僕がこれまで訪れた都市の中でも随一。
パリに次いで2番目くらいに綺麗な街並みだった。
翌日はいよいよキーウを観光予定。
リヴィウより東寄りで、ロシアからの攻撃も多い場所である。
一体どんな世界が広がっているのか。
乞うご期待。
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